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地下実験
しおりを挟むそして数日がたち、宰相たちによる領地問題が行われた。
そして、エリが帰ってきた。
「お帰り、エリ。」
「はい。ただいま戻りました。」
「それで、どうだった?宰相会議は。」
「はい、何とか広い領地を持ってくることに成功しました。」
「どのくらい?」
「おうこくの40%を私たちの領地にすることに成功しました。」
「すごいじゃないか。30ヶ国もあってよく40%も取れたね。」
「はい。今回の戦争において、私たちの軍であるハイヒューマンが勇者戦と王城に一人で攻め込んだことがほめられ、今回はこれだけの領地をもらうことができました。」
「そうなんだ。それでも40%も持ってくるなんて、これはエリの実力だよ。」
「そう言ってもらえると光栄です。」
「それじゃあ、早速その場所に移動してみようか。」
「はい。」
そして2人は転移をして王国に向かった。
「ここが僕たちの領地になったの?」
そこには別に大地が悪いというわけでも無い、普通の土地があった。
「もっとひどいものを想定していましたか?」
「うん。他の国も1つの国にそんなにいっぱい王国の領土を取られたくないだろうし。」
「それは確かに思っていたのかもしれないですけど、アイン様にそんなことをすればどうなるかは分かっていたようで、そのような嫌がらせを受けることはありませんでした。」
「そうなんだ。それじゃあ、ここに建築のできる兵を呼んで、今までのものは残しておいて、もう壊れている又は壊れそうなものだけを立て直そう。」
「はい。あ、普通の人間にやらせますか?」
「いや、ハイヒューマンの皆を使おう。今日中に終わらせたいし。」
そしてアインはハイヒューマンを使い、40%の補修工事を1日で終わらせた。
「しかしアイン様。こんなに良い物件を敗戦国の住民たちに使わせるのですか?」
「ううん。使わせないよ。ここでは商店、冒険者ギルド、そして僕の国の住民のための住まいしか用意していないし。」
「それでは彼らは私たちと同じ、アイン様の国で暮らすのですか?」
「それも違うよ。前に言ってあったじゃん。実験を行うって。」
「あ、言っておりましたね。」
「うん。実は今回このもらった王国の領土の地下に国を作ろうと思うんだ。」
「国ですか?もう一個作るのですか?」
「あ、言い方が悪かったね。僕の今の国の領地を地下にも伸ばすって言うことだよ。」
「それでそれの何が実験なのですか?」
「人は地下にずっと住んでいるとどうなってしまうのかが気になったんだ。できるだけ地上に似せるけどね。」
「アイン様のお力で太陽を作るのですか?」
「うん。太陽を作るつもりだけど、地下の中に作るから、熱は抑え目で、しかも地上のすぐ裏の面は太陽の影響をすごく受けるだろうから、熱への耐性を上げておかないと。」
「成功した場合はどうするのですか?」
「空間魔法で、王国の地下40%を中の人からは大きくするつもりだから、中にいても生活に困らないようにするし、そこで住んでもらう形になるかな?」
「地上には出さないのですか?」
「それは出すつもりだよ。ちゃんと地上に出たい日を申請してもらえれば。」
「毎日出たいって言う人はいませんかね?」
「いるだろうけど、回数制限をつけるよ。」
「分かりました。それでは地下世界の建築の手伝いをさせていただきますね。」
「うん。それに今回の土地ではあまり地下深くまで彫らないから、国を何層にでもしようかな?」
「ダンジョンみたいに最深部の宝物庫とか作るのですか?」
「それは良いね。それを採用しようか。」
こうして、アインとエリによる、地下実験が始まった。
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