35 / 179
開拓編
35.春の収穫
しおりを挟む
5月に入った。
最初に蒔いた麦が収穫期を迎えている。
正確には梅雨に入る前に収穫できるよう、小夜が調整してくれたおかげだ。
自宅前の麦畑は東西10m×南北3m、約0.3aの敷地。
金色の穂が、春の終わりの優しい風に揺れている。
雨が降る前に全員で麦刈りをする。
麦の根元を一握り束ね、鎌で刈り、麦わらで縛る。
縛った束を1週間ほど乾燥させ、千歯扱きに通し、脱穀する。
米と違い、麦は脱穀した時点で籾摺りも粗方終わるが、再度一掴みづつ手で擦って仕上げる。
その後、唐箕に掛け、籾殻と麦粒を風力で分離する。
これが基本的な麦刈り作業だ。
今回は、精霊の力を借りて多少省略する。
紅と俺で刈り取り、束を縛り放り投げる。
白と小夜が束を空中でキャッチし、風の力で浮かせたまま乾燥させ、納屋前まで飛ばす。
納屋前では青が麦束を千歯扱きに掛ける。
脱穀された麦を、黒が籾摺りをしながら唐箕に掛ける。
唐箕は人力で回さなくてもいいように、白の精霊を仕込んだ。
「なあタケル!別に鎌で刈らなくも、風で刈って運んじまえばいいじゃんか!」
腰を抑えながら、紅がクレームを入れる。
俺も同じ格好をしながら応える。
「もっと作付け面積が増えたらな!今回は乾燥と運搬以外は手作業だ!」
俺だって腰は痛いんだよ!
「しょうがねえなあ…今夜はタケルに腰揉んでもらうからな!」
と紅は不承不承といった感じで作業に戻る。
全員がウレタン引きの作業用手袋(これは納屋にダース単位であった)を着けているから、麦わらが手に刺さることはないが、腕や足はチクチクする。
籾摺りをしている黒の、小さな手の平が痛んでいないかも心配だ。
こうして得られた麦はおよそ20kgだった。
作付け面積は0.3aだったから、1aあたり67kg。
元の世界の平均反収は、1aあたり40kg程度だったはずだから、少々緑の精霊に無理をさせ過ぎたかもしれない。
急激な成長に伴う地力の低下も気になる。特に連作障害にも気をつけなければ。
刈り取った後の麦畑には、地力を補うための堆肥が必要だ。
堆肥はポットン式トイレから回収したモノと鶏糞、落ち葉や刈りとった草や収穫後の雑穀の茎などを、納屋の裏に積み上げ、発酵させたものを使用する。
本来なら発酵開始から仕上がるまでに数ヶ月要するが、そこは微生物の活動を活性化させることで速成させる。既に一部分は臭いも消え仕上がっているようだ。
堆肥を薄く撒き、刈り取った後に残った株ごと梳き込んでいく。
水はけを良くするために畝を立て、次の麦を撒く。
このターンは自然なスピードでも十分だろう。
収穫した麦は石臼で挽き、全粒粉にした。
精白してフスマを取り除けば白い小麦粉にはなるのだろうが、捨てるのももったいない。
もっと生産量が増えるようなら、石臼ではなく水車のような方法も考えなければいけないだろう。
さて…紅である。
麦刈りの時に交わした“腰揉んでもらうからな!”をどうやら本気にしていたらしい。
その夜のうちに俺の部屋にやってきた。
「タケル…入ってもいいか?」
神妙な面持ちで上目遣いに聞いてくる。
普段は偉そうな態度のせいで感じないが、紅の方が俺より少し背が低い。
いつもなら皆ズケズケと部屋に入ってくるのに、今日に限って扉を開けたままモジモジしている。
薄手の白いTシャツに同じ生地のハーフパンツ…というよりホットパンツに近いか。太ももがほぼ露わになっている。ウエストのゴムは再現出来ておらず、紐を通して縛っているらしい。紐の先端にはウッドビーズが通されている。
初めて見るが、寝巻きはこういう服だったのか。
「どうした?入れ?」
そう声をかけると、ようやく中に入ってきた。
「麦刈りの時の約束…覚えてるか?」
Tシャツの裾を抑えながら、紅が聞いてくる。
「ああ、腰を揉めってやつだろ?式神でも腰が痛いとかあるんだなあ」
