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魔法のランプ
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アラジンよろしく、山田の目の前に魔法のランプが転がっている。
もちろんこの時点では山田にとってはアラジンに出てくるランプみたいなものである。
山田は家を出るのがいつもより遅いこともあり、少し急ぎながら学校に向かっている途中ではあったがそのランプに興味を持ち拾った。
「魔人でも出てこないかなぁ」とつぶやいたが早いかランプから恐らく魔人と思わしき人物?が出てきた。
ジーニーのようなファンタジーなやつではなく、見た目はどこにでもいる普通の学生だ。足もある。
「こんにちは、私はランプの精です。周りから見て怪しまれない見た目で出てくるのがルールなので、あまり魔人には見えませんが、魔人です。どうぞよろしく。」
山田は唖然くらってしまい呆然としている。
「驚かれるのも無理はありません、そうですね歩きながら話しませんか。その方があなたも落ち着くと思いますし、遅刻もしないでしょう。」
言われるがまま学校へ向かっていく魔人に山田はついていく。
「さて皆様よく勘違いされるのですが、私は『どんな願い事も3つ叶える』ことができるわけではございません。あれはアラジンというお話の中の話で…そう作り話です。」
ランプから出てきたクセに、アラジンを作り話だとバカにするのはいかがなものかと思うくらいには山田は落ち着いてきた。
山田のリアクションは特に気にせず魔人は続けた
「私は、普段は狭いランプの中でただじっとしております。時折何かの拍子で今回のように外に出られるんですよ。そのお礼に出していただいた方にいわゆる超能力を一つ授けております。」
「超能力?一つ?」
普通ならまともに相手しない話ではあるが、ランプから出てきたのを目撃している山田は疑ってはいないようだ。
「そう、超能力。一つです。念力、透視、透明化。予知なんかオススメですよ。」
(予知かぁ確かに便利そうだな、競馬やロトくじなんかで金には困らない人生を送れそうではあるなぁ。でもなぁ…)
そう山田には大好きなものがあったのだ。大好きな漫画が。ジョジョが大好きなのである。ジョジョのスタンドはまさに超能力なのである。山田の好きなスタンドは?
『ザ・ワールド』である。
山田は時間止めたいのだ。
止めてやりたいことは、今の所思いつかないが、止めたいのだ。
止めて『ザ・ワールド』と言いたいのである。
魔人は、時間を止める能力を欲した山田に苦々しく「かしこまりました」と答えた。
「『時間よ止まれ』と口に出していただければ時間が止まります」
魔人からの説明は至ってシンプル。
「もう使えるのか?」
「もちろん」
と簡単に寂しげに魔人は答える。
「時間はどれくらい止まっている?」
DIOでさえ数秒程度だからなと思いつつ、山田は質問した。
「説明足りず、失礼いたしました。必要ないかと思い省いてしまいました。1時間ほど止まります。また『元にもどれ』と口にしていただければ時間は動き出します。」
ランプから出てきた時とはどこか雰囲気が違うのが少し気になり何か問題があるか聞こうと思った矢先
「それでは私はこれで失礼します。」
いうと同時にランプごと消えてしまいました。
少し呆気に取られたものの山田は早速使ってみることにした。遅刻の可能性があるので使ってみようということだ。
「時間よ止まれ!」
さて地球は1日に1回、自転しています。地球の赤道の長さは約4万kmです、24時間で約4万km動くことになります。これを時速で表すと、約4万÷24=約1700。つまり、赤道上の自転の速さ(自転速度)は時速約1700kmです。
高速道路で時速100km前後の車が多いのではないでしょうか。
メジャーリーガーの大谷の球で時速160km前後。
ジェット機で時速900kmくらい。
これらと比較してわかることは、物凄い速さで地球は回っているということです。
次に時間を止めるってなんだろう。時間を止めるということは、例えば5時間時間を止めた場合、時間が動き出したときに夜になっていたらおかしいですよね。そう、時間は止まっているので太陽の位置は変わらないはずである。
太陽の位置が変わってしまうと時間を止めたことにならず、それは生物の動き、思考を止めたに過ぎない。
そう時間を止める能力ではあるが、この能力は付随して地球の自転さえも止める能力であるということが言える。
最後に慣性について少し。慣性とは、止まっている物体は止まり続け、動いている物体は動き続ける。それが慣性である。
わかりやすい身近な例えは、電車に乗っているときにブレーキを踏まれると進行方向に体が持っていかれますよね。それが慣性です。
◎地球の自転速度は時速1700km。
◎時間を止めるという行為は地球の自転を止めるということ。
◎電車などに乗るとブレーキで体がもっていかれる。
山田が時間を止めたその日は、時速1700kmで走る地球が急ブレーキを踏んだ日となった。
