転生賢者は安心して死にたい ~転生者カノイの一生~

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第122話:将来の夢は思案すればするほど具体性を帯びてくる

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30歳になりました。どうもカノイです。

今年で三十路のおっさんに成り果てました。

なんでこうなったんだろうね。

思えば生まれ変わってから30年、産まれる前にも30年。

いつの間にやら精神年齢60歳だ。

そういえば前世で読んだ小説では若い子とおっさんがメインでお爺さんお婆さんの主人公なファンタジーってあんまり見なかったな。

終活ものくらい?

私がお爺さんになった時にはこう、かっこよく決められるようになりたいね。

「「カノイママー!」」

「ぐふっ!」

突撃してきたチェリルとシェリルを受け止めるのに失敗する。

ほらもうかっこ悪い!

「人に突撃してはいけません。」

「「はーい!」」

うん!元気でよろしい!

多分分かってないけど!

とりあえず二人の頭を撫でてそっと背中を押して部屋から追い出す。

今は思考する時間だ。

「カノイママ~!ボール遊びしよ~!」

「リイン、今日はママはお休みです。」

ちぇっといいながらも大人しく部屋から出ていってくれるリイン。

うん、良い子。

「カノイママ、僕のお人形知らない?」

「う~ん知らないな~。」

それは本当に知らない。

とぼとぼと去っていくグロウ。

ちょっと申しわけないな。

後でまだ探してたら一緒に探そう。

そうだ、今は今後どうしていくかを考える時間だ!

今後どうするかといえばこの『世界開拓記』ってどうすればいいんだろうか?

とりあえず10年ごとに物事を記載するルールっぽいから今まであったことを記載しておくか。

デバッグモードと、世界を修正したこと、今幸せに生きていることを書いておこう。

さて、どうするか。

出来ればとっとと次の転生者に渡してしまいたいところだ。

記録を見ると10年に一度くらいの割合で数人の転生者が生まれてくるっぽいんだよな。

30年たった今、転生者が存在していてもおかしくないはずだ。

だとすると向かうべきは教会か?

いや、転生賢者が生まれてきてたらもうとっくに騒ぎになってるか。

だとするとあと10年は保管しておいた方がいい、のか?

う~ん……この話は一旦保留だな。

とりあえずもし転生賢者を見つけた時のために常にこの本は持ち歩いておこう。

…………でかいな。

腰にでも巻き付けとくか。

よし!本はこれでいい!

後は将来の展望だな。

子供達の結婚、出産、その子が育つまでは見届けたい。

後は、そうだな、村が平和でありますようにだとか、健康に生きられますようにだとか、あれ?これ展望じゃなくて願望だな?

まぁそんな感じで、のんびり、ゆっくり、静かに幸せに暮らしていけるような人生にしたいな。

今はもうそれがかなっているから、あと30年……いや、私が死んでからも長くこの平穏が続くように、出来る限りのことをしよう。

一生懸命生きていこう!

……さて、子供達が心配だから見に行くか。

休み?そんなものはない!

カノイ・マークガーフ、30歳、忙しいような穏やかなような平凡な春の出来事である。
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