そう言うと、紅が少々怒りを瞳に滲ませ応える。
「当たり前だ!私達は人間と変わらない!タケルがそう作ったんじゃないか。本当に……人間と変わらないんだ……」
「そうか…それは無理をさせたな。じゃあベッドに横になれ」
紅はおとなしくベッドにうつ伏せになり、枕代わりのクッションに顔を埋める。
光の精霊を天井に灯し、少しだけ明るくすると、薄いTシャツとホットパンツが透けて、赤い下着が薄っすらと見えた。
紅だけでなく、青や黒もどこか一点は自分のカラーを取り入れたコーディネートをしているが、今回は下着らしい。ブラはホルターネックになっているようだ。
「恥ずかしいから早くしろ……」
弾力のいい太ももに跨り、腰に手を当てる。
力を加える度に、紅が身動ぎしながら小さく声を上げる。腰、背中、首筋、肩、腕、足首から太ももと、結局全身をマッサージしてしまった。
つい反応が面白くて、調子に乗ってしまった。
太ももからお尻をマッサージしていると、何度かつま先をピンと伸ばした後で反応が無くなった。どうやら寝てしまったらしい。
わざわざ起こして隣に連れて行くのも面倒なので、そのまま紅を奥へ押しやり隣で寝ることにする。朝は早かったし、俺も眠いのだ。
翌朝、夢精するような感覚を覚え飛び起きる。
隣で寝ていたはずの紅は、もういなかった。
慌てて自分の下着の中を確認するが、異常はない。普段なら元気な息子が、今朝は心なしか元気がないぐらいだ。
紅がいつ出て行ったのか気にはなるが、まあ気にしても仕方ない。
朝食の席でも、皆普通だった。紅が俺の部屋にいたことは知っているだろうが、特に突っ込まれることもない。
強いて言えば、紅のテンションが少しだけ高いような気もするが、マッサージが効いたのだろうか。
この日を境に、皆が順番に俺の部屋に押しかけるようになった。紅の次は白と小夜、次は青、その次は黒と小夜、紅が来て白と黒。年長組と年少組が交互に、そして年少組は必ず2人で訪れる。
理由は様々だ。
白と小夜は「青姉さんに叱られた」。
青は「ちょっとご相談が」。
黒は「紅のイビキがうるさい」といった具合だ。
年少組は朝になっても俺に抱きついたままだが、年長組は俺が起きる前に出ていっているようだ。そして年長組が泊まると、ほぼ必ず夢精する夢を見る。
まあ俺も実年齢40歳とはいえ、肉体的には大学生の頃に戻っている。若い女が隣に寝ているのだから、反応しても仕方ないだろう。
いや年少組にはヨコシマな考えは誓って持っていないが、年長組の色気には惹かれているのは否めない。
そんな感じで5月が終わっていった。
もうじき梅雨になる。
最初に蒔いた麦が収穫期を迎えている。
正確には梅雨に入る前に収穫できるよう、小夜が調整してくれたおかげだ。
自宅前の麦畑は東西10m×南北3m、約0.3aの敷地。
金色の穂が、春の終わりの優しい風に揺れている。
雨が降る前に全員で麦刈りをする。
麦の根元を一握り束ね、鎌で刈り、麦わらで縛る。
縛った束を1週間ほど乾燥させ、千歯扱きに通し、脱穀する。
米と違い、麦は脱穀した時点で籾摺りも粗方終わるが、再度一掴みづつ手で擦って仕上げる。
その後、唐箕に掛け、籾殻と麦粒を風力で分離する。
これが基本的な麦刈り作業だ。
今回は、精霊の力を借りて多少省略する。
紅と俺で刈り取り、束を縛り放り投げる。
白と小夜が束を空中でキャッチし、風の力で浮かせたまま乾燥させ、納屋前まで飛ばす。
納屋前では青が麦束を千歯扱きに掛ける。
脱穀された麦を、黒が籾摺りをしながら唐箕に掛ける。
唐箕は人力で回さなくてもいいように、白の精霊を仕込んだ。
「なあタケル!別に鎌で刈らなくも、風で刈って運んじまえばいいじゃんか!」
腰を抑えながら、紅がクレームを入れる。
俺も同じ格好をしながら応える。
「もっと作付け面積が増えたらな!今回は乾燥と運搬以外は手作業だ!」
俺だって腰は痛いんだよ!
