世界最強は元落ちこぼれ

かたは

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学園編

物語の真実

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ーー保健室ーー

「ちょっと待て、8000年間も伝わっている聖戦の原因はたった1人の女の子から始まったのか!?」アトラは聞いた。

「そうだよ、吸血鬼族と精霊族は昔はとっても仲のいい種族だったの。私達は【聖地ラカンタ】に住んでいたの。そして、私達は【生命の水】を悪い人が飲まないように守っていたの。因みに、【生命の水】はコップ一杯分しかないかね」とシスティラは答えた

衝撃的だった。まさか、物語の場所が実在し吸血鬼族と精霊族が昔は仲のいい種族だったとは
 
「でもある時、【聖地ラカンタ】に1人の女の子がやってたわ。母を助けたいから【生命の水】を下さいと言ってきたの。【生命の水】を目的として【聖地ラカンタ】に入ってきたものは、みんな私達を殺して【生命の水】を手に入れようとしてたわ。でも彼女は違った。まず、私達に下さいとお願いしてきたからね」システィラに続いてリアナが言った。

「でもね、彼女は此処まで旅で酷く弱っていたの。だから、私達は彼女に【生命の水】をコップの半分まで飲ましてあげたの半分でも超再生と一万年の寿命がえられるからね、そして残りは彼女の母親のために残してあげたの。でもね、【生命の水】を飲んだ人は【聖地ラカンタ】から出ることが出来なくなるの。私達もその時に知った事なんだよ」システィラが言った。

「それから、1000年経ち等々 彼女は殺して欲しいとお願いしてきたわ。無理もないわね、私達でも10年に1回は外に行ってリフレッシュするのに彼女は【聖地ラカンタ】から出ることが出来ないで1000年を過ごしたのよ」リアナが言った。

「そして、彼女を殺そうとした私達吸血鬼族とそれでも生きて欲しいと願った精霊族の争いが聖戦なの。」システィラが言った。

「でも、聖戦はある男の登場で唐突に終わったわ。その男は人間で邪神の加護を持っていたわ。男は邪神の加護の能力で彼女の体内の【生命の水】の力を奪ったわ、しかも、【聖地ラカンタ】から出られないデメリットを彼女の中のに残したままね。そして、聖戦で弱っていた私達両種族を倒して残り半分の【生命の水】を飲んで男は不老不死になったわ。もちろん、【聖地ラカンタ】からでられないデメリットも邪神の加護で打ち消してね」リアナが言った。

アトラとラティは真剣に2人の話を聞いている。

「男が去って行った後にね、彼女が『ごめんなさい。私が殺してって言ったばかりにこんな事になって』って泣きながら言ってきたのは今でも覚えているの」
システィラが言った。

「でもね、彼女はその後に何かを決めたような顔をしてこう言ったわ『継承魔術を使う。そして、その魔術の先に希望を託す』ってね。」リアナが言った。

継承魔術とは他の人に自分の力を継承する禁忌魔術で、禁忌魔術のなかでも難易度が高い魔術だ。しかし、その魔術発動すると同時に術者は死んでしまうのだ。

「そして、その魔術の対象が多分アトラ君ってわけだね」システィラが言った。

「ちょっと待て、その継承魔術が使われたのは、ずっと大昔の話だろ何で俺がその対象になるんだ!?」アトラが聞いた。

「継承魔術は、ずっと残り続ける魔術なのよ。つまり、貴方の前世やその前世も彼女の能力を受け継いでいるってわけよ。まぁまだ、貴方は彼女の能力を引き出せていないみたいだけど」

「兎に角、アトラ君は彼女の最後の希望なの」システィラが言った。

そして、システィラとリアナは真剣な表情で頭を下げてこう言った。
「「いつの日か、あの男を倒してください」」
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