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気づいた気持ち
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俺の名前は篠原拓海
今日俺は衝撃的なシーンを見てしまった
それはあの相崎煉と幼なじみの桜がキスをしているところだった
それを見た瞬間俺は頭の中が真っ白になった
『今2人は何をした?』
俺が現実逃避をしている間に相崎は居なくなり、彼女が1人ポツンと残された
その表情はまさしく恋する乙女のものだった
桜とはたまたま家が隣でたまたま同い年でたまたま幼なじみになっただけだった
昔はよく俺のあとについて回ってきた
当時はもっと今より話をして、お互いのことを誰よりも知っていて自分の半身のように思っていた
しかし、成長するにつれて段々と会話が減り、顔を合わせない日が続くといつしか今のような関係になってしまった
でもいつからだろう、こんなに彼女を遠くに感じるのは
いつからだろう、桜を見ていると胸が苦しいと感じるようになったのは・・・
思い返せば小6の時、あの頃俺はよく女子に告白されることが多くなった
その前からそういうのが多かったが卒業に近付くにつれて告白率も高まっていった
俺はいつも「ありがとう、ごめん」と言って相手のことをふっていた
そんなことが続いたためにいつしかある噂が流れるようになった
その噂というのは「篠原拓海には好きな人がいる」という内容だった
それを聞いた奴らはすぐに詮索し出した
そして導き出した答えは思わぬ方向に向かった
『篠原拓海の好きな人は綾小路桜』
俺は必死に否定したがそれを見た周りの奴らは信じなかった
そうとも知らずに俺はその件は終わったと思い込んで放置してしまった
でもその間に桜は女子達から嫌がらせを受けていた
彼女は何も言わずにただじっと耐えていた
その場面に出くわした時俺は愕然とした
俺のせいで桜がひどい仕打ちを受けていた
その事が心に突き刺さった
だから桜を守るために俺は最低最悪な方法をとった
「俺はそんな奴のことなんか嫌いだ!」
気づいた時にはもう取り返しのつかないことになっていた
俺は怖くなってその場から逃げた
何故なら桜の顔を見るのが怖かったから
でも走りながら怖いもの見たさでチラッと見るとそこには予想外の表情が浮かんでいた
笑っていたのだ
ただ穏やかにけど寂しげに・・・
それを見た俺は罪悪感を感じながら益々速度を上げて走った
あの時彼女の表情が泣いていてるものの方がまだ良かったと感じるほどに―――
「クソッ!」
俺は体育館の裏で1人自分のしたことに怒りを感じながら叫んだ
だがそんなことをしても収まらず、何よりもさっきの彼女の表情が頭から離れなかった
俺はその日桜に謝ろうと一旦帰ってから隣家に行った
家の前で悶々としていると後ろから声をかけられ、振り向くと桜がいた
「っ!!」
固まっている俺に彼女は優しく微笑みながら家に上がるように言った
とりあえず部屋に通されて今日のことを謝ろうとしたが中々言えずにどうしようかと黙っていると桜がおもむろに口を開いた
「ありがとう、あの時ああ言ってくれて・・・・辛かったでしょ?」
それを聞いて俺は立ち上がった
「俺はっ!お前を傷付けたのに!なんでそんなこと言うんだよ!!」
当時、まだまだガキだった俺は謝るどころか彼女に対して怒鳴ってしまった
でも彼女は優しく微笑んでいた
「そう思ってくれるだけで十分よ。だってあれは拓海君の本心じゃないよね?」
そう言って彼女は何もかもを分かった上であの時あの表情を浮かべていたのだ
その事に思い当たると段々自分がどうしようもないガキに思えてきて悔しくて涙が出てきた
それから桜に抱きつき、ここに来た当初の目的を達した
「おっ、俺がっ!こんなだからヒクッ・・・ごめんなごめんな桜ぁ~!」
それでも彼女はそんな俺を呆れもせず背中をさすって無言で慰めてくれた
そして益々自分の子どもっぽさに涙が出た
結局その後もうすぐで卒業ということもあってか桜への嫌がらせが無くなり、何事もなかったかのように女子達は桜と仲良くしていた
それを見た時、俺は女子というものに不信感を抱いてしまった
だから今でも誰とも付き合おうと思ったりはしないし、友達止まりで終わらす
それ以上踏み込んでくる奴にはこっちから離れた
こんなことを繰り返しているにも関わらず告白者はあとをたたない
しかし、今日さっきのシーンを目撃した時胸がちくりと痛んだ
この時、俺は知ってしまう
今のこの感情に名前をつけるとしたらそれは―――
恋なんだと・・・・・・
______________________________________
ここまで読んでくださりありがとうございます!!
