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第15話「みんなが見てる、その先で――」
花火大会の夜が明けて、別荘のリビング。
家族みんなが集まる朝食の席。
雰囲気が、どこか昨日までと違う。
蓮くんが朝からニヤニヤしっぱなし。
奏さんは、やたらと優しい目で俺と頼を見ている。
玲子さんがコーヒーを差し出しながら、ふんわりと一言。
「新くん――おめでとう。頼の“大切な人”になってくれて、本当にありがとう」
「え、いや……」
「隠しても無駄よ。蓮が昨夜“兄ちゃんたち、ついに恋人になった!”って大騒ぎだったから」
「うわ、言うなよ蓮!」
「だって嬉しかったんだもん! 新くん、これからも兄弟でいてくれる? でも今度は“義兄”かもね!」
「やめろ、蓮……!」
みんなが大笑いするなか、
お父様が一言だけ、でも穏やかに言う。
「大切にしろよ、頼。大切にされろよ、新」
「……はい!」
―――
夏休み明けの学園。
頼と並んで登校すると、校舎中がざわざわ。
「うそ……あの頼様が、なんか柔らかい表情してない?」
「二人、夏の間に絶対なんかあったよね!? 朝日くん、爆発しろ!」
「ていうか、手、めっちゃ近いよな……」
ファンクラブの女子たちも、最初は困惑していたが、
頼が今までにないくらい自然な笑顔で「おはよう」と返した瞬間――
「……あれ、なんか頼様、最近いい人じゃない?」
「朝日くん、もしかして“頼様チューニング”してる?」
「いや、それ恋人ムーブじゃん……!」
―――
教室でも、泉がそっと声をかけてくる。
「新、なんか、最近幸せそう」
「いや、まあ……いろいろあってな」
「“告白成功おめでとう”」
「なんで知ってる!?」
「顔に出てる」
「……ですよねー」
―――
そして放課後。
「新、今日もどこか行くか?」
「うん、今日は俺のターン。“庶民スポット”案内な」
「望むところだ」
校門を出るとき、ふと頼が俺の手を軽く取る。
「新、これからもずっと――隣にいてくれ」
「……バカ、言われなくても」
二人で並んで歩く道。
どこまでも続く、日常の先。
恋人になっても、“いつも通り”わちゃわちゃして、笑い合って――俺たちの日常は、まだまだ続いていく。
家族みんなが集まる朝食の席。
雰囲気が、どこか昨日までと違う。
蓮くんが朝からニヤニヤしっぱなし。
奏さんは、やたらと優しい目で俺と頼を見ている。
玲子さんがコーヒーを差し出しながら、ふんわりと一言。
「新くん――おめでとう。頼の“大切な人”になってくれて、本当にありがとう」
「え、いや……」
「隠しても無駄よ。蓮が昨夜“兄ちゃんたち、ついに恋人になった!”って大騒ぎだったから」
「うわ、言うなよ蓮!」
「だって嬉しかったんだもん! 新くん、これからも兄弟でいてくれる? でも今度は“義兄”かもね!」
「やめろ、蓮……!」
みんなが大笑いするなか、
お父様が一言だけ、でも穏やかに言う。
「大切にしろよ、頼。大切にされろよ、新」
「……はい!」
―――
夏休み明けの学園。
頼と並んで登校すると、校舎中がざわざわ。
「うそ……あの頼様が、なんか柔らかい表情してない?」
「二人、夏の間に絶対なんかあったよね!? 朝日くん、爆発しろ!」
「ていうか、手、めっちゃ近いよな……」
ファンクラブの女子たちも、最初は困惑していたが、
頼が今までにないくらい自然な笑顔で「おはよう」と返した瞬間――
「……あれ、なんか頼様、最近いい人じゃない?」
「朝日くん、もしかして“頼様チューニング”してる?」
「いや、それ恋人ムーブじゃん……!」
―――
教室でも、泉がそっと声をかけてくる。
「新、なんか、最近幸せそう」
「いや、まあ……いろいろあってな」
「“告白成功おめでとう”」
「なんで知ってる!?」
「顔に出てる」
「……ですよねー」
―――
そして放課後。
「新、今日もどこか行くか?」
「うん、今日は俺のターン。“庶民スポット”案内な」
「望むところだ」
校門を出るとき、ふと頼が俺の手を軽く取る。
「新、これからもずっと――隣にいてくれ」
「……バカ、言われなくても」
二人で並んで歩く道。
どこまでも続く、日常の先。
恋人になっても、“いつも通り”わちゃわちゃして、笑い合って――俺たちの日常は、まだまだ続いていく。
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