転生賢者は安心して死にたい ~転生者カノイの一生~

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第5話:子供の労働は子供らしく育つこと

パパママ事件より数週間。

そろそろ働くか~、といった感じでハイハイ、お座り、たっちをクリアしてよちよち歩きで家を歩き回るようになりました。どうも、元30歳男性です。

元、といえば今世での性別ってどうなっているのだろうか?

昔に持っていたいちもつもないが、新たに手に入れた器官もない。

つまるところ肉体的には無性の状態なのだが医者の診断はいたって健康体。

何らかの問題があるわけでもなさそうだ。

後から選択したりとか?それだといろいろ便利だな~、ともおもったが 、よく考えるとメイドや母の胸は平べったく、父の特徴も筋骨隆々なこと以外は未確認だ。

もしかしたら全員無性なのか?

ならどうやって私は生まれたんだ?

謎は深まるばかりである。

そんなこんな、なんやかんやあったが今日は私の1歳の誕生日である。

今日という日は父も母も着飾り、メイド達も色めき立っている。

お外デビュー、である。

いやだ~外出たくな~い。

わがまま言っていいなら父親より強くなるまでお外出たくな~い。

……ふぅ、まぁ、しょうがないよね。

我が子を自慢したい親の気持ちもあるし、領主として次期当主の紹介の意味もあるからね。

それでも怖いものは怖い。

なんせファンタジーな世界は初体験だ。

領主なんて地位も、もちろん初体験。

てちてち歩く赤子にはあまりに過酷すぎないだろうか?

モンスターだっているはずの世界である。

臆病な私はとりあえず逃げることにした。

といっても家の中に逃げ場などなく、ものの数分で空中浮遊、からの抱っこ。

大人しく母の腕に納まることとなった。

く、悔しい……。

前世の体格なら母には負けない自信はあるのに、いや、父に負けるな。

前世は引きこもり気味のひ弱なもやしっ子である。

現実逃避もほどほどに、いざ逝かん、現実世界。
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