「しょうがねえなあ…今夜はタケルに腰揉んでもらうからな!」
と紅は不承不承といった感じで作業に戻る。
全員がウレタン引きの作業用手袋(これは納屋にダース単位であった)を着けているから、麦わらが手に刺さることはないが、腕や足はチクチクする。
籾摺りをしている黒の、小さな手の平が痛んでいないかも心配だ。
こうして得られた麦はおよそ20kgだった。
作付け面積は0.3aだったから、1aあたり67kg。
元の世界の平均反収は、1aあたり40kg程度だったはずだから、少々緑の精霊に無理をさせ過ぎたかもしれない。
急激な成長に伴う地力の低下も気になる。特に連作障害にも気をつけなければ。
刈り取った後の麦畑には、地力を補うための堆肥が必要だ。
堆肥はポットン式トイレから回収したモノと鶏糞、落ち葉や刈りとった草や収穫後の雑穀の茎などを、納屋の裏に積み上げ、発酵させたものを使用する。
本来なら発酵開始から仕上がるまでに数ヶ月要するが、そこは微生物の活動を活性化させることで速成させる。既に一部分は臭いも消え仕上がっているようだ。
堆肥を薄く撒き、刈り取った後に残った株ごと梳き込んでいく。
水はけを良くするために畝を立て、次の麦を撒く。
このターンは自然なスピードでも十分だろう。
収穫した麦は石臼で挽き、全粒粉にした。
精白してフスマを取り除けば白い小麦粉にはなるのだろうが、捨てるのももったいない。
もっと生産量が増えるようなら、石臼ではなく水車のような方法も考えなければいけないだろう。
さて…紅である。
麦刈りの時に交わした“腰揉んでもらうからな!”をどうやら本気にしていたらしい。
その夜のうちに俺の部屋にやってきた。
「タケル…入ってもいいか?」
神妙な面持ちで上目遣いに聞いてくる。
普段は偉そうな態度のせいで感じないが、紅の方が俺より少し背が低い。
いつもなら皆ズケズケと部屋に入ってくるのに、今日に限って扉を開けたままモジモジしている。
薄手の白いTシャツに同じ生地のハーフパンツ…というよりホットパンツに近いか。太ももがほぼ露わになっている。ウエストのゴムは再現出来ておらず、紐を通して縛っているらしい。紐の先端にはウッドビーズが通されている。
初めて見るが、寝巻きはこういう服だったのか。
「どうした?入れ?」
そう声をかけると、ようやく中に入ってきた。
「麦刈りの時の約束…覚えてるか?」
Tシャツの裾を抑えながら、紅が聞いてくる。
「ああ、腰を揉めってやつだろ?式神でも腰が痛いとかあるんだなあ」
そう言うと、紅が少々怒りを瞳に滲ませ応える。
「当たり前だ!私達は人間と変わらない!タケルがそう作ったんじゃないか。本当に……人間と変わらないんだ……」
「そうか…それは無理をさせたな。じゃあベッドに横になれ」
紅はおとなしくベッドにうつ伏せになり、枕代わりのクッションに顔を埋める。
光の精霊を天井に灯し、少しだけ明るくすると、薄いTシャツとホットパンツが透けて、赤い下着が薄っすらと見えた。
紅だけでなく、青や黒もどこか一点は自分のカラーを取り入れたコーディネートをしているが、今回は下着らしい。ブラはホルターネックになっているようだ。
「恥ずかしいから早くしろ……」
弾力のいい太ももに跨り、腰に手を当てる。
力を加える度に、紅が身動ぎしながら小さく声を上げる。腰、背中、首筋、肩、腕、足首から太ももと、結局全身をマッサージしてしまった。
つい反応が面白くて、調子に乗ってしまった。
太ももからお尻をマッサージしていると、何度かつま先をピンと伸ばした後で反応が無くなった。どうやら寝てしまったらしい。
わざわざ起こして隣に連れて行くのも面倒なので、そのまま紅を奥へ押しやり隣で寝ることにする。朝は早かったし、俺も眠いのだ。
翌朝、夢精するような感覚を覚え飛び起きる。
隣で寝ていたはずの紅は、もういなかった。
慌てて自分の下着の中を確認するが、異常はない。普段なら元気な息子が、今朝は心なしか元気がないぐらいだ。
紅がいつ出て行ったのか気にはなるが、まあ気にしても仕方ない。
朝食の席でも、皆普通だった。紅が俺の部屋にいたことは知っているだろうが、特に突っ込まれることもない。
強いて言えば、紅のテンションが少しだけ高いような気もするが、マッサージが効いたのだろうか。
この日を境に、皆が順番に俺の部屋に押しかけるようになった。紅の次は白と小夜、次は青、その次は黒と小夜、紅が来て白と黒。年長組と年少組が交互に、そして年少組は必ず2人で訪れる。
理由は様々だ。
白と小夜は「青姉さんに叱られた」。
青は「ちょっとご相談が」。
黒は「紅のイビキがうるさい」といった具合だ。
