転生悪役令嬢は双子執事を護りたい～フィギュア原型師は推しの為なら異世界生活も苦じゃありません！～

酷い現実

　しかも、私を打ちのめしたのはそれだけではない。

　何と、「サービス終了」のお知らせに追記があったのだ。

　それは、

「サービス終了後はマイページにログインが出来なくなる」

　というものだった。

　つまり、私は……サービスが終了してしまったら、もう2度とリューノとライノに逢えなくなってしまうのだ。

　いや、それだけではない……。

（ログインが出来なくなって皆が2人のことを忘れたら……2人は、今度こそいなくなってしまう……この世から消えてしまう……）

　そんなのは絶対に嫌だーー！

（せめて、私だけでも2人を忘れない……！2人のことをずっと思い続けるんだ！）

　私はそう決意をすると同時に、皆にも2人がいたことを忘れられないためにはどうしたら良いか考えた。

　そして、ふと閃いたのだ。

（そうだ……。皆の記憶から消えない様に、形に残せば良いんだ……）

　形に残すことなら、私は何より得意だ。

（例えば、2人のフィギュアを作って夏コミで売ったり……メーカーに売り込んでみるのはどうかな）

　幸運にも、私はそこそこ名前の知れた原型師だ。

　私の提案ならば、メーカーも聞く時間を作ってくれるかも知れない。

（リューノとライノを消したくない。皆に覚えていて欲しい。でも、この気持ちは私のわがままだ……。でも、それでも私は……彼らが消えない様に、何とかしたい……）

　例え、それが彼らを消すことを決めた公式に抗うことだとしてもーー。