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同盟と同盟
しおりを挟む会議は何事も無く、進められていった。
「それでは、次に、世界で起きている問題はあるか?」
「うちの国の周辺では特に無い。」
「うちでも同じだな。」
こんな風に、1つの議題に対して、自分の考えや、分かっていることを言っていくことによって、お互いの意見を確認していたのだった。
「そうか…それじゃあ、外交に入る。外交についてだが、もしも他国の人たちに会話を聞かれたくなかったら、この魔法具を使いが良い。」
そして、テーブルが動き、全員の手元にマスクのようなものが置かれた。
「それは、新型魔法具、まぁ、名前は付けていないが、能力は相手を指名することによって、自分の発した言葉はその相手にしか聞こえなくなるというものだ!あ、嘘!製作者である私には聞こえるよ。」
主催者はそんなものを作っていたので、今までは会議内でしゃべりたくなかった会話が会議中に出来るようになったのだった。
そして、アイン、ゼアリード王国国王と、パワード王都の通話を開始した。
「こんにちは。アインです。」
「おお、アイン君か。とりあえずマスクをつけて待っていたのだったが、最初に連絡をしてきたのは君だったのか。」
「ええ、まぁ。後1人連絡しているんですけどね。」
「アイン様、私なんかがしゃべって良いのですか?」
「おお?その声はゼザール王国の国王じゃないのか?」
「ええ、ゼアリード王よ。いつもお世話になっています。」
「何を言っているんだ。貿易はしているが、お互い対等な関係じゃないか。お世話なんて言うんじゃない。」
「それもそうですね。」
「それにしても何で君は敬語なんだ?私との交渉の際はあまり敬語を使わなかったはずだが…」
「ああ、それに関しましては、私はアイン様のファンでございまして、さすがに本人の前だと敬語が増えてしまうのですよ。」
「そういうことだったのか…まぁ、同じ大陸の3国として仲良くして行こうじゃないか。」
「分かった。」
そして、やっとアインが話せるような空気が帰ってきた。
「それじゃあ、僕のほうから話をして良い?」
「ああ、良いぞ。」
「私には賛否を聞かないでください。基本的に賛成ですから。」
「ありがとう。それじゃあ、話をするんだけど、おそらくこっから先、僕は戦争を仕掛けられる。」
「何でだ?前回の敵対勢力は潰したんじゃなかったのか?」
「潰した、だが、今回の新メンバーは安定を望んでいない。正確には安定を望んでいたが、自分がトップ20に特に何もしてないのに入れたことによって、調子に乗るだろう。そして、僕と一緒に入ってきたメンバーはその新メンバーと、僕以外の同期と一緒なら倒せると思うだろう。だから十中八九吹っかけられる。」
「なるほどな…それで、私のほうからは何をすれば良いのだ?」
「ああ、それについては、国をそれぞれ1個ずつ落として欲しいんだけど、受けてくれる?」
「まぁ、戦争の後についてを正確に語ってくれたらな。」
ゼアリード王は自分の娘の許嫁だからって何でも賛成する訳ではなく、今は対等な王としての交渉に入っていた。
(さすがだな。まぁ、ゼザール王は賛成だな。こちらにokサインを送っている。それに、結局攻め込むのは自分の国よりも弱いんだから、被害は少なくなると考えているのだろう。)
アインはゼザール王には、今回入ってきた新メンバーの中で国の資源は豊かだが、あまり教育に力を入れてなく、その資源だけでランキングに入った国を潰してもらおうとしていた。
(戦争において一番の痛手は補給が切れることだからな。)
「そうですか…まぁ、分かりきっていることですが、この3国でまずは同盟を組みます。今後も増えていくと思いますが、現状ではトップ20の国以外を入れることにします。そして、ゼアリード王に攻め込んでもらった国に関しては、戦後に、自分たちの植民地でも、傀儡国にしてもらってもかまいません。」
「そうか…まぁ、賛成だな。私の国もそろそろそういうものを手に入れてみたかったしな。」
「賛成していただき、ありがとうございます。それでは、具体的な内容についてを…」
そして、アインたちがこの同盟を考えている間、別のところでも会議が行われていた。
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