年少組は朝になっても俺に抱きついたままだが、年長組は俺が起きる前に出ていっているようだ。そして年長組が泊まると、ほぼ必ず夢精する夢を見る。
まあ俺も実年齢40歳とはいえ、肉体的には大学生の頃に戻っている。若い女が隣に寝ているのだから、反応しても仕方ないだろう。
いや年少組にはヨコシマな考えは誓って持っていないが、年長組の色気には惹かれているのは否めない。
そんな感じで5月が終わっていった。
もうじき梅雨になる。
12
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
充実した人生の送り方 ~妹よ、俺は今異世界に居ます~
中畑 道
ファンタジー
「充実した人生を送ってください。私が創造した剣と魔法の世界で」
唯一の肉親だった妹の葬儀を終えた帰り道、不慮の事故で命を落とした世良登希雄は異世界の創造神に召喚される。弟子である第一女神の願いを叶えるために。
人類未開の地、魔獣の大森林最奥地で異世界の常識や習慣、魔法やスキル、身の守り方や戦い方を学んだトキオ セラは、女神から遣わされた御供のコタローと街へ向かう。
目的は一つ。充実した人生を送ること。
無能と追放された俺の【システム解析】スキル、実は神々すら知らない世界のバグを修正できる唯一のチートでした
夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業SEの相馬海斗は、勇者として異世界に召喚された。だが、授かったのは地味な【システム解析】スキル。役立たずと罵られ、無一文でパーティーから追放されてしまう。
死の淵で覚醒したその能力は、世界の法則(システム)の欠陥(バグ)を読み解き、修正(デバッグ)できる唯一無二の神技だった!
呪われたエルフを救い、不遇な獣人剣士の才能を開花させ、心強い仲間と成り上がるカイト。そんな彼の元に、今さら「戻ってこい」と元パーティーが現れるが――。
「もう手遅れだ」
これは、理不尽に追放された男が、神の領域の力で全てを覆す、痛快無双の逆転譚!
転生したらスキル転生って・・・!?
ノトア
ファンタジー
世界に危機が訪れて転生することに・・・。
〜あれ?ここは何処?〜
転生した場所は森の中・・・右も左も分からない状態ですが、天然?な女神にサポートされながらも何とか生きて行きます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
初めて書くので、誤字脱字や違和感はご了承ください。
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
地上最強ヤンキーの転生先は底辺魔力の下級貴族だった件
フランジュ
ファンタジー
地区最強のヤンキー・北条慎吾は死後、不思議な力で転生する。
だが転生先は底辺魔力の下級貴族だった!?
体も弱く、魔力も低いアルフィス・ハートルとして生まれ変わった北条慎吾は気合と根性で魔力差をひっくり返し、この世界で最強と言われる"火の王"に挑むため成長を遂げていく。
【完結】異世界転移で、俺だけ魔法が使えない!
林檎茶
ファンタジー
俺だけ魔法が使えないとか、なんの冗談だ?
俺、相沢ワタルは平凡で一般的な高校二年生である。
成績は中の下。友達も少なく、誇れるような特技も趣味もこれといってない。
そんなつまらない日常は突如として幕を閉じた。
ようやく終わった担任の長話。喧騒に満ちた教室、いつもより浮き足立った放課後。
明日から待ちに待った春休みだというのに突然教室内が不気味な紅色の魔法陣で満ちたかと思えば、俺は十人のクラスメイトたちと共に異世界に転移してしまったのだ。
俺たちを召喚したのはリオーネと名乗る怪しい男。
そいつから魔法の存在を知らされたクラスメイトたちは次々に魔法の根源となる『紋章』を顕現させるが、俺の紋章だけは何故か魔法を使えない紋章、通称『死人の紋章』だった。
魔法という超常的な力に歓喜し興奮するクラスメイトたち。そいつらを見て嫉妬の感情をひた隠す俺。
そんな中クラスメイトの一人が使える魔法が『転移魔法』だと知るや否やリオーネの態度は急変した。
リオーネから危険を感じた俺たちは転移魔法を使っての逃亡を試みたが、不運にも俺はただ一人迷宮の最下層へと転移してしまう。
その先で邂逅した存在に、俺がこの異世界でやらなければならないことを突きつけられる。
挫折し、絶望し、苦悩した挙句、俺はなんとしてでも──『魔王』を倒すと決意する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる