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百四十七話 三日月島12

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「ヨーテルさんはまだ起きないんですか!?」


「先ほど私が確認してきましたところ、
まだ寝ているようでした!」


傾いている船内から転びそうに
なりながら出てきたのはアルナ
だった。


「それとルドルフ隊長!」



「なんです!」


「長老様のお姿が船内のどこを
探しても、ありません!」


「ま、まさか! 長老の船室は?」


「いえ、そこにもおられませんでした。」


「どういうことです......先ほど
僕に瞑想に入ると言っていたのに......」



癖なのか、ルドルフは爪をかみながら、
考え込む。


「とりあえず貴方はもう一度
ヨーテルさんのところへ。
どんな手を使ってでも叩き起こして
ください。」



「わ、わかりました!」


ルドルフの命令にアルナは
再び船内の中に入っていった。



「さて......ヨーテルさんが来てくれるまで
なんとかこの場を......」


ルドルフはボロボロになった船の上で
他の職業者の様子を確認する。


「痛い! 助けてくれ!」


岩の衝突により砕けた
船の木片が腹部に突きささり、
悶え苦しんでいる者がいた。


「ヒール。」


サっちゃんはその者にかけより、
手当てをする。


「テイルちゃん! そっちもお願い!」


「はい!」


テイル、サっちゃんを含む計五人の
回復魔法士は慌ただしく怪我を
した職業者達の治療を行っていた。


「こっちも頼む! サっちゃん隊長!」


「すぐに行きます!」
















「ヨーテル様! ヨーテル様! 起きてく
ださい!」



「......んん......」



アルナはルドルフの命令に
従い、ヨーテルを起こしている
真っ最中だった。



「大変なんです! 起きてください!」



しかし、ヨーテルはアルナの声に
全く反応せず、むにゃむにゃしていた。



「しょうがないですね......それなら......」



アルナはこんなこともあろうかと、
食糧庫から拝借してきたタバスコを
懐から取り出す。


そして、無理矢理ヨーテルの閉じている
口をこじ開け


「失礼します......」


容赦なく、流し込んだのだった。

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