上 下
68 / 351

六十八話 見送り

しおりを挟む
「着いた! ここが下の大陸......!」


歳は15才。黒髪短髪。
身なりは貧相だが
溢れでる爽やかなオーラと
綺麗な顔だちが全くそれを
感じさせない。



「ペルー! 行くよ!」


そんな一人の少女が
青い鳥を一羽連れて、下の大陸に
ある港に到着した。


「ピッ! ピッ!」


ペルーと名付けられた青い鳥も
おいていかれないように
必死にメグの後ろをついていく。


「すごーい! こんなにたくさんの
人初めて見た!! ね、ペルー。」


「ピッ!」


どこを見ても人の活気に満ち溢れ、
あまりの人の多さに場所がわからなく
なる。


「え~っと......地図、地図......あった。
今がこの場所だから......わかった!
あっちだ!」


はぐれてしまわないように、
メグはペルーをだいて走り出す。









隼人が到着した一ヶ月前の港は
いつも以上に人に溢れ、賑わいを
みせている。
なぜなら今日は、人間たちの
希望である魔王討伐軍の出向する
日だからだ。
そんな記念すべき日に魔王討伐軍を
一目見ようと下の大陸中から、この
港に人が集まっていた。



「うわっ! すっごい人......」



討伐軍が出向するまで
隼人が待機している施設
にたどり着いたメグだったが
そこにも多くの人がごったがえしている。


「隼人......見つかるかな......」


「ピィ......」


その時だった。


「おい! メグ! こっちだ! こっち!」


人混みの中から一人の男がメグに
向かって手を振りながら、近付いてくる。


「隼人!」


しおりを挟む

処理中です...