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二百五話 仲間の捜索3

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「その前に......タチアナちゃん。
本当にカクバ君達はジュラ島に
おるのか?」


「ええ......というより、それは
長老達から彼らが私の捜索を
ジュラ島でしていると
聞かされたのですが......」


「どうしたのよ、長老。」


なにやら険悪な表情を
浮かべている長老を
不思議に思ったヨーテルが
長老に尋ねた。


「......うむ......先ほど......
タチアナちゃんが念の為に
カクバ達の居場所を占って
くれと言われての。」


それを聞いたヨーテルは
そうなの? とタチアナに
表情で尋ね、それにタチアナは
首を縦にふった。


「そしたら......あの三人は
全く別の島におると占いで
出たんじゃ......」


「は!? 何かの間違いでしょ?
だってあの三人に別の島に行く
手段なんてあるわけないじゃない。」


「......それはそうなんじゃがの......」


「もう一度占ってみたらどうなの?」


ヨーテルに言われ、長老は再び
自身の水晶石を取り出し
占いを開始する。


「......やはり、カクバ君たちは
ジュラ島にはおらんの。」


「......あーもうっ! あいつら
なに勝手にっ──」


「長老、ちなみにカクバ
達は今どこにいるんです?」


長老の占いを後ろで見ていた
タチアナが、水晶石を覗きこむ。


「ここじゃの。」


長老の水晶石にはまるで
地図のようなものが映っており、
その中のとある島に一つの赤い点が
記されていた。


「この島の形は......」


タチアナは急いで会議室の
机の上に縦横一メートルほどの
地図を広げた。
そして、タチアナは
水晶石で赤い点が記されていた
島を指差す。


「これだ......島の名は......」


「呪覆(じゅふく)島じゃない。
六ヶ月前あの三人がその島から
瀕死状態で命からがら帰還したって
聞いたわ。」


「ああ......あの兄様でさえ
あれほどの深傷を負ったのだ。
我々も気をつけなければならない。」
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