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第20話 「俺はまだ結婚しない!」
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舞踏会から二日後。
いつものようにギルドの扉を開けた瞬間――
「おーい! 式はいつだ!?」
「余興の出し物考えといたぞ!」
「二次会の酒は俺が用意する!」
……おかしい。
依頼受けに来ただけなのに、結婚式の段取りが進んでいる。
「ちょっと待て! 誰が結婚するなんて言った!?」
「セシルが舞踏会で宣言したって聞いたぞ!」
「本人の口から聞いたら確定だろ!」
「本人の口から聞いたら確定とか法律かよ!!」
―――
俺の否定など聞こえないかのように、テーブルを囲んで会議が始まった。
「まずは入場の演出だな。花びらを降らせよう!」
「いやいや、火の魔術で花火だろ!」
「二人の出会いを演劇仕立てにしようぜ!」
「勝手に俺の人生を脚本化すんな!!」
―――
「で、新郎新婦の希望は?」とリードが振ると、
セシルが淡々と答える。
「シンプルでいい。誓いの言葉とキスだけで」
「ぎゃあああああ!! 具体的に言うなあああ!!」
ギルド全員「おおおおおおお!」
俺は頭を抱えて机に突っ伏す。
もはや抵抗が無意味に思えてきた。
―――
「余興のリスト、ギルドでまとめておきますね♪」
受付嬢がさらっと書類を差し出す。
「なんでギルドで余興管理してんだよおおおお!!!」
周囲は大爆笑、セシルだけは真顔で頷いていた。
―――
余興会議はなぜか延々と続いていた。
そして議題は、ついに「花嫁衣装」に。
「誰がドレス用意する?」
「仕立て屋のツテあるぞ!」
「いや、俺の知り合いの舞台衣装屋が安くやってくれる!」
「待て! 俺が花嫁になる前提やめろ!!」
「だってお前、姫だし」
「姫じゃねぇえええええ!!!」
―――
場が盛り上がる中、リードがセシルに振った。
「なぁセシル、やっぱ白ドレスだよな?」
セシルは一瞬の迷いもなく頷く。
「白が似合う」
「似合うって何だああああ!!」
ギルド全員「おおおおおおお!!」
俺は机に突っ伏してバンバン叩く。
頭痛を通り越して、もはや胃痛。
―――
「じゃあヴェールは? ティアラは?」
「レイリにはティアラより花冠」
「勝手にアクセサリー選ぶな!!」
「ブーケは俺が持たせる」
「なんで既に持たせる流れなんだよ!!」
ギルド全員は大爆笑で、誰一人止めてくれない。
―――
「花嫁衣装案は“白ドレス・花冠・ブーケ”で決定ですね♪」
受付嬢がさらっとまとめて書類に記入する。
「だからなんでギルドで結婚式の書類作ってんだよぉぉぉ!!」
セシルは横で真顔のまま「間違ってない」と一言。
俺はその場で崩れ落ちそうになった。
いつものようにギルドの扉を開けた瞬間――
「おーい! 式はいつだ!?」
「余興の出し物考えといたぞ!」
「二次会の酒は俺が用意する!」
……おかしい。
依頼受けに来ただけなのに、結婚式の段取りが進んでいる。
「ちょっと待て! 誰が結婚するなんて言った!?」
「セシルが舞踏会で宣言したって聞いたぞ!」
「本人の口から聞いたら確定だろ!」
「本人の口から聞いたら確定とか法律かよ!!」
―――
俺の否定など聞こえないかのように、テーブルを囲んで会議が始まった。
「まずは入場の演出だな。花びらを降らせよう!」
「いやいや、火の魔術で花火だろ!」
「二人の出会いを演劇仕立てにしようぜ!」
「勝手に俺の人生を脚本化すんな!!」
―――
「で、新郎新婦の希望は?」とリードが振ると、
セシルが淡々と答える。
「シンプルでいい。誓いの言葉とキスだけで」
「ぎゃあああああ!! 具体的に言うなあああ!!」
ギルド全員「おおおおおおお!」
俺は頭を抱えて机に突っ伏す。
もはや抵抗が無意味に思えてきた。
―――
「余興のリスト、ギルドでまとめておきますね♪」
受付嬢がさらっと書類を差し出す。
「なんでギルドで余興管理してんだよおおおお!!!」
周囲は大爆笑、セシルだけは真顔で頷いていた。
―――
余興会議はなぜか延々と続いていた。
そして議題は、ついに「花嫁衣装」に。
「誰がドレス用意する?」
「仕立て屋のツテあるぞ!」
「いや、俺の知り合いの舞台衣装屋が安くやってくれる!」
「待て! 俺が花嫁になる前提やめろ!!」
「だってお前、姫だし」
「姫じゃねぇえええええ!!!」
―――
場が盛り上がる中、リードがセシルに振った。
「なぁセシル、やっぱ白ドレスだよな?」
セシルは一瞬の迷いもなく頷く。
「白が似合う」
「似合うって何だああああ!!」
ギルド全員「おおおおおおお!!」
俺は机に突っ伏してバンバン叩く。
頭痛を通り越して、もはや胃痛。
―――
「じゃあヴェールは? ティアラは?」
「レイリにはティアラより花冠」
「勝手にアクセサリー選ぶな!!」
「ブーケは俺が持たせる」
「なんで既に持たせる流れなんだよ!!」
ギルド全員は大爆笑で、誰一人止めてくれない。
―――
「花嫁衣装案は“白ドレス・花冠・ブーケ”で決定ですね♪」
受付嬢がさらっとまとめて書類に記入する。
「だからなんでギルドで結婚式の書類作ってんだよぉぉぉ!!」
セシルは横で真顔のまま「間違ってない」と一言。
俺はその場で崩れ落ちそうになった。
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