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第1話 断罪劇、待ってました!
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王立リュクス学園、大広間。
卒業式の余韻も消えぬうちに、その場は一転して緊張に包まれていた。
壇上に立つのは、金髪碧眼の麗しき第一王子――レオン・フォン・リュクス殿下。
そしてその隣に寄り添うように立つのは、純白のドレスに身を包んだ少女、マリー・ロゼット。
彼女は平民出身ながらも、学園に特待生として通っていた才媛だ。
そして、そんな二人に正面から対峙させられているのが――わたくし。
「アリサ・フォン・リュクス! お前の悪行の数々はすでに証拠として挙がっている!
このマリー嬢への嫌がらせの数々、我が許嫁でありながら、恥を知れ!」
レオン殿下の高らかな断罪の声に、会場のあちこちからどよめきが起こる。
「まぁ!」「やはり……」「悪役令嬢め……!」
……あー、はいはい。そう来ましたか。
わたくしは、ため息をつきたい気持ちをぐっと堪えて、上品に微笑んだ。
だって、これこそ待ち望んでいた瞬間なのだから。
(ようやく来たわ! 断罪イベント! やっと私は、この窮屈なお屋敷から解放されるのよ!!)
これまでの人生を振り返る。
両親は「次期国母として」「王太子妃として」とわたくしを縛り上げ、勝手に婚約まで決められた。
習い事も礼儀作法も、まるで呼吸をするように詰め込まれる毎日。
そんな生活、前世でオタクだったわたくしに耐えられるはずがなかった。
――だからこそ理解したのだ。
(あ、私、悪役令嬢ポジションなんだって)
そこからの行動は早かった。
断罪されて追放されるために、武芸・魔術・経営学・料理に筋トレまで。
婚活に役立ちそうなスキルを片っ端から身につけてきた。
――全ては、自由のために。
「殿下! アリサ様はそんなことなさっていません!」
マリーが慌てて声を上げる。
ああ、マリー。あなたは本当にいい子ね。
でも、ここで庇ってはいけないのよ。
「マリー……! お前は優しすぎるのだ。虐げられた者は加害者を庇うこともある……!」
レオン殿下は勝手に解釈をして、勝手に話を進めていく。
(お馬鹿で助かるわ~。これなら予定通り断罪まっしぐら!)
「よって、アリサ・フォン・リュクス! お前を――国外追放とする!」
ついに来た。
殿下の口から告げられたのは、わたくしが心待ちにしていた宣告。
広間がざわつき、令嬢たちが扇子で口を覆い、騎士たちがざわめく。
けれど、わたくしの心はただひとつ。
(やったああああああ!!)
口には出さず、淑女らしくお辞儀をする。
「ご判断、ありがたく受け入れますわ。殿下」
にっこりと微笑むわたくしに、レオン殿下は一瞬たじろいだ。
彼は勝利宣言のつもりだったのだろうが、どう見ても負け顔をしているのは彼のほうだ。
「アリサ様ぁぁぁ!」
涙を流すマリーに、そっと微笑み返す。
――大丈夫よ、マリー。あなたなら一人でもやっていける。
それに……。
(私はこれからが本番なんだから! 待ってなさい、婚活市場! アリサ・ノーネーム、堂々参上よ!)
こうして、わたくしの第二の人生――いや、第三の幕が上がったのでした。
卒業式の余韻も消えぬうちに、その場は一転して緊張に包まれていた。
壇上に立つのは、金髪碧眼の麗しき第一王子――レオン・フォン・リュクス殿下。
そしてその隣に寄り添うように立つのは、純白のドレスに身を包んだ少女、マリー・ロゼット。
彼女は平民出身ながらも、学園に特待生として通っていた才媛だ。
そして、そんな二人に正面から対峙させられているのが――わたくし。
「アリサ・フォン・リュクス! お前の悪行の数々はすでに証拠として挙がっている!
このマリー嬢への嫌がらせの数々、我が許嫁でありながら、恥を知れ!」
レオン殿下の高らかな断罪の声に、会場のあちこちからどよめきが起こる。
「まぁ!」「やはり……」「悪役令嬢め……!」
……あー、はいはい。そう来ましたか。
わたくしは、ため息をつきたい気持ちをぐっと堪えて、上品に微笑んだ。
だって、これこそ待ち望んでいた瞬間なのだから。
(ようやく来たわ! 断罪イベント! やっと私は、この窮屈なお屋敷から解放されるのよ!!)
これまでの人生を振り返る。
両親は「次期国母として」「王太子妃として」とわたくしを縛り上げ、勝手に婚約まで決められた。
習い事も礼儀作法も、まるで呼吸をするように詰め込まれる毎日。
そんな生活、前世でオタクだったわたくしに耐えられるはずがなかった。
――だからこそ理解したのだ。
(あ、私、悪役令嬢ポジションなんだって)
そこからの行動は早かった。
断罪されて追放されるために、武芸・魔術・経営学・料理に筋トレまで。
婚活に役立ちそうなスキルを片っ端から身につけてきた。
――全ては、自由のために。
「殿下! アリサ様はそんなことなさっていません!」
マリーが慌てて声を上げる。
ああ、マリー。あなたは本当にいい子ね。
でも、ここで庇ってはいけないのよ。
「マリー……! お前は優しすぎるのだ。虐げられた者は加害者を庇うこともある……!」
レオン殿下は勝手に解釈をして、勝手に話を進めていく。
(お馬鹿で助かるわ~。これなら予定通り断罪まっしぐら!)
「よって、アリサ・フォン・リュクス! お前を――国外追放とする!」
ついに来た。
殿下の口から告げられたのは、わたくしが心待ちにしていた宣告。
広間がざわつき、令嬢たちが扇子で口を覆い、騎士たちがざわめく。
けれど、わたくしの心はただひとつ。
(やったああああああ!!)
口には出さず、淑女らしくお辞儀をする。
「ご判断、ありがたく受け入れますわ。殿下」
にっこりと微笑むわたくしに、レオン殿下は一瞬たじろいだ。
彼は勝利宣言のつもりだったのだろうが、どう見ても負け顔をしているのは彼のほうだ。
「アリサ様ぁぁぁ!」
涙を流すマリーに、そっと微笑み返す。
――大丈夫よ、マリー。あなたなら一人でもやっていける。
それに……。
(私はこれからが本番なんだから! 待ってなさい、婚活市場! アリサ・ノーネーム、堂々参上よ!)
こうして、わたくしの第二の人生――いや、第三の幕が上がったのでした。
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