兄がΩ 〜うっかり兄弟で番いましたが、今日も楽しく暮らしています。〜

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その後の兄と弟。

☆ピザ。

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※2003年秋頃の話。

 生コン屋の朝は早いが、そのぶん終業時間も早いのが、良いところだ。残業だってほとんどない。だから、夕方の五時にはもうひとっ風呂浴びて飯を食って、六時には夜遊びに繰り出す。開店直後の居酒屋やスナックに顔を出して、ちょっと呑んですぐに帰る。生コン屋の遊び方はきれいだって評判だ。
 といっても以前は、俺は毎晩体力の続く限り遊んでたけどさ。近頃はあんまりぶらぶらしていると知玄とものりがいじけちゃうから、自然と夜は外に出なくなった。
 夜は遊ぶかわりに、俺の部屋で知玄とだらだら過ごす。知玄は何か難しい本を読んで、俺は煙草を吸ったり漫画を読んだり。あとは、ちょっとしたゲームをしてみたり。まるで小学生みたいだな。
「お兄さん」
「なに?」
「ピザって十回言ってください」
 あぁ、それな。ガキの頃にダチとよくやったやつ。俺は漫画本を閉じて、よっこらせと起き上がった。知玄は床に正座して、大きな目をキラキラさせて俺を見ている。前髪を頭のてっぺんに結んでるのもあって、「待て」の最中の犬みたいだ。
「それってあれだろ、肘か膝か間違えさせるやつ」
 俺、それ結構強いよ。しかし知玄ってこういう、しょうもない遊びが好きな。
「よぉし、兄ちゃんが付き合ってやらあ」
「やったー!」
 知玄は張り切って腕捲くりをした。これは、肘狙い……と見せかけて膝かな。
「じゃあいくぞ。ピザピザピザピザピザ」
 肘でも膝でもどっちでも来いっ!
「ピザピザピザピザピザ」
「じゃあここは?」
 よっしゃ。予想通り、ベタに肘を指しやがった。それっ、
「ぴじっ!」
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