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新人対抗戦編
オルデンブルク帝国vsアウグスト連邦
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「皆様、先ほどは少々問題が発生しました。ですが既に問題は解決しており、協議の結果、対抗戦はこのまま続行することとなりました」
別に中止なら中止でもよかったんだが、せっかくみんなもやる気になってるしな。まぁ良かったんだろう。会場も続行するという言葉に安堵するかのように沸いている。
「それでは第二回戦、オルデンブルク帝国対アウグスト連邦をはじめる」
ついに帝国か。一体どんな手を仕込んでいるのやら。……ってあれ? 何だろう。帝国の奴ら……随分懐かしい顔だちをしてるな……帝国ってそんな感じだったっけ? 前に母さんを助けにいったときはそこまで見てる余裕なかったんだよな。
ただ、多分だけど違う気がする。このタイミングで帝国が選んだ奴らだ。まさか……?
「二階堂ー!やっちまえー!」
はい確定。前世の俺と同郷だろこいつら。二階堂ってこの世界でそんな和風の名前聞いたことないわ。しかも黒髪黒目。
もしかして勇者召喚とかいうやつか? 転生者と召喚された転移者が同時にいるとかアリなのか。いや、まぁこれが現実なわけだからアリなんだろうけど。
ってそうじゃない! あいつらどう見ても高校生くらいじゃないか? いくらなんでも十歳には見えないだろ……もしかして、入学した新入生なら年は関係ない……?
そうとしか思えない。とんだ抜け道だな……
それより問題は勇者召喚の推測が合っていた場合だ。その場合、あいつらがかなりのチート野郎の可能性が高い。
「それでは先鋒、前へ」
腰まである艶のある黒髪のこの女が二階堂か。胸部の戦闘力は……Cといったところか。さて、見せてもらおうか。
『鑑定』
二階堂 麻里
職業=魔導師
魔力=225900
魔導師は俺以外では初めて見る。そして肝心の魔力 は22万強か……魔力が単純に戦闘力に繋がるわけじゃないが、今の白雷隊で二階堂より高い魔力は俺だけだ。
全員がこのレベルだとすると……なかなか厳しい戦いになるかもしれないな。
「それでは先鋒戦----はじめ!」
アウグスト連邦の先鋒は、さっきの俺たちの試合を参考にしたのか、身体強化を使うようだな。
『身体強化』
二階堂はそれに対して何も示さない。そして相手が動き出したのを見てようやく動いた。
『深淵の鴉』
深淵なんて不吉な単語を魔法名にしやがって。深淵のこと知ってんのか?
二階堂の前方の空間が揺らぎ、ひび割れていく。その隙間から漆黒の嘴がいくつも突き出ている。嘴からは涎が滴り落ちており、空腹なのだろうということを嫌でも感じてしまう。
そして徐々にひび割れが広がっていき、何体もの鴉が溢れ出てきた。深紅の血のような瞳をした鴉へ命令を下す。
「行きなさい」
「ひぃ……!」
相手は既に戦意喪失しているようだ。無理もない。あの魔法は恐怖を体現しているかのようだ。恐らく闇の精霊なのだろうが、あの禍々しい姿に魔力を正面から浴びて正気を保つのは、難しいだろう。それがいかに才能のある子供だったもしても、だ。
これが勇者の仲間? 魔王の腹心とでも言われたほうが納得するぞ。
「降参してもいいわよ」
飛び立たせた漆黒の鴉を直前で止めて、相手に降参を勧めているようだ。多分、もうダメだろうな。
「……する」
「何? 聞こえないわ」
「こ、降参! 降参する!」
あの世界の人間ということを考えると……治るとはいえ人を傷つけるのに抵抗があるというところか?
