アリス(休止)

虎信玄斎

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 我慢していたせいで、お腹が痛くなってきました。
 もう、我慢の……限界です……

「だ……誰も、見てないよね?」

 こんなところでおトイレするなんて。
 お母さんとお父さんに怒られちゃいます。
 お友達にからかわれます。
 でも、今だけは……
 
 周囲を何度も確認します。
 いるのは私とゼリーさんのみ。

 ゼリーさんは察してくれたのか後ろを振り向いてくれました。
 目が無いので前と後ろの区別がつかないのですけどね。

「うぅ……」

 恥ずかしさで涙が。
 お気に入りのパンツを下ろしてスカートの先を摘んでお尻を出します。
 地面に腰を下ろして用を足しました。

「ん………」

 大きい方も無事終えましたが、ここで問題が。

「ど、どうしよ」

 近くに下ろしたリュックの中をスカートが落ちないよう摘みながら片手で弄ります。

「お尻……拭かなきゃ……」

 今、私のお尻は汚れています。
 それを拭く為にも紙を探す必要があるのですが。
 折り紙だと痛いし、トイレットペーパー……無い……
 折り紙を使うとしても、その封を開くのに片手だけというのはきついです。
 両手を使おうとすると自然とスカートが地面に落ちます。
 こんな事なら脱いでおけば良かった……!

「ひゃぅっ!?」

 困っていると突然お尻を撫でられるような感触が。
 冷たいものが私のお尻を撫でています!?

「え!! 何!?」

 驚いて後ろを見ればゼリーさんの手が私のお尻に伸びていました。

「き、汚いよ!」

 そう言うのですが、お尻を撫でるのを止めてくれそうにありません。
 というか、その場所って確か、私がしたのがあったはずなんですけど。
 見ればそれが跡形も無く消えていました。
 もしかして、食べちゃった……とか……?

「だ……駄目だよ……汚いよっ! ……っ、んぅっ! ぁ……ぁあ……やだぁ……」

 ゼリーさんが私のお尻を拭いています。
 満足したのかやっとその手を離してくれました。
 気のせいか、お尻の辺りが綺麗になった気がします。

「あれ」

 そこで思い出しました。
 さっきゼリーさんは私の傷を治してくれました。
 それと同じ要領でお尻も綺麗にしてくれたのでは?
 思い切って自分のお尻を触ってみます。

「……ついてない」

 お尻が綺麗になっていました。
 綺麗になったとしてもお尻を触ってしまったのはばっちい事です。
 どうしようと思っていると、ゼリーさんが私の手を包み込んでいきました。
 実の所膝は治して貰ったのですが、手の方の傷は治っていませんでした。
 確認すれば傷跡が綺麗さっぱり無くなっています。
 もう片方の手もついでにお願いしました。
 やっぱりそっちの傷も治っていました。
 その後またお尻を触られました。
 傷ついた手で触った事でついた汚れを落としてくれたのでしょう。

「ごめんねぇ……」

 ばっちい思いをさせてしまったのと傷を治す手間を取らせてしまった事を申し訳なく思い謝ります。

「ありがとう。ゼリーさん!」

 その後感謝の気持ちを伝えて抱き付こうとして、パンツを下ろしたままだった事を思い出し慌ててそれを上げました。
 

「あるー日~、森の~なーかー♪」

「ぷるぷる」

「熊さんにー」

「ぷるぷる」

「でああった」

「ぷーるーぷーるー」

 お歌を口遊みながらゼリーさんと一緒に森の中を歩きます。
 整備された道のようなものはありませんが、歩くのに苦労しない程度の獣道はありました。
 今現在そこを歩いている所です。
 誰か人が通る為に作られたものなのか、大型の獣が通る為に作ったものなのかは不明です。
 もし後者だとすれば、出会い頭に襲われる事も念頭に入れておかなければなりません。
 私に戦うだけの力があるはずも無く、もし見つかればそこでお終い。
 お爺ちゃんから教わった事なのですが、森の中を歩く際には常に音を鳴らしておくと良いらしいです。
 熊の対処法がこれに当たるみたいです。
 というのも、熊が人に気付かず近距離でその存在に気付いた場合、驚いて自分の身を守る為に攻撃する事があるからです。
 逆に音を鳴らしておけば人の存在を遠くにいる動物に教える事が出来ます。
 私が歌を歌っているのが実はこの対処法だったりします。
 本当は鈴とか鳴らした方が良いのですが、それらしい物は見当たりませんでした。
 うさぎさんリュックの中身を完全に把握しきれていない為、実は奥の方に隠れているかもわかりません。
 
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