53 / 216
第52話:望郷はいつまでも響く
しおりを挟む
夏が過ぎ去り秋が到来、してすぐのお話。
カノイ・マークガーフ、この度初めて!王都の地に立ちました!
「ここが王都……。」
「すげー……。」
「都会ですね……。」
初めて見る王都はどこか懐かしい、歴史的文化財を見ているような感じだった。
なんというか、ぱっと見は19世紀のイギリスを彷彿とさせる煌びやかな装飾が多く施されている。
しかし、よくよく見ると電球や電線のような現代的な技術がそこかしこで使われている。
どこかちぐはぐなようでいて、まとまりを見せるそれは、きっと多くの転生者が残していったものなのだろう。
私は……その中にはいない。
私は私、カノイ・マークガーフとして生きているのだから。
でも、少しだけ、ほんの少しだけ、彼らと同じように生きてみたかったという"吉井一人"という人格が顔を出す。
それでも、それでも私はカノイ・マークガーフだ。
転生者でも賢者でもない、マークガーフ家に生まれたカノイという少年だ。
だから、この感情は仕舞っておこう。
「すごい技術だな~!家にも持って帰れないかな?」
「どうでしょう?何がどうなっているのやら……。」
「いいな!あれとかそれとか持って帰ろうぜ!」
私は彼らとともに生きている、カノイ・マークガーフだ!
「カノイ~!そろそろ着くぞ~!」
「あ、はーい!」
やっと別荘に着いたようだ!
「別荘ひろーい!」
「ははは!まぁそうだな。実家よりも幾分か広いな。」
幾分かというか、かなり広い。
寝室1室1室がとても広い。
「わーわー!こんな広いところに住むの!?」
「そうだぞ~。剣術大会の間だけな。」
「もったいない!もっと旅行に来るべき!」
「そうだな~。カノイが大人になったからこれたんだぞ?これからは好きな時に来るといい!」
やったー!今度はフロージとヘディンも連れてこよーっと!
あ、でも二人が大人になってから連れてくるべきか?
王都という大都市に来るのは分別の付く大人になってから。
そういうことだよね父上。
「迷子にならないように頑張る!」
「うん?ははは!頑張れよ、カノイ!」
剣術大会は何とも大盛況!
出場者達も沢山!
筋骨隆々な奴もいればひょろっとした奴もいる。
その中でも一際目立っているのが、リボルとヴァイスだ。
「やっぱり家の子って綺麗だよな~。」
いつも目の保養になっていただいております。
なんというか、他の同年代の人間を見たことでより一層家の子達の美しさが際立つというか。
いや、家の子達ずば抜けて可愛いわ。美人さんしかいないもん。
前世の記憶と照らし合わせた場合、他の参加者も整った顔立ちをしてはいるのだ。
それでも見劣りしない家の子の美貌よ。フォーエバー。
なんてふざけている間に剣術大会は始まった。
「がんばれ~!リボル~!ヴァイス~!」
「おう!」
「はい!」
二人は順調に勝ち進んでいった。
そうしたらどうなるか、答えは簡単!
「リボル選手!ヴァイス選手!前へ!」
わお!いつも通りの光景!
「では……決勝戦!開始!」
「おりゃー!」
「はー!」
いつも通り、リボルとヴァイスが打ち合っている、のだが?
いつもより気迫があるというか、なんか、あれ?戦いの中で成長した?
切っ先はいつも以上のスピードで斬撃を飛ばしている。
斬撃っていうかエフェクト?みたいなのが見える……え、こわ……。
「すごいね!リボルもヴァイスも剣に魔力を乗せて斬撃を飛ばしている!あれは私もなかなか習得するのに時間がかかったよ!」
え~父上もできるの?というかあれ魔法なのか。なら納得……できるかなぁ?
おっと、そうこうしているうちに勝負がつきそうだ!
「くっ!」
「とどめだ!うおりゃー!」
「負けるか!はあー!」
かんからん
と音を立てて剣が落ちる。
勝ったのは、
「……っしゃ!久しぶりに俺の勝ちだ!」
「はぁ……まいりました。」
「勝者!リボル選手!」
「「「うおおおぉぉぉ!!!」」」
新しいチャンピオンの誕生に会場は大盛り上がり!
ついでに私も大盛り上がり!
