レンズに映る君の姿

夕悠

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ボート

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「き!た!ぜ!赤城大沼!」
「意外と早かったな」
「そうですね。それにしても途中の霧は凄かったですね」
「ねねっ!ちょっと大沼に入ってきていいかな?いいよね!」
バスの中で大沼行くって聞いてから楽しみだったんだよねぇ
「駄目に決まってるんだろ...着替え持ってないだろ」
「そうですよ。拭くものも無いですし今日は気温が低いから風邪引いちゃいますよ」
え~ 別に風邪なんて引かないし~
「一日いるんだからどうせ乾くのに...」
「....しょうがないですね。足だけですよ」
「おいっw」
「やった!風太大好き!!」

チャポチャポ

うへへへ たのし~ 
「凪せんぱーい!写真撮りたいんでそのままおねがいしまーす」
「はーい。なんかポーズとるー?」
「いえ、そのまま自然にしてもらえれば」

カシャッカシャカシャ

「大丈夫です。ありがとうございます」
「いいの撮れた?」

ザブザブザブ

「素材がいいのでバッチリです」
「フフッお世辞を言っても何も出ないぞ」
「本心ですよ。それより上がったなら足拭きましょ」
「このタイル使ってください」
やっぱ持ってるじゃん
「全身を拭けるサイズは無いってことですよ。そんな不満そうな顔しないでください」
「別にー?不満なんて無いし」
「水遊びの次はにらめっこか?変顔してると戻らなくなるぞ~」
「変顔なんてしてないし!」
「そうですよ。可愛いじゃないですか」
「えっ」
「あっ」
かっ かわいい!?かわいいなんて!あれ?結構嬉しいぞ??
「あっそうだ!凪先輩!あっちでボートの貸出をやってたんですが乗りに行きませんかっ」
ボート!?
「行く!どこどこ?」
「ほんと面白いなお前らw見てて飽きないわ」
「ほら伊織も早くー!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「アヒルボートか手漕ぎボートか...」
「アヒルってか白鳥だろこれ」
「いいの!アヒルのほうがかわいいから」
「はいはい。でどっちにするんだ」
う~~ん...どっちも捨てがたいけど
「普通のやつにする!僕が漕ぐから風太前に乗ってよ」
「俺は仲間外れですか~?」
「伊織はアヒルボート乗ればいいじゃん」
「あれ二人で漕ぐやつなんだけど」
「頑張れ!伊織なら出来る」
「頑張ってください。小鳥遊先輩」
よ~しいっくぞ~
「しゅっぱーつ!」
えっとオールを深く潜らせて前から後ろにっと
「んっ っしょ んっ っしょ」
「風太?首すごい曲がってるけど大丈夫?痛くないのそれ」
「首は大丈夫です。ええ、大丈夫です」
「ふぅん?あっ見て!伊織が本当に一人で爆走してる」
「おぉ、あれ一人で動かせたんですね...」
「あのっ」

テレレレレレ♪ テレレレレレ♪

「わっ はいもしもし!どうしたの?」
「どうしたのってもう集合時間なんだけど男子組はどこにいるの?」
「集合時間になってた!?ごめん!すぐに行くね」
「なる早でね~」

プツッ

「風太!どうしよ 集合時間過ぎちゃってた!」
「いつのまに...とりあえず俺が漕ぐんで場所かわりましょう」
「わかった お願い」
「フッ フッ フッ」
僕が漕ぐより数倍早い~そりゃあ体格からして違うから当たり前か。
それにしてもやっぱかっこいいなぁ 山に水そしてイケメン。最強コンボだわ
「そうだ伊織にも言わないと」
「小鳥遊先輩ならっ もうっ 戻ってましたよっ」
「うわ なんかこっち見てニヤニヤしてるぅ」
絶対集合時間が近いこと知ってたじゃん
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「伊織!なんで時間のこと教えてくれなかったの!!」
「いやー楽しそうだったし?別にいいかなーって」
「よくないっ とりあえずバスまで走るよ!」
「風太は腕大丈夫?」
「風太の心配してる場合か?一番体力ないのはお前だろ」
「大変だったら俺が運ぶので言ってくださいね」
「さすがに......そんなに.......じゃ.......」
キッツ もうムリ
「ふうた~」
「ギブアップ早っ!凪の荷物は俺が持つから本体頼む」
「了解です!凪さんしっかり掴まっててください」
「ありがと~」
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