転生悪役令嬢は双子執事を護りたい～フィギュア原型師は推しの為なら異世界生活も苦じゃありません！～

魔法の練習②

我ながら、まさに天使だ。

これで、風の魔法を使って上手く浮かび上がり、尚且つ2人の頭の中に音の魔法で声を伝えることができたら、それはもう「天使のみわざ」に他ならないだろう。

（これなら、きっとお父様とお母様も信じてくれるに違いないわ）

私は満足げに何度かそう頷くと、一旦羽を引っ込める。

そうして、光る花冠は元のただの花輪に戻すと、庭の中にそっと隠した。

私はそのまま風に乗ると、両親がまだ眠っていることを確認してからゆりかごに戻る。

頭の中ーー心や魂は成人女性でも、肉体は赤ちゃんだからだろうか。

魔法を複数酷使した為、ゆりかごに入った途端、猛烈な眠気が私の全身を襲ってきた。

瞼すら開けていられない疲労感とは、まさにこのことだろう。

私は母がゆりかごの中に入れてくれていたお気に入りのぬいぐるみにぎゅっとしがみつくと、そのまま瞳を閉じた。

そうして、まどろみながら、作戦を決行した時のことを予想する。

ちなみに、私は直ぐにでも2人を助けたかった為ーーある程度の魔法が使えるとわかった今、作戦を明日にでも結構するつもりだった。

（待っててね、2人とも……。きっと、私が直ぐにでもあなた達を助けに行くから……！）

そうーー今度は私が2人を助ける番なのだ。

（2人に現実世界で助けられた分も、私が絶対に助ける！）

私はそう心に誓いながらも、眠りに落ちた。