人類がほぼ全滅した日となった。
山田の「ザ・ワールド」の声は聞けなかった。
山田も死んだ。
もちろんこの時点では山田にとってはアラジンに出てくるランプみたいなものである。
山田は家を出るのがいつもより遅いこともあり、少し急ぎながら学校に向かっている途中ではあったがそのランプに興味を持ち拾った。
「魔人でも出てこないかなぁ」とつぶやいたが早いかランプから恐らく魔人と思わしき人物?が出てきた。
ジーニーのようなファンタジーなやつではなく、見た目はどこにでもいる普通の学生だ。足もある。
「こんにちは、私はランプの精です。周りから見て怪しまれない見た目で出てくるのがルールなので、あまり魔人には見えませんが、魔人です。どうぞよろしく。」
山田は唖然くらってしまい呆然としている。
「驚かれるのも無理はありません、そうですね歩きながら話しませんか。その方があなたも落ち着くと思いますし、遅刻もしないでしょう。」
言われるがまま学校へ向かっていく魔人に山田はついていく。
「さて皆様よく勘違いされるのですが、私は『どんな願い事も3つ叶える』ことができるわけではございません。あれはアラジンというお話の中の話で…そう作り話です。」
ランプから出てきたクセに、アラジンを作り話だとバカにするのはいかがなものかと思うくらいには山田は落ち着いてきた。
山田のリアクションは特に気にせず魔人は続けた
「私は、普段は狭いランプの中でただじっとしております。時折何かの拍子で今回のように外に出られるんですよ。そのお礼に出していただいた方にいわゆる超能力を一つ授けております。」
「超能力?一つ?」
普通ならまともに相手しない話ではあるが、ランプから出てきたのを目撃している山田は疑ってはいないようだ。
「そう、超能力。一つです。念力、透視、透明化。予知なんかオススメですよ。」
(予知かぁ確かに便利そうだな、競馬やロトくじなんかで金には困らない人生を送れそうではあるなぁ。でもなぁ…)
そう山田には大好きなものがあったのだ。大好きな漫画が。ジョジョが大好きなのである。ジョジョのスタンドはまさに超能力なのである。山田の好きなスタンドは?
『ザ・ワールド』である。
山田は時間止めたいのだ。
止めてやりたいことは、今の所思いつかないが、止めたいのだ。
止めて『ザ・ワールド』と言いたいのである。
魔人は、時間を止める能力を欲した山田に苦々しく「かしこまりました」と答えた。
「『時間よ止まれ』と口に出していただければ時間が止まります」
魔人からの説明は至ってシンプル。
「もう使えるのか?」
「もちろん」
と簡単に寂しげに魔人は答える。
「時間はどれくらい止まっている?」
DIOでさえ数秒程度だからなと思いつつ、山田は質問した。
「説明足りず、失礼いたしました。必要ないかと思い省いてしまいました。1時間ほど止まります。また『元にもどれ』と口にしていただければ時間は動き出します。」
ランプから出てきた時とはどこか雰囲気が違うのが少し気になり何か問題があるか聞こうと思った矢先
「それでは私はこれで失礼します。」
いうと同時にランプごと消えてしまいました。
少し呆気に取られたものの山田は早速使ってみることにした。遅刻の可能性があるので使ってみようということだ。
「時間よ止まれ!」
さて地球は1日に1回、自転しています。地球の赤道の長さは約4万kmです、24時間で約4万km動くことになります。これを時速で表すと、約4万÷24=約1700。つまり、赤道上の自転の速さ(自転速度)は時速約1700kmです。
高速道路で時速100km前後の車が多いのではないでしょうか。
メジャーリーガーの大谷の球で時速160km前後。
ジェット機で時速900kmくらい。
これらと比較してわかることは、物凄い速さで地球は回っているということです。
次に時間を止めるってなんだろう。時間を止めるということは、例えば5時間時間を止めた場合、時間が動き出したときに夜になっていたらおかしいですよね。そう、時間は止まっているので太陽の位置は変わらないはずである。
太陽の位置が変わってしまうと時間を止めたことにならず、それは生物の動き、思考を止めたに過ぎない。
そう時間を止める能力ではあるが、この能力は付随して地球の自転さえも止める能力であるということが言える。
最後に慣性について少し。慣性とは、止まっている物体は止まり続け、動いている物体は動き続ける。それが慣性である。
わかりやすい身近な例えは、電車に乗っているときにブレーキを踏まれると進行方向に体が持っていかれますよね。それが慣性です。
◎地球の自転速度は時速1700km。
◎時間を止めるという行為は地球の自転を止めるということ。
◎電車などに乗るとブレーキで体がもっていかれる。
山田が時間を止めたその日は、時速1700kmで走る地球が急ブレーキを踏んだ日となった。
人類がほぼ全滅した日となった。
山田の「ザ・ワールド」の声は聞けなかった。
山田も死んだ。
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