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所詮は無力
しおりを挟む「ガハッ!」
光線によって作り出された光が晴れた後、そこには、大部分が損傷しているセノヴァが居た。
「おお、今ので死ななかったのか…」
「そう簡単に死んでたまるかよ!」
「ちなみにどうやって防いだの?」
「簡単だ!光の攻撃が来る前に、闇を展開したんだよ!」
「なるほどね…まぁ、そのくらいでは防げないと思っていたけど、結構強いんだね。」
「余裕で居られるのもここまでだぜ?今の攻撃で天使たちは結構力を消費したからな。」
「う~ん。確かに皆結構、力を消費しているね。」
「次はお前を潰す。」
「う~ん。あまり調子に乗らないほうが良いよ。」
「は?だって天使たちは皆…」
「エリ。始末して。」
「分かりました。」
そして、エリは天使化した。
「おいおい、そいつも天使だったのかよ…」
「まぁね。しかも、僕が作った天使だ。」
「何言ってんだ?それだと、まるでお前が神みたいじゃないか。」
「そうだったらどうする?」
「は?やっぱりお前頭おかしいよ。」
セノヴァがそんなことを言うと、エリがセノヴァに対して攻撃を仕掛けた。
「貴様。最高、最強であるアイン様に向かってなんだその態度は?」
「何だこの天使。他の奴よりも…」
エリはアインによって天使にされた、特別な天使。神の権限を持っていないだけで、力だけで言えば神にも匹敵する力を持っていた。
「あなたは少し調子に乗りすぎですね。所詮は1生物のくせに。」
「何を言っていやがる。」
「あなたに絶望を教えてあげましょう。」
エリは、セノヴァの胸に触ると、一気に光の光線を打ち出した。
「うわ!…?痛くないぞ?」
「ええ、別にあなたに痛みを与えるつもりではありませんから…」
そして、エリが手を離した瞬間。異変は起こった。
「うお。何だこれは?一気に体が重く…何をしやがった!?」
「それは何ででしょうかね?悪魔にでも聞いてください。」
セノヴァは言われた通り、悪魔に聞いた。
(おい、これは何が起こっているんだ?)
しかし、返事は一向に返ってこなかった。
「まさか…」
「どうでしたか?返事は聞けたでしょうか?」
「お前さっきの光は…」
「まぁ、あなたの中に悪魔が居ればの話ですが…」
エリがさっき行った技は、セノヴァの体の中から、悪魔を出すというものだった。
「アイン様!」
「了解。」
そして、黒いもやのような形をしたものがセノヴァの体から出てきていたので、アインはそれを、封印した。
「殺してしまうと、どっかで転生しちゃうからね。悪魔は殺さずに封印。生き地獄を味わってもらわなきゃ。」
アインが封印といって、転送した場所は、悪魔が適度に死なない程度の神聖な光が常に降り注ぐ世界だった。
「まぁ、そのうち浄化されるでしょ…それより。」
エリによって悪魔が向かれたセノヴァは今、究極のピンチを迎えていた。
「クソ、あいつらをどこに…」
「そんな事言っていていいのですか?」
「は?」
「ここは高度1000m。普通の体に戻ったあなたでは、死んでしまいますよ?」
そういわれたセノヴァは背中に風の力を貯めて飛ぼうとした。しかし…
「何で出来ないんだ!」
この方法は翼が無くっても飛べる方法として悪魔たちに教えてもらっていたものだったが、この方法は膨大な魔力を使うため、結局は悪魔が居ないと使えない技だった。
「それでは………来世は真面目に生きてくださいね。」
エリがそういうと、アインは天使を元の世界に帰し、自分たちも元の世界に帰っていった。
セノヴァの最後は誰にも見られないまま終わったのだった。
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