156 / 179
第一次対馬防衛戦
153.第一次対馬防衛戦③
しおりを挟む
白と黒の戦列参加によって勢いを増した北の戦線が、一気に高麗軍司令官の下へと迫る。
南の戦線で高麗兵を薙ぎ払う佐助と清彦も、あと数列で中央に到達する。
西からは紅と俺とが迫る。
高麗軍司令官の大男を護る兵士は、残り20人にも満たない。
と、ここで大男が奇妙な動きをした。
一際大きな声で何か言ったかと思うと、いきなり振り返って海に入ったのだ。そのまま沖合に停泊している船に向けてジャバジャバと波を蹴散らすように歩いていく。
それを見た高麗軍兵士達も我先にと海へ入る。
「何だあれ。逃げるのか?」
「逃げるって……海に?歩いて??小舟あるじゃん?」
佐助と清彦が追撃も忘れて顔を見合わせている。
「おいおい……ここから大将同士の一騎打ちとかじゃないのかよ」
紅が薙刀の刃から滴る血を振り払い、石突を砂浜に突き立てる。
あ……いかん。そこから先は……
リアス式海岸の砂浜というのは、得てして急深で流れが速い。
ここ対馬の砂浜も例外ではなく、海岸線から10mも沖合に出れば水深は身長を優に超え、離岸流も伴って一気に流され始める。
「うわあ……そんなの海の様子見りゃわかんだろ」
佐助の呟きが、ここにいる皆の心情を代弁していた。
「まあ……流されて辿り着いた先で人質でも取って立て籠られても困るからな。白、黒。小舟を出して奴らを救出する」
「了解。呪術師は色々知ってそうだから、是非確保したい」
「ああ。拘束方法も含めて黒に一任する」
「わかった。佐助と清彦も手伝って。紅姉は負傷者と死者の回収ね」
「まじかよ……結構な数だぞ……」
「紅姉文句言わない。タケルだって始めてるんだから!」
「へいへい……梅はタケルにゃ優しいよなあ……」
紅のぼやきはともあれ、高麗軍の兵士達でも仏さんだ。人道的見地からも衛生的な意味でも埋葬はしなければならないだろう。
ああそうだ。とりあえず爺さんに連絡するか。生き残りの処置をどうするかも確認しなければならないしな。
◇◇◇
通信用土笛を鳴らすと、すぐに三善の爺さんに繋がった。
「爺さんか?タケルだ。戦闘終結。敵の大将は海に逃走したから、黒と白が追跡している。じきに捕らえられるだろう」
「本当か!?先程の連絡からまだ一刻ほどしか経っていないぞ?」
「まあ半数は船に籠った水夫だったし、里からの支援もあったからな」
「里からの支援?あの天から降ってくる矢か?しかし白い嬢ちゃんも黒い嬢ちゃんも対馬におるのだろう?」
「そうだが、うちには白い遣い手も黒い遣い手も大勢いるからな」
「お主……何を育てておるのじゃ……」
失礼な事を言う爺さんだ。俺が育てているのは自立して生きていける若人だぞ。
「そんなことよりもだ。生き残りは捕虜にするとして、遺体はどうする?恐らく200は下らないと思うが。対馬にも守護か地頭はいるのだろう?引き取ってもらうか?」
「宗家が地頭を任されてはおるが……何せ頭の固い爺さんだからのう……白い嬢ちゃんの力で捕虜と奴らの船ごと袖の湊まで運べんか?」
「それは可能だとは思うが……」
「検分もしたいし、何より奴らの装備や戦い方が知りたい。何せ異国の軍勢なんぞ見た事がない者がほとんどだからな」
まあ俺が爺さんの立場でも同じ事を考えるはずだ。戦いの前に敵の実態を調べるのは戦さの常道だし、博多に入ってくる蒙古軍の情報は南宋の商人からの伝聞でしかないから、実態を表しているとは言い難い部分もあるだろう。
「わかった。少々時間はかかるかもしれないが、やってみる」
「よろしく頼む。近づいたら連絡してくれ。流石に異国の軍船がいきなり現れたら、博多の街が大騒ぎになる」
「承知した。また連絡する」
土笛をもう一度鳴らすと通信は切れた。