「優勝リボル!準優勝ヴァイス!これってかなりの好成績なのでは!?」
「そうだな!よかったな~カノイ!優秀な部下が二人もいて!」
父上も嬉しそうに私の頭をわしゃわしゃと撫でる。
こういうとこ親子だな~と思う。
「カノイ!」
「カノイ様!」
「二人ともよくやった!よーしよしよし!」
駆け寄ってきた二人の頭を思いっきり撫でる。
「ちょ、まてってカノイ!」
「ふふ、カノイ様、乱暴ですよ!」
親子だから仕方ないね!
そんなこんなで、剣術大会は案外あっさりと終わった。
リボルもヴァイスも王都の騎士団に誘われていたが、
「いや、俺、忠誠を誓った方がいるので。」
「私には心に誓ったお方がおりますので。」
なんて断っていた。え、かっこいい……惚れちゃいそうだぜ!
……茶化してはいるが、心の底から嬉しかった。
あぁ、彼らは私と共に生きてくれるんだな、と思うと胸が熱くなる。
「さて!王都を満喫するのは次にして、さっさと帰るか!」
「えー!もっと遊ぼうぜ!」
「駄目駄目!フロージとヘディンがいない日が続くと私が寂しい!」
「ふふふ!そうですね、皆が心配ですし、帰りましょうか。」
よーし!懐かしの我が家に帰るぞ!
カノイ・マークガーフ、12歳、王都最強の部下二人を手に入れた秋の出来事である。
カノイ・マークガーフ、この度初めて!王都の地に立ちました!
「ここが王都……。」
「すげー……。」
「都会ですね……。」
初めて見る王都はどこか懐かしい、歴史的文化財を見ているような感じだった。
なんというか、ぱっと見は19世紀のイギリスを彷彿とさせる煌びやかな装飾が多く施されている。
しかし、よくよく見ると電球や電線のような現代的な技術がそこかしこで使われている。
どこかちぐはぐなようでいて、まとまりを見せるそれは、きっと多くの転生者が残していったものなのだろう。
私は……その中にはいない。
私は私、カノイ・マークガーフとして生きているのだから。
でも、少しだけ、ほんの少しだけ、彼らと同じように生きてみたかったという"吉井一人"という人格が顔を出す。
それでも、それでも私はカノイ・マークガーフだ。
転生者でも賢者でもない、マークガーフ家に生まれたカノイという少年だ。
だから、この感情は仕舞っておこう。
「すごい技術だな~!家にも持って帰れないかな?」
「どうでしょう?何がどうなっているのやら……。」
「いいな!あれとかそれとか持って帰ろうぜ!」
私は彼らとともに生きている、カノイ・マークガーフだ!
「カノイ~!そろそろ着くぞ~!」
「あ、はーい!」
やっと別荘に着いたようだ!
「別荘ひろーい!」
「ははは!まぁそうだな。実家よりも幾分か広いな。」
幾分かというか、かなり広い。
寝室1室1室がとても広い。
「わーわー!こんな広いところに住むの!?」
「そうだぞ~。剣術大会の間だけな。」
「もったいない!もっと旅行に来るべき!」
「そうだな~。カノイが大人になったからこれたんだぞ?これからは好きな時に来るといい!」
やったー!今度はフロージとヘディンも連れてこよーっと!
あ、でも二人が大人になってから連れてくるべきか?
王都という大都市に来るのは分別の付く大人になってから。
そういうことだよね父上。
「迷子にならないように頑張る!」
「うん?ははは!頑張れよ、カノイ!」
剣術大会は何とも大盛況!
出場者達も沢山!
筋骨隆々な奴もいればひょろっとした奴もいる。
その中でも一際目立っているのが、リボルとヴァイスだ。
「やっぱり家の子って綺麗だよな~。」
いつも目の保養になっていただいております。
なんというか、他の同年代の人間を見たことでより一層家の子達の美しさが際立つというか。
いや、家の子達ずば抜けて可愛いわ。美人さんしかいないもん。
前世の記憶と照らし合わせた場合、他の参加者も整った顔立ちをしてはいるのだ。
それでも見劣りしない家の子の美貌よ。フォーエバー。
なんてふざけている間に剣術大会は始まった。
「がんばれ~!リボル~!ヴァイス~!」
「おう!」
「はい!」
二人は順調に勝ち進んでいった。
そうしたらどうなるか、答えは簡単!
「リボル選手!ヴァイス選手!前へ!」
わお!いつも通りの光景!
「では……決勝戦!開始!」
「おりゃー!」
「はー!」
いつも通り、リボルとヴァイスが打ち合っている、のだが?
いつもより気迫があるというか、なんか、あれ?戦いの中で成長した?
切っ先はいつも以上のスピードで斬撃を飛ばしている。
斬撃っていうかエフェクト?みたいなのが見える……え、こわ……。
「すごいね!リボルもヴァイスも剣に魔力を乗せて斬撃を飛ばしている!あれは私もなかなか習得するのに時間がかかったよ!」
え~父上もできるの?というかあれ魔法なのか。なら納得……できるかなぁ?
おっと、そうこうしているうちに勝負がつきそうだ!
「くっ!」
「とどめだ!うおりゃー!」
「負けるか!はあー!」
かんからん
と音を立てて剣が落ちる。
勝ったのは、
「……っしゃ!久しぶりに俺の勝ちだ!」
「はぁ……まいりました。」
「勝者!リボル選手!」
「「「うおおおぉぉぉ!!!」」」
新しいチャンピオンの誕生に会場は大盛り上がり!
ついでに私も大盛り上がり!
「優勝リボル!準優勝ヴァイス!これってかなりの好成績なのでは!?」
「そうだな!よかったな~カノイ!優秀な部下が二人もいて!」
父上も嬉しそうに私の頭をわしゃわしゃと撫でる。
こういうとこ親子だな~と思う。
「カノイ!」
「カノイ様!」
「二人ともよくやった!よーしよしよし!」
駆け寄ってきた二人の頭を思いっきり撫でる。
「ちょ、まてってカノイ!」
「ふふ、カノイ様、乱暴ですよ!」
親子だから仕方ないね!
そんなこんなで、剣術大会は案外あっさりと終わった。
リボルもヴァイスも王都の騎士団に誘われていたが、
「いや、俺、忠誠を誓った方がいるので。」
「私には心に誓ったお方がおりますので。」
なんて断っていた。え、かっこいい……惚れちゃいそうだぜ!
……茶化してはいるが、心の底から嬉しかった。
あぁ、彼らは私と共に生きてくれるんだな、と思うと胸が熱くなる。
「さて!王都を満喫するのは次にして、さっさと帰るか!」
「えー!もっと遊ぼうぜ!」
「駄目駄目!フロージとヘディンがいない日が続くと私が寂しい!」
「ふふふ!そうですね、皆が心配ですし、帰りましょうか。」
よーし!懐かしの我が家に帰るぞ!
カノイ・マークガーフ、12歳、王都最強の部下二人を手に入れた秋の出来事である。
20
あなたにおすすめの小説
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
【連載版】ヒロインは元皇后様!?〜あら?生まれ変わりましたわ?〜
naturalsoft
恋愛
その日、国民から愛された皇后様が病気で60歳の年で亡くなった。すでに現役を若き皇王と皇后に譲りながらも、国内の貴族のバランスを取りながら暮らしていた皇后が亡くなった事で、王国は荒れると予想された。
しかし、誰も予想していなかった事があった。
「あら?わたくし生まれ変わりましたわ?」
すぐに辺境の男爵令嬢として生まれ変わっていました。
「まぁ、今世はのんびり過ごしましょうか〜」
──と、思っていた時期がありましたわ。
orz
これは何かとヤラカシて有名になっていく転生お皇后様のお話しです。
おばあちゃんの知恵袋で乗り切りますわ!
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
転生してチートを手に入れました!!生まれた時から精霊王に囲まれてます…やだ
如月花恋
ファンタジー
…目の前がめっちゃ明るくなったと思ったら今度は…真っ白?
「え~…大丈夫?」
…大丈夫じゃないです
というかあなた誰?
「神。ごめんね~?合コンしてたら死んじゃってた~」
…合…コン
私の死因…神様の合コン…
…かない
「てことで…好きな所に転生していいよ!!」
好きな所…転生
じゃ異世界で
「異世界ってそんな子供みたいな…」
子供だし
小2
「まっいっか。分かった。知り合いのところ送るね」
よろです
魔法使えるところがいいな
「更に注文!?」
…神様のせいで死んだのに…
「あぁ!!分かりました!!」
やたね
「君…結構策士だな」
そう?
作戦とかは楽しいけど…
「う~ん…だったらあそこでも大丈夫かな。ちょうど人が足りないって言ってたし」
…あそこ?
「…うん。君ならやれるよ。頑張って」
…んな他人事みたいな…
「あ。爵位は結構高めだからね」
しゃくい…?
「じゃ!!」
え?
ちょ…しゃくいの説明ぃぃぃぃ!!
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。
カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる