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第二章〜学園〜

第二章 第四十四話 相談~入会?~ 

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「まさかグランが生徒会に勧誘されるなんてね」
 生徒会長直々に勧誘を受けたことを放課後グランの部屋で話すとみんな驚いた様子で話を聞いていた。

「生徒会長がお兄様の実力を認めたってことですよね!?さすがですお兄様!」

「ありがとうカノン。受験勉強はどう?順調?」

「はい!お兄様にはまだまだかないませんが主席で合格できるように頑張ってます!」

「カノンはすごいね!頑張って入学してね」

「はい!ティナお姉様」
 
「生徒会には入ってもいいんじゃない?聞くところではメリットしかないじゃない」

「そうなんだけど僕の場合はあまりメリットの効果がないんだ」
 グランはすでに冒険者登録を済ませてあり、騎士や就職をするつもりは今のところない。
 さらに生徒会のメリットとして登録時にある程度高いランクから始めることができるというものがある。
 それは実力を学校側から認められている生徒会だからできることでありそんな生徒会の長である生徒会長に勧誘されたものの特権である。
 そして他の職業も待遇が良くなったりさまざまであるためみんなが生徒会を目指すのは当然だろう。
 しかしグランはすでに冒険者ランクSSであり伝説ともいわれるSSSに最も近いといわれているほどだ。
 そんなグランは生徒会の推薦はあまり魅力的には見えなかった。

「そういえばグランはSSランクだったね」

「冷静に考えるとすごいことよね。もう学園に通う必要もないんじゃないかしら」

「カノンなんて心ここにあらずって感じだしね」
 ナミアが言ったようにカノンはグランがSSランクの冒険者だと知ったことで「お兄様がSSランク冒険者様だったなんて……」とつぶやいていた。

「でも一応はいっていたらどうですか?デメリットはそんなにないですし」

「それもそうね。もしグランが入らないのなら私が変わりたいくらいだわ!」

「じゃあ入ることにするかな」
 グランは明日生徒会にはいる旨をクリスタベルベッカに伝えようと決心するのであった。

~ナミアside~
 グランが生徒会に推薦されるなんて思ってもみなかったよ。
 でもグランの実力を考えたら当然のことのような気もするし……やっぱりグランはすごいね!
 でもグランが生徒会に入っちゃったら私たちといる時間も減っちゃうよね……どうしよう。
 いっそのこと私も生徒会に入れたらななんて。
 ナミアはそんなことを考えているうちに自分が入るのも案外悪くないんじゃないかと思いだした。

~エリザベートside~
「まさかグランが生徒会に勧誘されるなんてね」
 私はこう言ったもののある程度は予想していた。
 だってグランの実力は底知れないものがあるんだもの。
 でもなぜグランだけ誘ったのかしらね?
 隣には大会二位のアレグサンダーやベスト8のフレッドリックもいたのに……
 まあ何かしら事情があるんでしょう
 とりあえず明日の朝早くに私も入れるか聞いてみようかしら?
 ほかの人は多分生徒会に入ろうなんて思ってないでしょうしここで一歩リードしておけばとりあえずグランを独占する時間ができるわ!



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