あり得なくはない。あの国で生まれて育ったなら、そういうことに忌避感を持っていて当然だ。
「そこまで! 先鋒戦勝者----二階堂 麻里!」
なるほど。確かにこれはなかなかのチートだな。いつ呼び出されたのか知らないが、俺が行った後だとすると大して時間もなかったはず。
短期間でここまで強くなるのだとしたら、将来的な驚異としてはかなりのものだろう。
何より王国と敵対している帝国だというのがまずい。まさか日本人と殺し合うことになるかもしれないなんて想像もしていなかったぞ……
「ルウ君……あの人強い……」
「あぁ。相当やるな。だけど大丈夫だ。みんなあんなに頑張ったんだ。勝てるさ。」
嘘ではない。相手がつい最近まで戦うことと無縁だったこと、大きな力の差がないこと。これらから今なら俺以外の隊員でも勝てるとは思っている。
ただ、これからみんなにはもっと強くなっていってもらわないといけないな。
「それでは次鋒、前へ」
「三枝、頑張れよ!」
さて、次は……
『鑑定』
三枝 美鈴
職業=大神官
魔力=214400
二階堂よりは低いがそれでも21万越え、やはり召喚されたやつらは全員強い、か。
「次鋒戦----はじめ!」
『聖者の外套』
属性付きの身体強化まで使えるのか。これはホントに厳しいな……っていうかあの大神官の子は攻撃手段なんなんだ? え? そのまま敵に突進していくの?
「えいっ!」
結構な速度で駆けだした三枝から、相手は逃げようとしたが、全く間に合っていなかった。身体強化も無しじゃ当然だ。
そして無造作に振り下ろされた三枝の杖に殴打されて、そのまま場外へと退場した。
えー……肉弾戦タイプかよ。なんか他にもあっただろ……なんで杖で殴るんだよ。そりゃそれだけでも強いだろうけどさ、なんかこう……あるだろ。
まぁ俺が言っても仕方ない。分かりやすいし、対応しやすいと考えれば悪くはないか。
それにしても珍しいと言われる聖魔法の使い手が、アリスに続いて二人目か。俺は別にしてもやっぱり勇者一行ってことか。
「次鋒戦勝者----三枝 美鈴!」
これは一回戦と同じで六連勝だろう。あのレベルの相手に俺たち以外が対抗できるとは思えない。
「あいつらつえーな」
「そう? ボクは負けないよ!」
「俺だって負けねーよ!」
うちの元気が取り柄の二人は萎えていないようだ。変わらずいつも通り。きっとこの対抗戦でも勝ってくれることだろう。
帝国の手はなかなかだったが、俺たちを甘く見たな。優勝は譲らないぞ。
別に中止なら中止でもよかったんだが、せっかくみんなもやる気になってるしな。まぁ良かったんだろう。会場も続行するという言葉に安堵するかのように沸いている。
「それでは第二回戦、オルデンブルク帝国対アウグスト連邦をはじめる」
ついに帝国か。一体どんな手を仕込んでいるのやら。……ってあれ? 何だろう。帝国の奴ら……随分懐かしい顔だちをしてるな……帝国ってそんな感じだったっけ? 前に母さんを助けにいったときはそこまで見てる余裕なかったんだよな。
ただ、多分だけど違う気がする。このタイミングで帝国が選んだ奴らだ。まさか……?
「二階堂ー!やっちまえー!」
はい確定。前世の俺と同郷だろこいつら。二階堂ってこの世界でそんな和風の名前聞いたことないわ。しかも黒髪黒目。
もしかして勇者召喚とかいうやつか? 転生者と召喚された転移者が同時にいるとかアリなのか。いや、まぁこれが現実なわけだからアリなんだろうけど。
ってそうじゃない! あいつらどう見ても高校生くらいじゃないか? いくらなんでも十歳には見えないだろ……もしかして、入学した新入生なら年は関係ない……?
そうとしか思えない。とんだ抜け道だな……
それより問題は勇者召喚の推測が合っていた場合だ。その場合、あいつらがかなりのチート野郎の可能性が高い。
「それでは先鋒、前へ」
腰まである艶のある黒髪のこの女が二階堂か。胸部の戦闘力は……Cといったところか。さて、見せてもらおうか。
『鑑定』
二階堂 麻里
職業=魔導師
魔力=225900
魔導師は俺以外では初めて見る。そして肝心の魔力 は22万強か……魔力が単純に戦闘力に繋がるわけじゃないが、今の白雷隊で二階堂より高い魔力は俺だけだ。
全員がこのレベルだとすると……なかなか厳しい戦いになるかもしれないな。
「それでは先鋒戦----はじめ!」
アウグスト連邦の先鋒は、さっきの俺たちの試合を参考にしたのか、身体強化を使うようだな。
『身体強化』
二階堂はそれに対して何も示さない。そして相手が動き出したのを見てようやく動いた。
『深淵の鴉』
深淵なんて不吉な単語を魔法名にしやがって。深淵のこと知ってんのか?
二階堂の前方の空間が揺らぎ、ひび割れていく。その隙間から漆黒の嘴がいくつも突き出ている。嘴からは涎が滴り落ちており、空腹なのだろうということを嫌でも感じてしまう。
そして徐々にひび割れが広がっていき、何体もの鴉が溢れ出てきた。深紅の血のような瞳をした鴉へ命令を下す。
「行きなさい」
「ひぃ……!」
相手は既に戦意喪失しているようだ。無理もない。あの魔法は恐怖を体現しているかのようだ。恐らく闇の精霊なのだろうが、あの禍々しい姿に魔力を正面から浴びて正気を保つのは、難しいだろう。それがいかに才能のある子供だったもしても、だ。
これが勇者の仲間? 魔王の腹心とでも言われたほうが納得するぞ。
「降参してもいいわよ」
飛び立たせた漆黒の鴉を直前で止めて、相手に降参を勧めているようだ。多分、もうダメだろうな。
「……する」
「何? 聞こえないわ」
「こ、降参! 降参する!」
あの世界の人間ということを考えると……治るとはいえ人を傷つけるのに抵抗があるというところか?
あり得なくはない。あの国で生まれて育ったなら、そういうことに忌避感を持っていて当然だ。
「そこまで! 先鋒戦勝者----二階堂 麻里!」
なるほど。確かにこれはなかなかのチートだな。いつ呼び出されたのか知らないが、俺が行った後だとすると大して時間もなかったはず。
短期間でここまで強くなるのだとしたら、将来的な驚異としてはかなりのものだろう。
何より王国と敵対している帝国だというのがまずい。まさか日本人と殺し合うことになるかもしれないなんて想像もしていなかったぞ……
「ルウ君……あの人強い……」
「あぁ。相当やるな。だけど大丈夫だ。みんなあんなに頑張ったんだ。勝てるさ。」
嘘ではない。相手がつい最近まで戦うことと無縁だったこと、大きな力の差がないこと。これらから今なら俺以外の隊員でも勝てるとは思っている。
ただ、これからみんなにはもっと強くなっていってもらわないといけないな。
「それでは次鋒、前へ」
「三枝、頑張れよ!」
さて、次は……
『鑑定』
三枝 美鈴
職業=大神官
魔力=214400
二階堂よりは低いがそれでも21万越え、やはり召喚されたやつらは全員強い、か。
「次鋒戦----はじめ!」
『聖者の外套』
属性付きの身体強化まで使えるのか。これはホントに厳しいな……っていうかあの大神官の子は攻撃手段なんなんだ? え? そのまま敵に突進していくの?
「えいっ!」
結構な速度で駆けだした三枝から、相手は逃げようとしたが、全く間に合っていなかった。身体強化も無しじゃ当然だ。
そして無造作に振り下ろされた三枝の杖に殴打されて、そのまま場外へと退場した。
えー……肉弾戦タイプかよ。なんか他にもあっただろ……なんで杖で殴るんだよ。そりゃそれだけでも強いだろうけどさ、なんかこう……あるだろ。
まぁ俺が言っても仕方ない。分かりやすいし、対応しやすいと考えれば悪くはないか。
それにしても珍しいと言われる聖魔法の使い手が、アリスに続いて二人目か。俺は別にしてもやっぱり勇者一行ってことか。
「次鋒戦勝者----三枝 美鈴!」
これは一回戦と同じで六連勝だろう。あのレベルの相手に俺たち以外が対抗できるとは思えない。
「あいつらつえーな」
「そう? ボクは負けないよ!」
「俺だって負けねーよ!」
うちの元気が取り柄の二人は萎えていないようだ。変わらずいつも通り。きっとこの対抗戦でも勝ってくれることだろう。
帝国の手はなかなかだったが、俺たちを甘く見たな。優勝は譲らないぞ。
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