やれやれ……この地で埋葬するなら多少は楽だったものだが、安請け合いしてしまっただろうか。
沖合から白と黒の操る小舟が帰ってきた。捕縛されているらしき大男と、きいきいと金切り声が印象的だった呪術師も一緒だが、どうやら猿轡を噛まされているようだ。しかし流された兵士の数よりも船上の兵士の数のほうが少ない。
「よっと!到着!」
小舟はそのまま砂浜に乗り上げ、白と黒が飛び降りる。
「タケル。流された兵の回収は完了。既に沈んだ者は回収できなかった」
青か、あるいは小夜であれば水の精霊を駆使して捜索と回収をしたかもしれないが、攻め込んできた敵にそこまでしてやる義理は無い。文字通り海の藻屑と消えてもらおう。
「ご苦労だった。苦労ついでに申し訳ないが、捕虜と遺体、奴らの装備や船も丸ごと博多に移送したい。何か良案はないか?」
「生き残りの気が触れてもいいなら門を使う?」
「いや、尋問したいようだし、連れて行ったが人事不省というのはまずい」
「じゃあ船で帰るしかない。私と白でヨットを使って牽引する。生き残りは何人ぐらいだろう」
黒が遺体の収容を仕切っている紅に尋ねる。
「生きてるってだけならざっと100人ってとこじゃないか?博多まで持ちそうなのはその半分ってとこか。小夜を呼べばもう少し助けられるかもしれないけどな」
そうだった。梅と佐助、清彦はどちらかといえば戦闘に特化している。一応の応急処置はしているが、緑の精霊を使っての治療までは施していない。正直なところ、敵国人にそこまでしてやるかといった気持ちもあるだろう。
「いや、それには及ばない。ある程度は俺が面倒を見る。助からないならそれまでの命だ。そういえば制圧した軍船はどうなっている?」
「白が結界で船ごと包んで、結界内の酸素分子を一時的に取り除いた。多分半数は気を失っている」
白がVサインなどしてくるが、その行為がその通りに発現しているとすれば、気を失っているどころではないだろう。船室内は世にも恐ろしい光景が広がっていそうだ。
「わかった。捕虜と治療が済んだ生き残りは、全員武装解除の後に軍船の一隻に乗せてくれ。水夫がいなければ操船はできないだろうが、一応捕縛しておいてくれ。遺体と装備は他の船に乗せて、そのまま黒が収納。俺は負傷者の治療をするから、梅は俺の手伝いな」
『了解!!』
◇◇◇
こうして、日暮れまでには捕虜と負傷者、遺体と鹵獲した装備品を敵軍船に収容し、一路博多に向かって帆を上げた。
戦場に残る血痕のまでは処置できなかったが、ポツポツと雨粒が頬を打ちはじめている。このまま放置しても戦場の痕跡は雨が洗い流してくれるだろう。
ヨットの操船は白、ナビゲートは黒、捕虜の監視として敵軍船の一隻に乗り込んだのは紅と佐助だ。清彦は敵軍船の操船を買って出た。いかにヨットが牽引するとはいえ、船体の大きさは数倍ほども異なる。ただ引かれるだけというわけにはいかないようだ。
敵船のうちの4隻は気を失っている(ということになっている)水夫と遺体・装備品ごと黒が収納した。
その光景を目の当たりにした敵の大将が猿轡を噛んだまま気を失ったようだが、大暴れされるよりは遥かにマシだ。
ヨットと軍船の船団は白が張った結界に包まれて、暗い対馬海峡を滑るように進む。
少々波が高いようだが、結界は水中にも作用しているから激しい揺れは無い。
「タケル。このまま進めば日付が変わる頃には博多の湾に入る。袖の湊への入港は明日の朝にしたほうがよい?」
「そうだな。じゃあ梅は里に戻るか。柚子と八重が待っているだろう?」
「そうさせてもらえるとありがたい。誰か代わりの者を寄こすか?小夜とか」
小夜か……正直、軍船の船内を見られるのが後ろめたい。見るなと言えば見には行かないだろうが、わざわざ戦さの臭いを嗅がせなくてもいいだろう。その一方で梅や佐助は戦さに参加させている。ほとんど年齢は変わらないというのに、自分の身勝手さにゾッとする。
「いや、交代は必要ない。今日は助かった。ゆっくり休んでくれ」
梅の身体を抱き寄せ、軽く背中を叩く。
「まあ桜がいなくなって戦力が半減したなんて思われたら、私達の立つ瀬がないからな。桜の分まで私がタケルを護る。私はどこにも行かないからな」
梅も俺の背中を叩き、そっと離れる。
「黒姉!門を頼む!」
「了解!青姉や皆によろしく」
「まあどうせ上から見てるだろうけどな!じゃあ行ってきます!」
梅を見送ったあとも順調に航海を続け、夜半には博多湾の沖合に浮かぶ玄海島に達した。
そのまま結界を張って雨を凌ぎながら、交代で休んで朝を待つことにした。
南の戦線で高麗兵を薙ぎ払う佐助と清彦も、あと数列で中央に到達する。
西からは紅と俺とが迫る。
高麗軍司令官の大男を護る兵士は、残り20人にも満たない。
と、ここで大男が奇妙な動きをした。
一際大きな声で何か言ったかと思うと、いきなり振り返って海に入ったのだ。そのまま沖合に停泊している船に向けてジャバジャバと波を蹴散らすように歩いていく。
それを見た高麗軍兵士達も我先にと海へ入る。
「何だあれ。逃げるのか?」
「逃げるって……海に?歩いて??小舟あるじゃん?」
佐助と清彦が追撃も忘れて顔を見合わせている。
「おいおい……ここから大将同士の一騎打ちとかじゃないのかよ」
紅が薙刀の刃から滴る血を振り払い、石突を砂浜に突き立てる。
あ……いかん。そこから先は……
リアス式海岸の砂浜というのは、得てして急深で流れが速い。
ここ対馬の砂浜も例外ではなく、海岸線から10mも沖合に出れば水深は身長を優に超え、離岸流も伴って一気に流され始める。
「うわあ……そんなの海の様子見りゃわかんだろ」
佐助の呟きが、ここにいる皆の心情を代弁していた。
「まあ……流されて辿り着いた先で人質でも取って立て籠られても困るからな。白、黒。小舟を出して奴らを救出する」
「了解。呪術師は色々知ってそうだから、是非確保したい」
「ああ。拘束方法も含めて黒に一任する」
「わかった。佐助と清彦も手伝って。紅姉は負傷者と死者の回収ね」
「まじかよ……結構な数だぞ……」
「紅姉文句言わない。タケルだって始めてるんだから!」
「へいへい……梅はタケルにゃ優しいよなあ……」
紅のぼやきはともあれ、高麗軍の兵士達でも仏さんだ。人道的見地からも衛生的な意味でも埋葬はしなければならないだろう。
ああそうだ。とりあえず爺さんに連絡するか。生き残りの処置をどうするかも確認しなければならないしな。
◇◇◇
通信用土笛を鳴らすと、すぐに三善の爺さんに繋がった。
「爺さんか?タケルだ。戦闘終結。敵の大将は海に逃走したから、黒と白が追跡している。じきに捕らえられるだろう」
「本当か!?先程の連絡からまだ一刻ほどしか経っていないぞ?」
「まあ半数は船に籠った水夫だったし、里からの支援もあったからな」
「里からの支援?あの天から降ってくる矢か?しかし白い嬢ちゃんも黒い嬢ちゃんも対馬におるのだろう?」
「そうだが、うちには白い遣い手も黒い遣い手も大勢いるからな」
「お主……何を育てておるのじゃ……」
失礼な事を言う爺さんだ。俺が育てているのは自立して生きていける若人だぞ。
「そんなことよりもだ。生き残りは捕虜にするとして、遺体はどうする?恐らく200は下らないと思うが。対馬にも守護か地頭はいるのだろう?引き取ってもらうか?」
「宗家が地頭を任されてはおるが……何せ頭の固い爺さんだからのう……白い嬢ちゃんの力で捕虜と奴らの船ごと袖の湊まで運べんか?」
「それは可能だとは思うが……」
