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第四章
98.世界の創生①
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加護の力。
それは人類の誕生と共に存在し、誰しもが授かる力というのが世界の認識。
火、水、木、土、風。
より豊かな暮らしをと与えられた加護を駆使し、人類は文明を発展させてきた。
大海原での航海では帆に風を与え進み、未開の大陸を切り開き人類は各大陸へと渡って行った。
人が住めぬような枯渇した大地には水を与え、緑を茂らせる。蘇った土地を整地し家屋を建て、得た獲物を火を使い調理して暮らす。
生きていけば傷を負うこともあるが、それを治癒することもできる。が、病は治せない。
その治療薬も加護の力を使い開発もなされてきた。
先祖がそうして築き上げたものの延長線に、今の俺たちの生活が成り立っている。
加護の力とはまさに人類の生命線であるが、時に人を傷つけ殺める武器ともなる。
相反する性質を持たせてしまったのは人の罪だろうか?
ならば、何故精霊は加護の力を人に与えたのか?
そもそも人はどこからきて、何故生まれたのか?
考えたところで答えの出ない問い。
それこそ世界を創生した神にしか分からないであろう。
だがミツカゲは言う、この世界に加護の力を持つ人類が存在する理由、それは魔王に対抗するための兵を作り上げるためだと。
「もう少し詳しく話してくれないか」
結論だけ言われても納得できないし、情報不足で推測もできない。それにこの先の話を聞けば、リナリアの思惑と結びつくはずだ。
ミツカゲは重いため息を吐く。
路地に広がる深い闇の中、淀の底のような空気が僅かに震える。
「貴様らは精霊と呼んでいるが我々はマナと呼び、ルゥレリア様が作り出したものだ。生命の源である力を与えたマナを魂としているこの世界は、他の世界の人間が扱えぬ力を扱うことができるのだ」
「精霊が加護を与えているとされているが、本当のところは神が与えたものだったのか」
「そういうことだ」
随分と簡潔に説明されたが、これが加護の力の正体なのか。
マナと呼ぶ加護の力を与えた魂を宿した人間は、力を扱うことができる。
この世界では常識であるが、他の世界では異質。
真実とは非現実的で己の常識を覆すことばかりだ。
もう、この世界の概念は180度変わってしまった。
精霊はこの世界では神、もしくは神の使徒とし崇拝、信仰だってされているというのに……本質は人であっただなんて、なんとも滑稽な話だ。
「それで、神はこの世界の人間に加護を与え何を企んでいる」
「企むなどと不躾な、これだから悪魔は。貴様にはあの方のお考えなど、理解できないであろう」
「そうだな、俺には神の考えなんて分からない」
「いいか、ルゥレリア様は加護の力を宿したマナを魂とし、人として現世に誕生させ一生を終えるという仕組みを作られた。それは、その過程で起こる人格の形成と能力の向上、現世での経験が有益になると考えたからだ」
捲し立てるような説明を頭の中で咀嚼してみるが、やはり俺には神の考えは分からない。
世界を創生した神ならば、自らの手で兵士を作り上げることができるのでは?
まわりくどく、効率が悪いように感じる。
「世界を創生するほどの神ならば、兵士を自らの手で作ることができるんじゃないのか?」
「無論。現に私はルゥレリア様から直接生をいただいた」
「それではいけないのか? 兵を作るのに、わざわざ人の一生をかけるなんて時間がかかりすぎている。それに、お前はこの世界の人間より強いだろ。そんなお前を作れるのだからこのやり方は、やはり理にかなったものとは思えない」
「人の一生など、我々にとっては花が咲き散る間のような僅かなものだ。試験的なものであったが私が知る限り、ルゥレリア様のお考え通りうまくことは運んでいた。いくつもの戦場を経験した者、秀でた知をもつ者はよく働いてくれた。何より人格が形成されている者は扱いやすい。定まった人格が変わることは、そうないからな。思うように作られたとしてもルゥレリア様とて、生を与えた者がどのようになるかまでは分からぬ。染まりやすさはあるだろうが、無垢な者ほど虚なのだ」
俺にはやはりピンとこないが、神にとっては理にかなっているようだ。
だが、なんにしろ気に入らない。
「つまりは俺たちは、知らずにその神々の戦争に向け選抜試験なようなものを受けさせられているということか」
ミツカゲの顔が曇る。
今の言動が気に入らなかったのか。
確かに嫌味を含ませたが仕方ない。ほとんどの人が天は平穏な場所だと考えている。
真っ当に生きていれば現世での苦痛も憂いも忘れ、穏やかに暮らせるであろうと信じているのに戦争にいかされることになるなんて。
人が一生をかけて生きてきた思いなど、神には関係ない。
冷淡で、無慈悲。
現実的という利己的さ。
人の心情など、顧みることもない。
聞けば聞くほど、リナリアとは正反対な人物像だ。
「リナリアの半身とは思えない」
ぽろっと出た本音を、叩きつけるような舌打ちをミツカゲはする。
「天界の長なのだ。貴様とは違い多くものを背負われている。人の犠牲など、取るに足らぬ。そうでなければ、ならないのだ」
多数を取るには、少数を犠牲にしなければならない。
そこに苦汁からの痛心は、神にあるのだろうか?
いや、俺はリナリアを助けたい為に世界を危機に晒したんだ。これ以上とやかく言う資格はない。
お手上げだと黙り込むと、ミツカゲも同じように口を閉ざし顔を上げる。
路地の隙間から見える空は、ただ闇が広がっているだけだ。
冷徹な青い瞳は、憂いの色を見せなにを思っているのか……。
「貴様は似ていないというが、あの方とリナリア様は似ておられるところもある」
空の上へと語りかけるような遠くへと投げられた言葉であったが、切り取ったようによく聞こえた。
口から漏れでた声色からは、感情が読み取れない。
寂しくもあり、悲しくもあった。だがそこには慈しむような柔らかさも感じた。
主人を裏切り、リナリアを選んだ負い目からなのか。
「どこが」
「頑固で、一度言いだしたら聞かない。未知のものに対し無邪気で奔放なところがな」
それは……確かに。
リナリアは頑固というか、意地っ張りだ。
「しかし他者を導く光であり、導。だから私はリナリア様が表に立ち、人を率いる存在になることを止めはしなかった」
「彼女は確かにこの世界では光となった。だが、神は人からすれば光と呼べる存在なのか。今の話じゃ人をいいように利用しようとしている傲慢な神としか思えない」
「ルゥレリア様もリナリア様も光には違いない。ただ大切にしているもの、心に置いてあるものが違うだけなのだ」
はっとした。
変わらず時が止まったかのような路地にいるというのに、何故か色彩が鮮やかに見えた気がした。
風が毛先を揺らした。
動きだしたと感じたのはそう、その言葉に胸が揺らいだからだ。
リナリアを救うと茨の道を歩む決断をしたのは、彼女が好きだから。
好きだから、守りたい。
大切だから、そばにいたい、そばにいてほしい。
全ては俺の中で当たり前になっているが、それは俺の中には常に彼女がいるから。
そう、彼女こそが俺の指標。
だから、リナリア。
『再び生きる道を選ばせた希望は、認められぬが貴様なのだ』
その言葉の重みを今、やっと実感し始めた。
「心にあるもの、か」
「そうだ。だが今だに理解できぬ。もしルゥレリア様がこの場におられれば、貴様なんぞとうの昔に葬られていた。憎い相手であるはずなのに、何故こうなってしまったのか……」
心地よく揺らいでいた胸が、切先を向けられたように張り詰める。
それは神への畏怖でも、死への恐怖ではない。
母が彼女の中から消えた時の未来の一つに、その結末を迎えてしまうのではないかという恐れであった。
それは人類の誕生と共に存在し、誰しもが授かる力というのが世界の認識。
火、水、木、土、風。
より豊かな暮らしをと与えられた加護を駆使し、人類は文明を発展させてきた。
大海原での航海では帆に風を与え進み、未開の大陸を切り開き人類は各大陸へと渡って行った。
人が住めぬような枯渇した大地には水を与え、緑を茂らせる。蘇った土地を整地し家屋を建て、得た獲物を火を使い調理して暮らす。
生きていけば傷を負うこともあるが、それを治癒することもできる。が、病は治せない。
その治療薬も加護の力を使い開発もなされてきた。
先祖がそうして築き上げたものの延長線に、今の俺たちの生活が成り立っている。
加護の力とはまさに人類の生命線であるが、時に人を傷つけ殺める武器ともなる。
相反する性質を持たせてしまったのは人の罪だろうか?
ならば、何故精霊は加護の力を人に与えたのか?
そもそも人はどこからきて、何故生まれたのか?
考えたところで答えの出ない問い。
それこそ世界を創生した神にしか分からないであろう。
だがミツカゲは言う、この世界に加護の力を持つ人類が存在する理由、それは魔王に対抗するための兵を作り上げるためだと。
「もう少し詳しく話してくれないか」
結論だけ言われても納得できないし、情報不足で推測もできない。それにこの先の話を聞けば、リナリアの思惑と結びつくはずだ。
ミツカゲは重いため息を吐く。
路地に広がる深い闇の中、淀の底のような空気が僅かに震える。
「貴様らは精霊と呼んでいるが我々はマナと呼び、ルゥレリア様が作り出したものだ。生命の源である力を与えたマナを魂としているこの世界は、他の世界の人間が扱えぬ力を扱うことができるのだ」
「精霊が加護を与えているとされているが、本当のところは神が与えたものだったのか」
「そういうことだ」
随分と簡潔に説明されたが、これが加護の力の正体なのか。
マナと呼ぶ加護の力を与えた魂を宿した人間は、力を扱うことができる。
この世界では常識であるが、他の世界では異質。
真実とは非現実的で己の常識を覆すことばかりだ。
もう、この世界の概念は180度変わってしまった。
精霊はこの世界では神、もしくは神の使徒とし崇拝、信仰だってされているというのに……本質は人であっただなんて、なんとも滑稽な話だ。
「それで、神はこの世界の人間に加護を与え何を企んでいる」
「企むなどと不躾な、これだから悪魔は。貴様にはあの方のお考えなど、理解できないであろう」
「そうだな、俺には神の考えなんて分からない」
「いいか、ルゥレリア様は加護の力を宿したマナを魂とし、人として現世に誕生させ一生を終えるという仕組みを作られた。それは、その過程で起こる人格の形成と能力の向上、現世での経験が有益になると考えたからだ」
捲し立てるような説明を頭の中で咀嚼してみるが、やはり俺には神の考えは分からない。
世界を創生した神ならば、自らの手で兵士を作り上げることができるのでは?
まわりくどく、効率が悪いように感じる。
「世界を創生するほどの神ならば、兵士を自らの手で作ることができるんじゃないのか?」
「無論。現に私はルゥレリア様から直接生をいただいた」
「それではいけないのか? 兵を作るのに、わざわざ人の一生をかけるなんて時間がかかりすぎている。それに、お前はこの世界の人間より強いだろ。そんなお前を作れるのだからこのやり方は、やはり理にかなったものとは思えない」
「人の一生など、我々にとっては花が咲き散る間のような僅かなものだ。試験的なものであったが私が知る限り、ルゥレリア様のお考え通りうまくことは運んでいた。いくつもの戦場を経験した者、秀でた知をもつ者はよく働いてくれた。何より人格が形成されている者は扱いやすい。定まった人格が変わることは、そうないからな。思うように作られたとしてもルゥレリア様とて、生を与えた者がどのようになるかまでは分からぬ。染まりやすさはあるだろうが、無垢な者ほど虚なのだ」
俺にはやはりピンとこないが、神にとっては理にかなっているようだ。
だが、なんにしろ気に入らない。
「つまりは俺たちは、知らずにその神々の戦争に向け選抜試験なようなものを受けさせられているということか」
ミツカゲの顔が曇る。
今の言動が気に入らなかったのか。
確かに嫌味を含ませたが仕方ない。ほとんどの人が天は平穏な場所だと考えている。
真っ当に生きていれば現世での苦痛も憂いも忘れ、穏やかに暮らせるであろうと信じているのに戦争にいかされることになるなんて。
人が一生をかけて生きてきた思いなど、神には関係ない。
冷淡で、無慈悲。
現実的という利己的さ。
人の心情など、顧みることもない。
聞けば聞くほど、リナリアとは正反対な人物像だ。
「リナリアの半身とは思えない」
ぽろっと出た本音を、叩きつけるような舌打ちをミツカゲはする。
「天界の長なのだ。貴様とは違い多くものを背負われている。人の犠牲など、取るに足らぬ。そうでなければ、ならないのだ」
多数を取るには、少数を犠牲にしなければならない。
そこに苦汁からの痛心は、神にあるのだろうか?
いや、俺はリナリアを助けたい為に世界を危機に晒したんだ。これ以上とやかく言う資格はない。
お手上げだと黙り込むと、ミツカゲも同じように口を閉ざし顔を上げる。
路地の隙間から見える空は、ただ闇が広がっているだけだ。
冷徹な青い瞳は、憂いの色を見せなにを思っているのか……。
「貴様は似ていないというが、あの方とリナリア様は似ておられるところもある」
空の上へと語りかけるような遠くへと投げられた言葉であったが、切り取ったようによく聞こえた。
口から漏れでた声色からは、感情が読み取れない。
寂しくもあり、悲しくもあった。だがそこには慈しむような柔らかさも感じた。
主人を裏切り、リナリアを選んだ負い目からなのか。
「どこが」
「頑固で、一度言いだしたら聞かない。未知のものに対し無邪気で奔放なところがな」
それは……確かに。
リナリアは頑固というか、意地っ張りだ。
「しかし他者を導く光であり、導。だから私はリナリア様が表に立ち、人を率いる存在になることを止めはしなかった」
「彼女は確かにこの世界では光となった。だが、神は人からすれば光と呼べる存在なのか。今の話じゃ人をいいように利用しようとしている傲慢な神としか思えない」
「ルゥレリア様もリナリア様も光には違いない。ただ大切にしているもの、心に置いてあるものが違うだけなのだ」
はっとした。
変わらず時が止まったかのような路地にいるというのに、何故か色彩が鮮やかに見えた気がした。
風が毛先を揺らした。
動きだしたと感じたのはそう、その言葉に胸が揺らいだからだ。
リナリアを救うと茨の道を歩む決断をしたのは、彼女が好きだから。
好きだから、守りたい。
大切だから、そばにいたい、そばにいてほしい。
全ては俺の中で当たり前になっているが、それは俺の中には常に彼女がいるから。
そう、彼女こそが俺の指標。
だから、リナリア。
『再び生きる道を選ばせた希望は、認められぬが貴様なのだ』
その言葉の重みを今、やっと実感し始めた。
「心にあるもの、か」
「そうだ。だが今だに理解できぬ。もしルゥレリア様がこの場におられれば、貴様なんぞとうの昔に葬られていた。憎い相手であるはずなのに、何故こうなってしまったのか……」
心地よく揺らいでいた胸が、切先を向けられたように張り詰める。
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