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破章の弐 We're Wrong about the World
41ターン目/宿命の戦い
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「………愛してるって、親愛とか友愛とかそーゆーことじゃなく?」
今一度、タローは問いかける。
もしかしたら何かの聞き間違いかもしれない。リピートアフタミー。
「恋愛だ。情愛。偏愛。とにかく妾はエリザベスを情欲的に愛している」
龍王姫、力強く再び断言!
作者もビックリである。
「――ってことは何か? 貴様、そんなことのためにここまでの騒動を??」
さすがの魔王様も、驚愕の御様子。
「そんなことではありません!」
憤りのあまり、龍王姫は思わず怒鳴り散らす。
「妾にとって、この戦いは一世一代の大勝負。世界のすべてを敵に回しても、妾はエリザベスと添い遂げると決めたのです!」
そして、龍王姫はタローへと人差し指を向ける。
「そのために勇者よ!其方はここで倒す!!」
「いぃッ!? なんで僕!!?」
変な悲鳴が溢れる。事態はますます混迷の一途を辿っていた。
「惚けても無駄だ。其方がエリザベスへ恋慕を抱いているということはとっくに調べがついている!」
龍王姫はキッと、タローを睨んだ。
「つまり妾たちはお互いが恋敵。かつて我が祖父・龍王と、初代勇者が当時のペンドラゴン王女を巡って争ったように、妾たちもまた争う運命にあるのだ!」
とんだ言い掛かり。とんだこじつけ。
あまりにも話がブッ飛び過ぎて勇者は呆れて言葉を喪失する。
「フハハハハ! …………茶番だな」
魔王イスカリオテは、投げやりに壁際に向かって歩いていく。
その背中には最早闘志や警戒心というものを背負うことはなく、完全にやる気を失っているようだった。
「勇者よ、貴様をご指名だ。負けたら承知せんぞ」
「えっ、魔王も闘わねーの?なんでよ??」
突然の仲間の冷めように、困惑する勇者。
「興が乗らん。こんな理由で我が組織が振り回されたと思うと情けなさすぎて面目が立たんわ」
普段陽キャでちゃらちゃらした魔王が珍しく苛立ちを募らせ、拗ねている。
「でもここでエルザ姫を助けないと、その組織が立ち行かなくなるんじゃないの?」
「その程度の組織ならいっそ潰してしまった方が懸命だ。貴様が敗ければ、我輩は【同盟軍】を解散する」
「………まじ?」
「マジ。大マジだ」
魔王は本気だった。
「それにだ。1人の女を懸けた真剣勝負に外野が水を刺すのは、野暮というもの。
―――精々励めよ、小僧」
「………気高いんだか、無責任なんだか」
勇者は一度タメ息。
そして、背負った長剣をスルリと抜く。
「―――いいよ、やろう」
タローは、まっすぐ真摯な態度で龍王姫を見つめ直す。
「どっちみち、勝たなきゃいけないんだろ?」
「望むところだ」
龍王姫もまた、前に出る。
「エリザベス、見ておるがいい。其方に相応しいのは、勇者か妾か。今こそ決着をつける………!」
かくして、千年の刻を経て、勇者と龍王。
双方の末裔による宿命の戦いが始まろうとしていた。
―――あまりにもしょうもない理由で。
「………あの、わたくしの気持ちとか、そーゆーのはほったらかしですか?」
誰よりもエルザ姫当人が一番困惑した様子で、力なく呟いた。
今一度、タローは問いかける。
もしかしたら何かの聞き間違いかもしれない。リピートアフタミー。
「恋愛だ。情愛。偏愛。とにかく妾はエリザベスを情欲的に愛している」
龍王姫、力強く再び断言!
作者もビックリである。
「――ってことは何か? 貴様、そんなことのためにここまでの騒動を??」
さすがの魔王様も、驚愕の御様子。
「そんなことではありません!」
憤りのあまり、龍王姫は思わず怒鳴り散らす。
「妾にとって、この戦いは一世一代の大勝負。世界のすべてを敵に回しても、妾はエリザベスと添い遂げると決めたのです!」
そして、龍王姫はタローへと人差し指を向ける。
「そのために勇者よ!其方はここで倒す!!」
「いぃッ!? なんで僕!!?」
変な悲鳴が溢れる。事態はますます混迷の一途を辿っていた。
「惚けても無駄だ。其方がエリザベスへ恋慕を抱いているということはとっくに調べがついている!」
龍王姫はキッと、タローを睨んだ。
「つまり妾たちはお互いが恋敵。かつて我が祖父・龍王と、初代勇者が当時のペンドラゴン王女を巡って争ったように、妾たちもまた争う運命にあるのだ!」
とんだ言い掛かり。とんだこじつけ。
あまりにも話がブッ飛び過ぎて勇者は呆れて言葉を喪失する。
「フハハハハ! …………茶番だな」
魔王イスカリオテは、投げやりに壁際に向かって歩いていく。
その背中には最早闘志や警戒心というものを背負うことはなく、完全にやる気を失っているようだった。
「勇者よ、貴様をご指名だ。負けたら承知せんぞ」
「えっ、魔王も闘わねーの?なんでよ??」
突然の仲間の冷めように、困惑する勇者。
「興が乗らん。こんな理由で我が組織が振り回されたと思うと情けなさすぎて面目が立たんわ」
普段陽キャでちゃらちゃらした魔王が珍しく苛立ちを募らせ、拗ねている。
「でもここでエルザ姫を助けないと、その組織が立ち行かなくなるんじゃないの?」
「その程度の組織ならいっそ潰してしまった方が懸命だ。貴様が敗ければ、我輩は【同盟軍】を解散する」
「………まじ?」
「マジ。大マジだ」
魔王は本気だった。
「それにだ。1人の女を懸けた真剣勝負に外野が水を刺すのは、野暮というもの。
―――精々励めよ、小僧」
「………気高いんだか、無責任なんだか」
勇者は一度タメ息。
そして、背負った長剣をスルリと抜く。
「―――いいよ、やろう」
タローは、まっすぐ真摯な態度で龍王姫を見つめ直す。
「どっちみち、勝たなきゃいけないんだろ?」
「望むところだ」
龍王姫もまた、前に出る。
「エリザベス、見ておるがいい。其方に相応しいのは、勇者か妾か。今こそ決着をつける………!」
かくして、千年の刻を経て、勇者と龍王。
双方の末裔による宿命の戦いが始まろうとしていた。
―――あまりにもしょうもない理由で。
「………あの、わたくしの気持ちとか、そーゆーのはほったらかしですか?」
誰よりもエルザ姫当人が一番困惑した様子で、力なく呟いた。
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