98 / 244
第97話:偉い人には偉い人の苦労がある
こんこん
「あーはいはい!今出ますよ……ってヴェークさん!?」
「……。」
「え、どうしたんですか?暗い顔して。」
「……しちゃった。」
「うん?」
「しっぱい、しちゃった。」
「うん……うん?」
「うわーん!」
「えー!?どうどう!」
そんなわけで、家出してきたヴェークさん匿うことになった我が家です。
いや、一国家の王は庇い切れないよ!?
「落ち着きましたか?」
「うん……。ごめんね?」
「いやぁいいけどさぁ。どうした本当に。」
「いや、実は……ぐすん。」
「泣くな泣くな?」
「じ、実は、国政で、失敗しちゃって。」
「え、国政の失敗って何?」
「大事な書類に、間違ってコーヒーこぼしちゃって。」
「あ~よくある奴~。」
大事にしている書類ほどなんか折り目とかついちゃう奴~。
「うぅ……ひっく……。」
「どうどう。落ち着け?」
この人メンタル弱いな。
初対面の時も吐いてたし、心が弱い人に無理させてやるなよ。
「でもどうしてここに?」
「ま、前に会ったときに、お話してたら、心がほっとしたから、会いたいなって思って。」
……なんかこの人、あれだな、可愛いな。
「そっか~、まぁ落ち着くまでここでのんびり過ごしていってくれよ。」
「う、うん!ありがとう!そういえばカノイ君の家族は?」
「家にはね~父と母と嫁さん3人と子供が5人いるよ~。」
「え!?大家族だね!」
「そうなんだよ~まあでも一番はあれだな、村の人全員が家族みたいなもんかな。」
「そうなんだ。何人ぐらいいるの?」
「えーっと、80人くらい?」
「多いね!?」
そうなんだよな、家族としては多いんだよ。
「でもさ、ヴェークさんだって大家族だよ。」
「え?」
「だって王様って国家の父だよ?つまり、この国の人達全員と家族なんだよ。」
「……そっかぁ。」
「そうだよ?だからさ、国民を信じてみてもいいんじゃないかな?」
「国民を信じる?」
「うん、皆さ、失敗をフォローするくらいの余裕はあるはずだからさ、間違えちゃったら間違えちゃったって言ってみてもいいんじゃないかな?」
「それで、いいのかな?」
「いいんだよ!人間なんだから、失敗はするさ。」
「そっか、そっかぁ。」
「それにさ、完璧な人間のほうが珍しいんだから、一国の王様がうっかりさんでも大丈夫だって。」
「それは……ちょっと困るかもしれないけど。」
「いいんだよ。ちょっとの失敗くらい。大事なのは失敗したって気が付くことと気が付いたときに反省してちゃんと報告したり修正したりすることだって!」
「そうだね。ちゃんと、報告しなきゃなぁ。」
「よしよし、いい感じだ!このまま王城に戻って仕事の続き、やろう!」
「う、うん!」
「私も手伝うから頑張ろう!」
「え!?うん!ありがとう!」
「よし!行くぞ!」
飛竜旅客便でひとっ飛びだ!
ということで国家経営の手伝いをしてみたのだが、あれね、いつもやってる書類仕事に似てた。
提出内容がまとめられている分整理は楽だった。
あとコーヒーのこぼれた書類だけど、執務室の人達が必死になって写しを作ってくれていたので何とかなった。
「ほらね?案外なんとかなるんだよ。」
「うん!カノイ君、本当にありがとう!……また、会いに行ってもいいかな?」
「え?う、うーん、まぁちゃんと仕事してからならいいよ?」
「そっか!ありがとう!」
そんなわけでまた会う約束をしてヴェークさんとはお別れした。
早いところ家に帰って自分の仕事を終わらせなきゃなぁ。
カノイ・マークガーフ、23歳、国家運営のお手伝いをして見識を広めた冬の出来事である。
「あーはいはい!今出ますよ……ってヴェークさん!?」
「……。」
「え、どうしたんですか?暗い顔して。」
「……しちゃった。」
「うん?」
「しっぱい、しちゃった。」
「うん……うん?」
「うわーん!」
「えー!?どうどう!」
そんなわけで、家出してきたヴェークさん匿うことになった我が家です。
いや、一国家の王は庇い切れないよ!?
「落ち着きましたか?」
「うん……。ごめんね?」
「いやぁいいけどさぁ。どうした本当に。」
「いや、実は……ぐすん。」
「泣くな泣くな?」
「じ、実は、国政で、失敗しちゃって。」
「え、国政の失敗って何?」
「大事な書類に、間違ってコーヒーこぼしちゃって。」
「あ~よくある奴~。」
大事にしている書類ほどなんか折り目とかついちゃう奴~。
「うぅ……ひっく……。」
「どうどう。落ち着け?」
この人メンタル弱いな。
初対面の時も吐いてたし、心が弱い人に無理させてやるなよ。
「でもどうしてここに?」
「ま、前に会ったときに、お話してたら、心がほっとしたから、会いたいなって思って。」
……なんかこの人、あれだな、可愛いな。
「そっか~、まぁ落ち着くまでここでのんびり過ごしていってくれよ。」
「う、うん!ありがとう!そういえばカノイ君の家族は?」
「家にはね~父と母と嫁さん3人と子供が5人いるよ~。」
「え!?大家族だね!」
「そうなんだよ~まあでも一番はあれだな、村の人全員が家族みたいなもんかな。」
「そうなんだ。何人ぐらいいるの?」
「えーっと、80人くらい?」
「多いね!?」
そうなんだよな、家族としては多いんだよ。
「でもさ、ヴェークさんだって大家族だよ。」
「え?」
「だって王様って国家の父だよ?つまり、この国の人達全員と家族なんだよ。」
「……そっかぁ。」
「そうだよ?だからさ、国民を信じてみてもいいんじゃないかな?」
「国民を信じる?」
「うん、皆さ、失敗をフォローするくらいの余裕はあるはずだからさ、間違えちゃったら間違えちゃったって言ってみてもいいんじゃないかな?」
「それで、いいのかな?」
「いいんだよ!人間なんだから、失敗はするさ。」
「そっか、そっかぁ。」
「それにさ、完璧な人間のほうが珍しいんだから、一国の王様がうっかりさんでも大丈夫だって。」
「それは……ちょっと困るかもしれないけど。」
「いいんだよ。ちょっとの失敗くらい。大事なのは失敗したって気が付くことと気が付いたときに反省してちゃんと報告したり修正したりすることだって!」
「そうだね。ちゃんと、報告しなきゃなぁ。」
「よしよし、いい感じだ!このまま王城に戻って仕事の続き、やろう!」
「う、うん!」
「私も手伝うから頑張ろう!」
「え!?うん!ありがとう!」
「よし!行くぞ!」
飛竜旅客便でひとっ飛びだ!
ということで国家経営の手伝いをしてみたのだが、あれね、いつもやってる書類仕事に似てた。
提出内容がまとめられている分整理は楽だった。
あとコーヒーのこぼれた書類だけど、執務室の人達が必死になって写しを作ってくれていたので何とかなった。
「ほらね?案外なんとかなるんだよ。」
「うん!カノイ君、本当にありがとう!……また、会いに行ってもいいかな?」
「え?う、うーん、まぁちゃんと仕事してからならいいよ?」
「そっか!ありがとう!」
そんなわけでまた会う約束をしてヴェークさんとはお別れした。
早いところ家に帰って自分の仕事を終わらせなきゃなぁ。
カノイ・マークガーフ、23歳、国家運営のお手伝いをして見識を広めた冬の出来事である。
あなたにおすすめの小説
転生調理令嬢は諦めることを知らない!
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
アベル・ヴィアラットは、五歳の時、ベッドから転げ落ちてその拍子に前世の記憶を思い出した。
大人気ゲーム『ヒーローズ・ジャーニー』の世界に転生したアベルは、ゲームの知識を使って全男の子の憧れである“最強”になることを決意する。
そのために努力を続け、順調に強くなっていくアベル。
しかしこの世界にはゲームには無かった知識ばかり。
戦闘もただスキルをブッパすればいいだけのゲームとはまったく違っていた。
「面白いじゃん?」
アベルはめげることなく、辺境最強の父と優しい母に見守られてすくすくと成長していくのだった。
こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
モンド家の、香麗なギフトは『ルゥ』でした。~家族一緒にこの異世界で美味しいスローライフを送ります~
みちのあかり
ファンタジー
10歳で『ルゥ』というギフトを得た僕。
どんなギフトかわからないまま、義理の兄たちとダンジョンに潜ったけど、役立たずと言われ取り残されてしまった。
一人きりで動くこともできない僕を助けてくれたのは一匹のフェンリルだった。僕のギルト『ルゥ』で出来たスープは、フェンリルの古傷を直すほどのとんでもないギフトだった。
その頃、母も僕のせいで離婚をされた。僕のギフトを理解できない義兄たちの報告のせいだった。
これは、母と僕と妹が、そこから幸せになるまでの、大切な人々との出会いのファンタジーです。
カクヨムにもサブタイ違いで載せています。
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。