23 / 111
第二章
23.失意の底
しおりを挟む
しばらく何もしないでベッドの上に座っていた。体が怠いとかではなく、ただ何もしたくなかった。どれくらいこうしているか分からないが、窓から入り込んでいた日の光が、だんだんと落ちてきた。
カイトを思い出した。優しく柔らかな笑みでいつもカイトは笑ってくれていたのに、思い出すとその顔は血に塗れ、憎悪の瞳で睨みつける顔しか浮かばなくなった。今までの楽しかった思い出が全部、全部塗り変わってく。両親やあの泥だらけのローブを着たあいつみたいに俺は、逃げる様にカイトの顔も塗り潰していく。酷い奴、最低な奴。そう自分を罵っても、そうしないと自分を保てそうになかった。
考え込んでいるといきなり大きな音を立てて扉が開かれた。心臓が跳ねる。
「隊長っ!!」
開かれた扉からアルが飛び出してきた。飛び込む様に俺の足元に伏して声を上げる。
「僕は、心配で毎日本当に!」
「アル」
額をぐりぐりと俺の足に押し付けて、泣いている。少し痛い。その後にぞろぞろと隊員達が部屋の中に入ってくる。皆そばに来て、どこか物悲し気な瞳で俺を見下ろす。俺は視線を掛けられた白い布へ落とす。でも、隊員達の無事な姿を見てほっとした。俺の勝手な行動のせいで誰かに何かあったらと思うとまた、胸が重石でも乗る様に苦しくなる。
「みんな無事でよかった。勝手な行動をしてすまない」
「謝らないで下さい。それより目が覚めて本当に安心しましたよ」
「体どうっすか? 大丈夫っすか?」
「……大丈夫だ」
元々俺は怪我なんてしてない。ただ心はズタズタではあるけど、それはわざわざ言わない。それより、俺が気を失った後どうなったのか気になる。
「あの後、どうなったんだ?」
「……我々は隊長を探しながら瘴魔と戦っていました」
「そしたらぁ急にぃ闇が大爆発してぇ~全部吹っ飛んじゃいましたぁ」
「大……爆発? 吹っ飛んだ?」
「マリーそんなんじゃ伝わんないって! 違いますよっ! 急に瘴気と離れた所で闇が膨れ上がってそのまま、全部消えちゃったんです!」
「私がぁ言ったのと変わんなぁい」
アルとマリーの説明に首を傾げるばかりで何も分からない。もっと詳しく聞きたかったが、グレミオがそうさせてくれなかった。
「このお話はまた戻られたらにしましょう。今はとにかく休んで下さい」
「隊長がいない間ぁ~程々に私達頑張りますからぁ」
「安心して下さい! 僕が、しっかりカミュンを躾けておきますから!」
「なんで俺がお前に躾けられなきゃならねぇんだっ! クソガキっ!」
「もぉ、ここで喧嘩しないの! ほら! ヴァンも疲れてるんだから、顔も見れたし行くよ」
火花を散らしだす二人の背を強引に押し、部屋の外へ追い出す。カイリは一回ため息をつき、こちらを振り向く。
「ヴァン……待ってるからね」
まだ腫れが引かない目をさせながら、カイリはそう言って扉を閉めた。
隊員達が出て行った扉を眺めた後、握っていた手を開き見つめる。少しだけ心が落ち着いた。布団から出る。着替えを済ませ、俺は城の外へ出た。
外に出ると日は傾むき、空はオレンジ色から紫色に変わり、薄い星影が夜の訪れを知らせている。哀愁漂う世界に俺は一人で、ふらふらと歩きだす。勝手に動くその足に身を任せていると、見慣れた建物がふと視界に入った。
「ありがとねー! また来て頂戴っ!」
カミールが扉から顔を出して帰る客を笑顔で見送っている。俺は、ぼうっと突っ立ってそれを眺めていた。店に戻ろうとしたカミールと目が合ってしまった。カミールが開戸を押して、駆け寄ってくる。なんで俺はここに来てしまったんだろう。ここにくるつもりはなかったのに。
「ヴァン!? どうしたの!? ぼーっと突っ立って?」
「……」
「あんた……ひどい顔してるよ。何かあったのかい?」
今どんな顔をしているかは俺は知らない。カミールは怪訝な顔でじっと俺を見つめている。
「とにかく、中入んなよ……あんた、一人?」
一人。
その言葉に鼓動が跳ねだす。また来ようと約束したのに俺は、一人で来てしまった。カミールに肩を叩かれる前に俺は駆け出す。自分がもう何がしたいのかも分からない。
止まる事なく、急いで家に向かった。階段を駆け上がり、勢いよく扉を開け背で閉める。
暗い部屋。ここを出た時と何も変わらない。疲れた。何も考えたくない。もう、寝てしまおう。布団に潜り込み。目を閉じる。睡魔がやってくる。意識が遠のきだした時に声がした。
"苦しい"
はっと目を開け、体を起き上がらせる。そばに誰か立っている。恐る恐る見上げる。
「……カイット」
そこにはカイトが立っていた。全身傷だらけで痛々しい姿で立っていた。見ていられないのに、視線が凍った様に逸らせない。傷口から流れ出る血が床を赤く染めだす。カイトはまた血を垂れ流しながら口を開けた。
「どうして、置いていったの?」
「俺は……置いていこうなんて」
「痛いんだ」
「カイト」
「これも全部、ヴァンのせいだ」
はっと目を開けた。ダラダラと額から汗が流れ、心臓が早鐘を叩かれる様にドクドクと鳴る。カイトが立っていた場所を見る。そこには誰もいない。
今のは、夢……なのか?
分からない。でも、もしかしたらカイトは本当にここにいて今も、置いて行った俺を恨んでいるのかもしれない。それとも、一人寂しくあの世界に取り残されているのだろうか。ガンガンと痛む頭を抑え、本棚へ目を向ける。泥だらけのローブを着たあいつを想起した。
嘘つき。
アドニールがあの泥だらけのローブを着たあいつだと決まっているわけじゃ無いのに、それでもあの時は救って欲しかった。希望したんだ。
どうして、どうして殺してくれなかったんだ。
そうしたらせめて、カイトのそばに居てやれたのかもしれないのに。
再び薄い布の中に潜り込む。でも、俺はもう眠らなかった。
だんだと窓の外が明るくなってきた。人の声が増えてきた。朝になってもこの部屋は暗い気がする。休めと言われても寝る事も出来ず、かと言って起きてやる事もない。本を読もうとしても、カイトとの思い出がチラついて俺はただ、起きたままの姿勢で窓の外を眺めていた。
急に戸を強く叩く音がして、はっとした。玄関の方でどんどんと扉が叩かれている。その音が何故だかとても怖くて、俺は震えながら扉を見つめていた。
「ヴァン隊長? いらっしゃいますか?」
扉の向こうから男の声がした。隊長だと呼ぶあたり兵士なのだろうかと、相手の正体が分かりほうっと息を吐く。俺は立ち上がり、玄関の方へ行き扉を小さく開いた。外にはやはり制服を着た兵士が立っていて、俺を見て気まずい顔をさせる。
「いらっしゃってよかったです。ヴァン隊長、国王がお呼びですよ」
「えっ」
「今すぐ来て欲しいそうなので、支度してください」
兵士の男はそれだけ言って去っていく。胸が重くなる。昨日酷いことを言ってしまったからキルには会い辛かった。それでも無視なんて出来ないから言われた通りに支度を済ませ、重たい足取りでキルの所まで向かう事にする。
城下街を抜け城に入る。城内の一室、キルがいつもいる部屋の前。いつもなら扉の前で兵士が警護しているのに、今日はいない。珍しいな、不用心だなと思いながら白い扉を叩く。
「キル、俺だけど」
「あぁ、入ってこいよ」
すぐに返事をくれたキルの声色は、やっぱりいつもと変わらない。一回深く息を吸い、吐く。俺は音を立てない様に、ゆっくり扉を開ける。扉が開けた視界の先、立派な机の前にこちらを向いて立っているキルがいた。キルの隣にもう一人いた。その人物に体が硬直した。ドアノブを握っていた手がかすかに震えた。
「……アドニール」
初めて出会った時の様に俺は、目の無い面の向こうの瞳を見つめた。
カイトを思い出した。優しく柔らかな笑みでいつもカイトは笑ってくれていたのに、思い出すとその顔は血に塗れ、憎悪の瞳で睨みつける顔しか浮かばなくなった。今までの楽しかった思い出が全部、全部塗り変わってく。両親やあの泥だらけのローブを着たあいつみたいに俺は、逃げる様にカイトの顔も塗り潰していく。酷い奴、最低な奴。そう自分を罵っても、そうしないと自分を保てそうになかった。
考え込んでいるといきなり大きな音を立てて扉が開かれた。心臓が跳ねる。
「隊長っ!!」
開かれた扉からアルが飛び出してきた。飛び込む様に俺の足元に伏して声を上げる。
「僕は、心配で毎日本当に!」
「アル」
額をぐりぐりと俺の足に押し付けて、泣いている。少し痛い。その後にぞろぞろと隊員達が部屋の中に入ってくる。皆そばに来て、どこか物悲し気な瞳で俺を見下ろす。俺は視線を掛けられた白い布へ落とす。でも、隊員達の無事な姿を見てほっとした。俺の勝手な行動のせいで誰かに何かあったらと思うとまた、胸が重石でも乗る様に苦しくなる。
「みんな無事でよかった。勝手な行動をしてすまない」
「謝らないで下さい。それより目が覚めて本当に安心しましたよ」
「体どうっすか? 大丈夫っすか?」
「……大丈夫だ」
元々俺は怪我なんてしてない。ただ心はズタズタではあるけど、それはわざわざ言わない。それより、俺が気を失った後どうなったのか気になる。
「あの後、どうなったんだ?」
「……我々は隊長を探しながら瘴魔と戦っていました」
「そしたらぁ急にぃ闇が大爆発してぇ~全部吹っ飛んじゃいましたぁ」
「大……爆発? 吹っ飛んだ?」
「マリーそんなんじゃ伝わんないって! 違いますよっ! 急に瘴気と離れた所で闇が膨れ上がってそのまま、全部消えちゃったんです!」
「私がぁ言ったのと変わんなぁい」
アルとマリーの説明に首を傾げるばかりで何も分からない。もっと詳しく聞きたかったが、グレミオがそうさせてくれなかった。
「このお話はまた戻られたらにしましょう。今はとにかく休んで下さい」
「隊長がいない間ぁ~程々に私達頑張りますからぁ」
「安心して下さい! 僕が、しっかりカミュンを躾けておきますから!」
「なんで俺がお前に躾けられなきゃならねぇんだっ! クソガキっ!」
「もぉ、ここで喧嘩しないの! ほら! ヴァンも疲れてるんだから、顔も見れたし行くよ」
火花を散らしだす二人の背を強引に押し、部屋の外へ追い出す。カイリは一回ため息をつき、こちらを振り向く。
「ヴァン……待ってるからね」
まだ腫れが引かない目をさせながら、カイリはそう言って扉を閉めた。
隊員達が出て行った扉を眺めた後、握っていた手を開き見つめる。少しだけ心が落ち着いた。布団から出る。着替えを済ませ、俺は城の外へ出た。
外に出ると日は傾むき、空はオレンジ色から紫色に変わり、薄い星影が夜の訪れを知らせている。哀愁漂う世界に俺は一人で、ふらふらと歩きだす。勝手に動くその足に身を任せていると、見慣れた建物がふと視界に入った。
「ありがとねー! また来て頂戴っ!」
カミールが扉から顔を出して帰る客を笑顔で見送っている。俺は、ぼうっと突っ立ってそれを眺めていた。店に戻ろうとしたカミールと目が合ってしまった。カミールが開戸を押して、駆け寄ってくる。なんで俺はここに来てしまったんだろう。ここにくるつもりはなかったのに。
「ヴァン!? どうしたの!? ぼーっと突っ立って?」
「……」
「あんた……ひどい顔してるよ。何かあったのかい?」
今どんな顔をしているかは俺は知らない。カミールは怪訝な顔でじっと俺を見つめている。
「とにかく、中入んなよ……あんた、一人?」
一人。
その言葉に鼓動が跳ねだす。また来ようと約束したのに俺は、一人で来てしまった。カミールに肩を叩かれる前に俺は駆け出す。自分がもう何がしたいのかも分からない。
止まる事なく、急いで家に向かった。階段を駆け上がり、勢いよく扉を開け背で閉める。
暗い部屋。ここを出た時と何も変わらない。疲れた。何も考えたくない。もう、寝てしまおう。布団に潜り込み。目を閉じる。睡魔がやってくる。意識が遠のきだした時に声がした。
"苦しい"
はっと目を開け、体を起き上がらせる。そばに誰か立っている。恐る恐る見上げる。
「……カイット」
そこにはカイトが立っていた。全身傷だらけで痛々しい姿で立っていた。見ていられないのに、視線が凍った様に逸らせない。傷口から流れ出る血が床を赤く染めだす。カイトはまた血を垂れ流しながら口を開けた。
「どうして、置いていったの?」
「俺は……置いていこうなんて」
「痛いんだ」
「カイト」
「これも全部、ヴァンのせいだ」
はっと目を開けた。ダラダラと額から汗が流れ、心臓が早鐘を叩かれる様にドクドクと鳴る。カイトが立っていた場所を見る。そこには誰もいない。
今のは、夢……なのか?
分からない。でも、もしかしたらカイトは本当にここにいて今も、置いて行った俺を恨んでいるのかもしれない。それとも、一人寂しくあの世界に取り残されているのだろうか。ガンガンと痛む頭を抑え、本棚へ目を向ける。泥だらけのローブを着たあいつを想起した。
嘘つき。
アドニールがあの泥だらけのローブを着たあいつだと決まっているわけじゃ無いのに、それでもあの時は救って欲しかった。希望したんだ。
どうして、どうして殺してくれなかったんだ。
そうしたらせめて、カイトのそばに居てやれたのかもしれないのに。
再び薄い布の中に潜り込む。でも、俺はもう眠らなかった。
だんだと窓の外が明るくなってきた。人の声が増えてきた。朝になってもこの部屋は暗い気がする。休めと言われても寝る事も出来ず、かと言って起きてやる事もない。本を読もうとしても、カイトとの思い出がチラついて俺はただ、起きたままの姿勢で窓の外を眺めていた。
急に戸を強く叩く音がして、はっとした。玄関の方でどんどんと扉が叩かれている。その音が何故だかとても怖くて、俺は震えながら扉を見つめていた。
「ヴァン隊長? いらっしゃいますか?」
扉の向こうから男の声がした。隊長だと呼ぶあたり兵士なのだろうかと、相手の正体が分かりほうっと息を吐く。俺は立ち上がり、玄関の方へ行き扉を小さく開いた。外にはやはり制服を着た兵士が立っていて、俺を見て気まずい顔をさせる。
「いらっしゃってよかったです。ヴァン隊長、国王がお呼びですよ」
「えっ」
「今すぐ来て欲しいそうなので、支度してください」
兵士の男はそれだけ言って去っていく。胸が重くなる。昨日酷いことを言ってしまったからキルには会い辛かった。それでも無視なんて出来ないから言われた通りに支度を済ませ、重たい足取りでキルの所まで向かう事にする。
城下街を抜け城に入る。城内の一室、キルがいつもいる部屋の前。いつもなら扉の前で兵士が警護しているのに、今日はいない。珍しいな、不用心だなと思いながら白い扉を叩く。
「キル、俺だけど」
「あぁ、入ってこいよ」
すぐに返事をくれたキルの声色は、やっぱりいつもと変わらない。一回深く息を吸い、吐く。俺は音を立てない様に、ゆっくり扉を開ける。扉が開けた視界の先、立派な机の前にこちらを向いて立っているキルがいた。キルの隣にもう一人いた。その人物に体が硬直した。ドアノブを握っていた手がかすかに震えた。
「……アドニール」
初めて出会った時の様に俺は、目の無い面の向こうの瞳を見つめた。
0
あなたにおすすめの小説
使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
もう散々泣いて悔やんだから、過去に戻ったら絶対に間違えない
もーりんもも
恋愛
セラフィネは一目惚れで結婚した夫に裏切られ、満足な食事も与えられず自宅に軟禁されていた。
……私が馬鹿だった。それは分かっているけど悔しい。夫と出会う前からやり直したい。 そのチャンスを手に入れたセラフィネは復讐を誓う――。
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる