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虎の国、小国群編
魔馬車内での過ごし方(ユーイ)
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ふわぁー!魔馬車の中が快適でも、小国を通る度に入国審査と王族である私達が通過する事を通達されているからか、その所謂他国の王族に対してのゴマすりの為のご挨拶があるのです。
ショウ様も、ショウ様の番である私も、王族らしくご挨拶を受けなければならないので、気が抜けません。
同じ王族でも先王ご夫妻は、私達を隠れ蓑にしてですね、魔馬車の中でのんびりとお茶を飲みながら、優雅に待っているだけなんですよ。ズルいとは思いますが、私とショウ様の外交と言う王族としての経験値を上げる為なので、ひたすら我慢しているんです。
ただの街道や町中と違い、最初は山間部の景色が物珍しかったので、はしゃいでいました。それでも、延々と同じような景色も3日も過ごすと見慣れたもので、ええ、もう飽きました。どこまで行っても山道なんですから。正確には山道だけしか通過していないんですよ。
魔馬車の性能がいいのか、それともそういう風に魔法で魔馬車が制御されているのかは分かりませんが、山道でも座っていられないほどの揺れや不快感はありませんでした。
こんなの魔法でパパッと解決すればいいのに!と言った私へ、どうして山道を進むのかの説明がされました。
山あり谷ありの道を通って小国を幾つも通過して虎の国へ行く正規ルートで入国しないと、虎の国の方で不法侵入者としてみなされ、魔法でも物理でも不法侵入者はただただ攻撃されるのみで、殲滅するまで、攻撃され放題なんだそうです。こわー!
だから、虎の国へ入国するまでは、幾つかある正規ルートを通って入国するのが正解なのだとか。
正規ルートとされている小国群を通過した証明がされなければ、どんなに虎の国と友好国であっても、虎の国には最終的には入国出来ない決まりにもなっているそうです。
過去に一体何があって、そんな決まり事が出来たんでしょうね?それを知っておくのは、これからも白花と友好でいるためにも有効な事かもしれません。白花にその辺りの事情や歴史を聞いてみよーっと。
正規ルートである、その道程を省略出来ない都合があるので、今回ばかりはクーちゃんの転移が使えません。
クーちゃんは飼い猫扱いで存在しているだけで済むので、気が抜けていいわぁ~。素敵にゃ。と、のんびりしています。
私は入国審査とご挨拶で気が抜けないのですけれど。今は、お仕事がないクーちゃんが羨ましいです。
それでも、つい最近のストレス解消に、と、ここぞとばかりに料理を作ったり、お菓子を作ったりしてブレスレットの中の在庫を増やしていますけれど、何か?という態度で、魔馬車内の台所で自由にさせてもらっています。
魔馬車内の台所には、リヨウさんやロートが護衛の様子見と言う名のつまみ食いが発生しています。
つまみ食いを何度か見つけたショウ様が、何度もリヨウさんにズルいぞ!と怒っているのですが、リヨウさんは、ショウも味見をすればいいだろう?と言うだけで、何にも気に留めていないようです。大物ですね。
私には仲良しの友人同士が、暇つぶしにジャレているだけに見えました。
友人同士で気楽に出来るショウ様達が羨ましいと思っています。私も虎の国で、白花と女子会がしたいです。
それにしても、あと何日間、魔馬車で過ごせば虎の国へ着くのでしょうか?と思っていたら、ショウ様から話しかけられました。
「ユーイ、そろそろ暇を持て余しているんだろう?
それに、似たような山の中の景色が続くし、景色にも飽きたんだろう?
あとどれぐらい魔馬車内で過ごせばいいのかとも考えていたんだろう?
ふふふっ。だから、話しかけたんだ。」
ショウ様に言われて、退屈なんだよー!と私の表情にアリアリと出ていたのでしょうか。焦りました…。
王族たる者、表情から何を考えているのかを貴族にも他の王族にも悟らせてはいけません。と、王太后様に常日頃からシツコク言われている上、実践するようにと教えられているからです。
表情に出してしまった現場を王太后様に見つかったら、正座したまま、長時間のお説教を聞かねばなりませんから!
それを頭の中に思い浮かべたので、壊れたロボットのように、ギギギと凍り付いたように私がぎこちなく動くと、ショウ様がブハッと噴き出しました。
笑い始めたら、そのまま思いっきり、笑い転げています。ひどい…。
私は不貞腐れて、ぷうっと頬を膨らませ、不機嫌なんだぞ!と表明しました!
ショウ様は、ひとしきり笑い終えてから、私の方を見て、ニカニカと面白いモノを見るかのように、微笑みました。
「あー、笑った笑った。ユーイが王太后様に日頃から言われている事を思い出してしまったんだ。
王族なら貴族よりも表情を読ませるなって言われていたなぁって。なのに、表情に思った事が出まくっていたからさ、何だか笑いが込み上げてきて、笑いが止まらなくなったんだ。
ごめんごめん、ワザとじゃないんだ。けどさ、外交の時とは違うユーイが見れたのが久々でね、嬉しかったのもあるから、機嫌を直して欲しいな。」
私はお笑いのタネか!今夜から不貞寝してやる!夜伽は何日間かは拒否するつもりだからね!ふんっ!
ふくれっ面のままで無言でいる私を見て、ショウ様も少しは焦ればいいんだわ!
「…ユーイ、怒っちゃった?悪かったよ。虎の国に入国するまでには後1週間もあるんだ。ごめん。」
知らない!ショウ様なんて、知らないから。と態度で示すために、無言でパンの生地作りを始めて、生地をバンバンと叩きつけて、ストレス解消に励みました。
ショウ様は何も言わない私を見て、すごすごと他の部屋へ移動していきました。
少しは反省すればいいんだわ!いきなり笑うなんて酷いんだから!
その日は、うどんの麺のストックも沢山出来ましたとも。ええ。パンも沢山出来ました。
そして、その日だけはつまみ食いの2人が来ませんでした。
パンの焼けるいい匂いも、煮込んだうどんのいい匂いもしていたんですけどねぇ。珍しい事もあるもんです。
ショウ様も、ショウ様の番である私も、王族らしくご挨拶を受けなければならないので、気が抜けません。
同じ王族でも先王ご夫妻は、私達を隠れ蓑にしてですね、魔馬車の中でのんびりとお茶を飲みながら、優雅に待っているだけなんですよ。ズルいとは思いますが、私とショウ様の外交と言う王族としての経験値を上げる為なので、ひたすら我慢しているんです。
ただの街道や町中と違い、最初は山間部の景色が物珍しかったので、はしゃいでいました。それでも、延々と同じような景色も3日も過ごすと見慣れたもので、ええ、もう飽きました。どこまで行っても山道なんですから。正確には山道だけしか通過していないんですよ。
魔馬車の性能がいいのか、それともそういう風に魔法で魔馬車が制御されているのかは分かりませんが、山道でも座っていられないほどの揺れや不快感はありませんでした。
こんなの魔法でパパッと解決すればいいのに!と言った私へ、どうして山道を進むのかの説明がされました。
山あり谷ありの道を通って小国を幾つも通過して虎の国へ行く正規ルートで入国しないと、虎の国の方で不法侵入者としてみなされ、魔法でも物理でも不法侵入者はただただ攻撃されるのみで、殲滅するまで、攻撃され放題なんだそうです。こわー!
だから、虎の国へ入国するまでは、幾つかある正規ルートを通って入国するのが正解なのだとか。
正規ルートとされている小国群を通過した証明がされなければ、どんなに虎の国と友好国であっても、虎の国には最終的には入国出来ない決まりにもなっているそうです。
過去に一体何があって、そんな決まり事が出来たんでしょうね?それを知っておくのは、これからも白花と友好でいるためにも有効な事かもしれません。白花にその辺りの事情や歴史を聞いてみよーっと。
正規ルートである、その道程を省略出来ない都合があるので、今回ばかりはクーちゃんの転移が使えません。
クーちゃんは飼い猫扱いで存在しているだけで済むので、気が抜けていいわぁ~。素敵にゃ。と、のんびりしています。
私は入国審査とご挨拶で気が抜けないのですけれど。今は、お仕事がないクーちゃんが羨ましいです。
それでも、つい最近のストレス解消に、と、ここぞとばかりに料理を作ったり、お菓子を作ったりしてブレスレットの中の在庫を増やしていますけれど、何か?という態度で、魔馬車内の台所で自由にさせてもらっています。
魔馬車内の台所には、リヨウさんやロートが護衛の様子見と言う名のつまみ食いが発生しています。
つまみ食いを何度か見つけたショウ様が、何度もリヨウさんにズルいぞ!と怒っているのですが、リヨウさんは、ショウも味見をすればいいだろう?と言うだけで、何にも気に留めていないようです。大物ですね。
私には仲良しの友人同士が、暇つぶしにジャレているだけに見えました。
友人同士で気楽に出来るショウ様達が羨ましいと思っています。私も虎の国で、白花と女子会がしたいです。
それにしても、あと何日間、魔馬車で過ごせば虎の国へ着くのでしょうか?と思っていたら、ショウ様から話しかけられました。
「ユーイ、そろそろ暇を持て余しているんだろう?
それに、似たような山の中の景色が続くし、景色にも飽きたんだろう?
あとどれぐらい魔馬車内で過ごせばいいのかとも考えていたんだろう?
ふふふっ。だから、話しかけたんだ。」
ショウ様に言われて、退屈なんだよー!と私の表情にアリアリと出ていたのでしょうか。焦りました…。
王族たる者、表情から何を考えているのかを貴族にも他の王族にも悟らせてはいけません。と、王太后様に常日頃からシツコク言われている上、実践するようにと教えられているからです。
表情に出してしまった現場を王太后様に見つかったら、正座したまま、長時間のお説教を聞かねばなりませんから!
それを頭の中に思い浮かべたので、壊れたロボットのように、ギギギと凍り付いたように私がぎこちなく動くと、ショウ様がブハッと噴き出しました。
笑い始めたら、そのまま思いっきり、笑い転げています。ひどい…。
私は不貞腐れて、ぷうっと頬を膨らませ、不機嫌なんだぞ!と表明しました!
ショウ様は、ひとしきり笑い終えてから、私の方を見て、ニカニカと面白いモノを見るかのように、微笑みました。
「あー、笑った笑った。ユーイが王太后様に日頃から言われている事を思い出してしまったんだ。
王族なら貴族よりも表情を読ませるなって言われていたなぁって。なのに、表情に思った事が出まくっていたからさ、何だか笑いが込み上げてきて、笑いが止まらなくなったんだ。
ごめんごめん、ワザとじゃないんだ。けどさ、外交の時とは違うユーイが見れたのが久々でね、嬉しかったのもあるから、機嫌を直して欲しいな。」
私はお笑いのタネか!今夜から不貞寝してやる!夜伽は何日間かは拒否するつもりだからね!ふんっ!
ふくれっ面のままで無言でいる私を見て、ショウ様も少しは焦ればいいんだわ!
「…ユーイ、怒っちゃった?悪かったよ。虎の国に入国するまでには後1週間もあるんだ。ごめん。」
知らない!ショウ様なんて、知らないから。と態度で示すために、無言でパンの生地作りを始めて、生地をバンバンと叩きつけて、ストレス解消に励みました。
ショウ様は何も言わない私を見て、すごすごと他の部屋へ移動していきました。
少しは反省すればいいんだわ!いきなり笑うなんて酷いんだから!
その日は、うどんの麺のストックも沢山出来ましたとも。ええ。パンも沢山出来ました。
そして、その日だけはつまみ食いの2人が来ませんでした。
パンの焼けるいい匂いも、煮込んだうどんのいい匂いもしていたんですけどねぇ。珍しい事もあるもんです。
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