投稿が遅くなって申し訳ありません!
今日俺は衝撃的なシーンを見てしまった
それはあの相崎煉と幼なじみの桜がキスをしているところだった
それを見た瞬間俺は頭の中が真っ白になった
『今2人は何をした?』
俺が現実逃避をしている間に相崎は居なくなり、彼女が1人ポツンと残された
その表情はまさしく恋する乙女のものだった
桜とはたまたま家が隣でたまたま同い年でたまたま幼なじみになっただけだった
昔はよく俺のあとについて回ってきた
当時はもっと今より話をして、お互いのことを誰よりも知っていて自分の半身のように思っていた
しかし、成長するにつれて段々と会話が減り、顔を合わせない日が続くといつしか今のような関係になってしまった
でもいつからだろう、こんなに彼女を遠くに感じるのは
いつからだろう、桜を見ていると胸が苦しいと感じるようになったのは・・・
思い返せば小6の時、あの頃俺はよく女子に告白されることが多くなった
その前からそういうのが多かったが卒業に近付くにつれて告白率も高まっていった
俺はいつも「ありがとう、ごめん」と言って相手のことをふっていた
そんなことが続いたためにいつしかある噂が流れるようになった
その噂というのは「篠原拓海には好きな人がいる」という内容だった
それを聞いた奴らはすぐに詮索し出した
そして導き出した答えは思わぬ方向に向かった
『篠原拓海の好きな人は綾小路桜』
俺は必死に否定したがそれを見た周りの奴らは信じなかった
そうとも知らずに俺はその件は終わったと思い込んで放置してしまった
でもその間に桜は女子達から嫌がらせを受けていた
彼女は何も言わずにただじっと耐えていた
その場面に出くわした時俺は愕然とした
俺のせいで桜がひどい仕打ちを受けていた
その事が心に突き刺さった
だから桜を守るために俺は最低最悪な方法をとった
「俺はそんな奴のことなんか嫌いだ!」
気づいた時にはもう取り返しのつかないことになっていた
俺は怖くなってその場から逃げた
何故なら桜の顔を見るのが怖かったから
でも走りながら怖いもの見たさでチラッと見るとそこには予想外の表情が浮かんでいた
笑っていたのだ
ただ穏やかにけど寂しげに・・・
それを見た俺は罪悪感を感じながら益々速度を上げて走った
あの時彼女の表情が泣いていてるものの方がまだ良かったと感じるほどに―――
「クソッ!」
俺は体育館の裏で1人自分のしたことに怒りを感じながら叫んだ
だがそんなことをしても収まらず、何よりもさっきの彼女の表情が頭から離れなかった
俺はその日桜に謝ろうと一旦帰ってから隣家に行った
家の前で悶々としていると後ろから声をかけられ、振り向くと桜がいた
「っ!!」
固まっている俺に彼女は優しく微笑みながら家に上がるように言った
とりあえず部屋に通されて今日のことを謝ろうとしたが中々言えずにどうしようかと黙っていると桜がおもむろに口を開いた
「ありがとう、あの時ああ言ってくれて・・・・辛かったでしょ?」
それを聞いて俺は立ち上がった
「俺はっ!お前を傷付けたのに!なんでそんなこと言うんだよ!!」
当時、まだまだガキだった俺は謝るどころか彼女に対して怒鳴ってしまった
でも彼女は優しく微笑んでいた
「そう思ってくれるだけで十分よ。だってあれは拓海君の本心じゃないよね?」
そう言って彼女は何もかもを分かった上であの時あの表情を浮かべていたのだ
その事に思い当たると段々自分がどうしようもないガキに思えてきて悔しくて涙が出てきた
それから桜に抱きつき、ここに来た当初の目的を達した
「おっ、俺がっ!こんなだからヒクッ・・・ごめんなごめんな桜ぁ~!」
それでも彼女はそんな俺を呆れもせず背中をさすって無言で慰めてくれた
そして益々自分の子どもっぽさに涙が出た
結局その後もうすぐで卒業ということもあってか桜への嫌がらせが無くなり、何事もなかったかのように女子達は桜と仲良くしていた
それを見た時、俺は女子というものに不信感を抱いてしまった
だから今でも誰とも付き合おうと思ったりはしないし、友達止まりで終わらす
それ以上踏み込んでくる奴にはこっちから離れた
こんなことを繰り返しているにも関わらず告白者はあとをたたない
しかし、今日さっきのシーンを目撃した時胸がちくりと痛んだ
この時、俺は知ってしまう
今のこの感情に名前をつけるとしたらそれは―――
恋なんだと・・・・・・
______________________________________
ここまで読んでくださりありがとうございます!!
投稿が遅くなって申し訳ありません!
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