「検分もしたいし、何より奴らの装備や戦い方が知りたい。何せ異国の軍勢なんぞ見た事がない者がほとんどだからな」
まあ俺が爺さんの立場でも同じ事を考えるはずだ。戦いの前に敵の実態を調べるのは戦さの常道だし、博多に入ってくる蒙古軍の情報は南宋の商人からの伝聞でしかないから、実態を表しているとは言い難い部分もあるだろう。
「わかった。少々時間はかかるかもしれないが、やってみる」
「よろしく頼む。近づいたら連絡してくれ。流石に異国の軍船がいきなり現れたら、博多の街が大騒ぎになる」
「承知した。また連絡する」
土笛をもう一度鳴らすと通信は切れた。
やれやれ……この地で埋葬するなら多少は楽だったものだが、安請け合いしてしまっただろうか。
沖合から白と黒の操る小舟が帰ってきた。捕縛されているらしき大男と、きいきいと金切り声が印象的だった呪術師も一緒だが、どうやら猿轡を噛まされているようだ。しかし流された兵士の数よりも船上の兵士の数のほうが少ない。
「よっと!到着!」
小舟はそのまま砂浜に乗り上げ、白と黒が飛び降りる。
「タケル。流された兵の回収は完了。既に沈んだ者は回収できなかった」
青か、あるいは小夜であれば水の精霊を駆使して捜索と回収をしたかもしれないが、攻め込んできた敵にそこまでしてやる義理は無い。文字通り海の藻屑と消えてもらおう。
「ご苦労だった。苦労ついでに申し訳ないが、捕虜と遺体、奴らの装備や船も丸ごと博多に移送したい。何か良案はないか?」
「生き残りの気が触れてもいいなら門を使う?」
「いや、尋問したいようだし、連れて行ったが人事不省というのはまずい」
「じゃあ船で帰るしかない。私と白でヨットを使って牽引する。生き残りは何人ぐらいだろう」
黒が遺体の収容を仕切っている紅に尋ねる。
「生きてるってだけならざっと100人ってとこじゃないか?博多まで持ちそうなのはその半分ってとこか。小夜を呼べばもう少し助けられるかもしれないけどな」
そうだった。梅と佐助、清彦はどちらかといえば戦闘に特化している。一応の応急処置はしているが、緑の精霊を使っての治療までは施していない。正直なところ、敵国人にそこまでしてやるかといった気持ちもあるだろう。
「いや、それには及ばない。ある程度は俺が面倒を見る。助からないならそれまでの命だ。そういえば制圧した軍船はどうなっている?」
「白が結界で船ごと包んで、結界内の酸素分子を一時的に取り除いた。多分半数は気を失っている」
白がVサインなどしてくるが、その行為がその通りに発現しているとすれば、気を失っているどころではないだろう。船室内は世にも恐ろしい光景が広がっていそうだ。
「わかった。捕虜と治療が済んだ生き残りは、全員武装解除の後に軍船の一隻に乗せてくれ。水夫がいなければ操船はできないだろうが、一応捕縛しておいてくれ。遺体と装備は他の船に乗せて、そのまま黒が収納。俺は負傷者の治療をするから、梅は俺の手伝いな」
『了解!!』
◇◇◇
こうして、日暮れまでには捕虜と負傷者、遺体と鹵獲した装備品を敵軍船に収容し、一路博多に向かって帆を上げた。
戦場に残る血痕のまでは処置できなかったが、ポツポツと雨粒が頬を打ちはじめている。このまま放置しても戦場の痕跡は雨が洗い流してくれるだろう。
ヨットの操船は白、ナビゲートは黒、捕虜の監視として敵軍船の一隻に乗り込んだのは紅と佐助だ。清彦は敵軍船の操船を買って出た。いかにヨットが牽引するとはいえ、船体の大きさは数倍ほども異なる。ただ引かれるだけというわけにはいかないようだ。
敵船のうちの4隻は気を失っている(ということになっている)水夫と遺体・装備品ごと黒が収納した。
その光景を目の当たりにした敵の大将が猿轡を噛んだまま気を失ったようだが、大暴れされるよりは遥かにマシだ。
