間違えましたっ!!

存在感の薄い者

文字の大きさ
1 / 20

こんな時までドジっ子じゃなくても・・・

しおりを挟む
「こればらまかれたくなかったら俺とデートしろ」
「はいっっっっ――!?」

この時程時間を戻したいと思ったことは無い

時は遡って今朝、私は誰よりも早く学校に来て幼馴染で初恋の相手の篠原拓海しのはらたくみの靴箱に三日三晩考えに考え尽くしたラブレターをいれた
彼はまさに才色兼備で顔よし、頭よし、運動神経よし、なにより性格よしのモテ男である

それに引き換え昔から私は愚図でダメなドジっ子だ
顔も頭も普通運動も普通にいいのだがドジなためよくミスをして皆によく笑われる
でも拓海君はそんな私のことを笑ったりせずにいつも助けてくれる
彼は私にとって王子様なのである

だから私が他の子を差し置いて彼女になるのは無理なのは分かっている
しかも彼はどんなにかわいい女の子にコクられても「他に好きな子がいるから」と言って振るそうだ
でもこの思いは日々募るばかりでこの際玉砕されてスッキリさせようと思った

そして今朝ラブレターを彼の靴箱に投函したハズなのに私が体育館の裏で拓海君を待っていると学校一乱暴で粗暴と有名な相崎煉あいざきれんがやって来た

「あんたが綾小路桜あやのこうじさくら?」
「えっ・・・そ、そうですけど・・・・」

いい噂を聞かない彼とは一切喋ったことが無い私はいきなり話しかけられたため、ビクビクしながら答えた

「じゃぁ、この手紙ってあんたが書いたやつだよな?」

そう言いながら彼は私が拓海君に宛てた手紙をヒラヒラさせながら私に見せた

「あっ・・・!それどうしてあなたが・・・・・」
「俺の靴箱に朝入ってたんだけど?」
「え・・・?」

私は頭が真っ白になった
彼は今私に一体何を言ったのかすぐには理解できなかった
それから今朝の行動を振り返った
ドキドキしながら拓海君の靴箱を探して鞄から手紙を出した瞬間誰か人が来る気配があったため急いで靴箱にそれを入れた

『あっ!あの時か!クソッ!こんな時までドジっ子にならなくてもいいだろがぁ!・・・』

おっと少し言葉が乱れましたね
コホン、とにかくそれは誤解だと目の前の彼に伝えましょう

「えーと、実はそれ、あなたとは違う人に宛てたもので・・・とっ、とにかくごめんなさいっ!間違えました!!だから、そのーとりあえずそれ返してくれる?」

しどろもどろに頭を下げながら謝りなんとか用件は伝えられた
当然のように返してくれるものと思っていた私はすぐに彼から手紙を取り返そうとして手を伸ばすがスッとかわされた

相手の行動に不可解さを抱いた私は見上げてみるとまさに鬼の頭をとった様にニヤリとこちらを見下ろしながら笑った顔があった
その顔に私は反射的に後ろに引こうとしたがその前に私の手を掴まれた

「こればらまかれたくなかったら俺とデートしろ」
「はいっっっっ――!?」

そして今に至る

「なっ、なんで私があなたと・・・!!」
「じゃぁ、これ掲示板にでも張りだそうかな~」

怯えよりも驚きと怒りが勝り、私は大声を上げたが彼はまったく意に介さずに脅し文句を言ってきた
それを聞いて私は一気に怒りの熱が引き、困惑に陥った
そんなことをされれば私はきっと恥ずかしさで死ぬ

「わっ分かりました・・・でも!一回だけっていう条件で!!」

最後は彼に縋りつくように懇願した
彼はその行動に少し驚いていたようだが逆光で表情は見えなかった
その時彼の頬が赤く見えたのは多分気のせいだろう

「じゃ、決まりな」

そう言いながら彼は顔を横に向けながら私を元の位置に戻し、こちらに手を出してきた
それを不思議そうに見ていると彼はその手の意味を言った

「携帯、貸せ。メアド交換すっから」

それから私は急いで携帯を出して彼の手の上に置いた
彼の番号が登録されると私に返し、彼は立ち去ろうとして何か思い出したようにこちらを振り向き捨て台詞を吐いた

「楽しみにしてるぜ、桜」
「―――っ!?」

私は目を見開いて呆然と私の反応を見てクスッと笑って立ち去った相崎君を見ていた
なぜなら最後の笑顔が見惚れるほどのものだったから
その後、私は身近な人しか呼ばない名前で呼ばれたのも相まって思わず赤面してしまった
予鈴が鳴ったため、私は我にかえり急いで教室に帰った

その光景を誰かが見ていたとも気づかずに―――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ここまで読んで下さりありがとうございました!
どうか最後までお付き合いください
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

とっていただく責任などありません

まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、 団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。 この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!? ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。 責任を取らなければとセルフイスから、 追いかけられる羽目に。

手を伸ばした先にいるのは誰ですか~愛しくて切なくて…憎らしいほど愛してる~【完結】

まぁ
恋愛
ワイン、ホテルの企画業務など大人の仕事、そして大人に切り離せない恋愛と… 「Ninagawa Queen's Hotel」 若きホテル王 蜷川朱鷺  妹     蜷川美鳥 人気美容家 佐井友理奈 「オークワイナリー」 国内ワイナリー最大手創業者一族 柏木龍之介 血縁関係のない兄妹と、その周辺の何角関係…? 華やかな人々が繰り広げる、フィクションです。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

「やはり鍛えることは、大切だな」

イチイ アキラ
恋愛
「こんなブスと結婚なんていやだ!」  その日、一つのお見合いがあった。  ヤロール伯爵家の三男、ライアンと。  クラレンス辺境伯家の跡取り娘、リューゼットの。  そして互いに挨拶を交わすその場にて。  ライアンが開幕早々、ぶちかましたのであった。  けれども……――。 「そうか。私も貴様のような生っ白くてか弱そうな、女みたいな顔の屑はごめんだ。気が合うな」

今日結婚した夫から2年経ったら出ていけと言われました

四折 柊
恋愛
 子爵令嬢であるコーデリアは高位貴族である公爵家から是非にと望まれ結婚した。美しくもなく身分の低い自分が何故? 理由は分からないが自分にひどい扱いをする実家を出て幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱く。ところがそこには思惑があり……。公爵は本当に愛する女性を妻にするためにコーデリアを利用したのだ。夫となった男は言った。「お前と本当の夫婦になるつもりはない。2年後には公爵邸から国外へ出ていってもらう。そして二度と戻ってくるな」と。(いいんですか? それは私にとって……ご褒美です!)

処理中です...