ヨットと軍船の船団は白が張った結界に包まれて、暗い対馬海峡を滑るように進む。
少々波が高いようだが、結界は水中にも作用しているから激しい揺れは無い。
「タケル。このまま進めば日付が変わる頃には博多の湾に入る。袖の湊への入港は明日の朝にしたほうがよい?」
「そうだな。じゃあ梅は里に戻るか。柚子と八重が待っているだろう?」
「そうさせてもらえるとありがたい。誰か代わりの者を寄こすか?小夜とか」
小夜か……正直、軍船の船内を見られるのが後ろめたい。見るなと言えば見には行かないだろうが、わざわざ戦さの臭いを嗅がせなくてもいいだろう。その一方で梅や佐助は戦さに参加させている。ほとんど年齢は変わらないというのに、自分の身勝手さにゾッとする。
「いや、交代は必要ない。今日は助かった。ゆっくり休んでくれ」
梅の身体を抱き寄せ、軽く背中を叩く。
「まあ桜がいなくなって戦力が半減したなんて思われたら、私達の立つ瀬がないからな。桜の分まで私がタケルを護る。私はどこにも行かないからな」
梅も俺の背中を叩き、そっと離れる。
「黒姉!門を頼む!」
「了解!青姉や皆によろしく」
「まあどうせ上から見てるだろうけどな!じゃあ行ってきます!」
梅を見送ったあとも順調に航海を続け、夜半には博多湾の沖合に浮かぶ玄海島に達した。
そのまま結界を張って雨を凌ぎながら、交代で休んで朝を待つことにした。
2
あなたにおすすめの小説
令和日本では五十代、異世界では十代、この二つの人生を生きていきます。
越路遼介
ファンタジー
篠永俊樹、五十四歳は三十年以上務めた消防士を早期退職し、日本一周の旅に出た。失敗の人生を振り返っていた彼は東尋坊で不思議な老爺と出会い、歳の離れた友人となる。老爺はその後に他界するも、俊樹に手紙を残してあった。老爺は言った。『儂はセイラシアという世界で魔王で、勇者に討たれたあと魔王の記憶を持ったまま日本に転生した』と。信じがたい思いを秘めつつ俊樹は手紙にあった通り、老爺の自宅物置の扉に合言葉と同時に開けると、そこには見たこともない大草原が広がっていた。
辺境の最強魔導師 ~魔術大学を13歳で首席卒業した私が辺境に6年引きこもっていたら最強になってた~
日の丸
ファンタジー
ウィーラ大陸にある大国アクセリア帝国は大陸の約4割の国土を持つ大国である。
アクセリア帝国の帝都アクセリアにある魔術大学セルストーレ・・・・そこは魔術師を目指す誰もが憧れそして目指す大学・・・・その大学に13歳で首席をとるほどの天才がいた。
その天才がセレストーレを卒業する時から物語が始まる。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
前世で薬漬けだったおっさん、エルフに転生して自由を得る
がい
ファンタジー
ある日突然世界的に流行した病気。
その治療薬『メシア』の副作用により薬漬けになってしまった森野宏人(35)は、療養として母方の祖父の家で暮らしいた。
爺ちゃんと山に狩りの手伝いに行く事が楽しみになった宏人だったが、田舎のコミュニティは狭く、宏人の良くない噂が広まってしまった。
爺ちゃんとの狩りに行けなくなった宏人は、勢いでピルケースに入っているメシアを全て口に放り込み、そのまま意識を失ってしまう。
『私の名前は女神メシア。貴方には二つ選択肢がございます。』
人として輪廻の輪に戻るか、別の世界に行くか悩む宏人だったが、女神様にエルフになれると言われ、新たな人生、いや、エルフ生を楽しむ事を決める宏人。
『せっかくエルフになれたんだ!自由に冒険や旅を楽しむぞ!』
諸事情により不定期更新になります。
完結まで頑張る!
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる