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第一部
第4話 ざまぁ王子登場!☆
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『婚約破棄させてもらうぞっ!』
『王太子殿下ぁ。それはっ……』
『公爵令嬢びぃくとりあ!お前の今までの非道ぶり。愛想がつきたわ。この男爵令嬢こそが我が妃に相応しい!
最低でも国外追放、そなたの罪状によっては極刑も覚悟しろ!』
『そんなぁ……婚約破棄されるなんて~!今日からあたくし、人生真っ暗闇ぃ~!!』
テーケテケテケ、テーケテケテケ、テンテンテケテケテン♪
『こんな、もしもの時に備えて。ノーザン商会に行きましょう♪
ノーザン♪ノーザン♪ざまぁ保険は、ノぉおーザン』
私は呆然と流れる動画を見つめた。
いや~!!何よこれ。
酷すぎるでしょ。
まず、なんといっても声が許せない。イケボから程遠い、女性のような軽い高いトーンの王子の早口な喋り!
次に大根役者によるクサい大袈裟な演技、妙に耳につく場面に合わないコミカルな音楽。
後半から予算がなくなったと分かる、粗い作りのアニメーション。
身体の部分は落書きのような、2頭身の王子と悪役令嬢が真っ白な画面で「ノーザン♪ノーザン♪ざまぁ保険はノーザン♪」と繰り返しカクカク踊って、この酷い動画は終了したのだった。
動画の王子役の顔は金髪イケメン、ヴィンセント様の顔がハッキリ合成と分かるクオリティで嵌め込めれていた。
首から下、繋ぎ目見えるし。ありえない方向に手足、曲がってるし……。
ねぇねぇ……。
これ、こんなもの公衆の面前で流しちゃっていいモノなの?この国、肖像権とか大丈夫?
絶対、本人の同意とってないよね……?
そもそも蛇姫も「違法合成」って言ってたし。
わかってて野放しかい?
「それにしても、ざまぁ保険って……誰が入るの?」
ちょっとキャッチーなフレーズで思わず口に出して呟いてしまった。
「あの動画、そんなに面白いですか?」
「まぁ、ヴィンセント様っ」
蛇姫が年相応な、でもネッチョリとした嬉しそうな声をあげる。
いつの間にか、私達のテーブルの近くに金髪の美青年が立っていた。
本物だぁ……本物の金の公子だぁぁ……。
キラキラのオーラを纏っているかのように、全てが眩しい。
さっきの合成ざまぁ王子とは比べ物にならない神々しさ。腰砕けになるほど色気のあるガンガン脳内に響き渡るイケボ……。
それにめっちゃいい匂いがするよぉぉぉ!
思わず、私は周りの空気をフガフガ吸ってしまった。
「どうしたの?マルサネ……」
「へ?」
いけないっ。
つい、私ったら。失礼なことをやらかしちゃった ……猿顔で鼻を全開にフガフガするなんて公害よねっ。
「いつもだったら、恥も外聞もなく『既成事実~!』とか意味不明なことを叫んで、ヴィンセント様を押し倒そうと飛びかかるところじゃなくて?」
蛇姫がビックリしたように言った。
ヴィンセント様は無表情だけど、こちらの動きを警戒して身構えているのがなんとなく判る。
「つまらないですわ。ヴィンセント様に手酷く、即座に返り討ちにあうのがいつもの貴女のお約束パターンでしょうに」
マルサネったら、いつもヴィンセント様に襲いかかってたの?
どんだけイタい娘なのよ、マルサネっ……。
そんなの野生の猿以下じゃんか。
私はガックリ項垂れた。
そりゃまぁ、猿姫って皆に言われるわけだよ。
思わずさっき鼻を鳴らした私もイタいけどさ。
マルサネの「猿姫」の名前の由来は、昨日ルーチェから聞いたのよ。
ハゲ狸お気に入りの玄関に飾ってある三匹の猿(見ざる聞かざる言わざる)が、なぜかゲンメのご当地マスコットにマルサネが生まれた頃に採用されたんだってさ。
それでちっちゃい頃から、販促用も兼ねてマルサネは常に全身猿柄の服を着せられていたそうよ。
一人娘にそんな格好させる、あのハゲ狸もどうかと思わない?
それで母親を亡くして我が儘いっぱい、癇癪をおこしてキーキー喚く様が、猿が歯を剥き出しにして威嚇する姿にそっくりだったから、ちっちゃい時から猿姫と呼ばれてるんだって。
ちょっと可哀想な話じゃないこと?
最近は性的欲求に対して、盛りのついた猿のようだというのもあるみたい。一応使用人の立場だから、そこまでルーチェは言わなかったけどね。
私、この話を聞いてから思ったの。
マルサネにはモン◯ッチ路線を歩まそうって。
だって、このビジュアルだとそのまま、ご当地ゆるキャラになった方がこの娘も楽に生きていけそうじゃない?ついでにグッズとかまた売ったら儲かるかもよ。
ハハハ……我ながらナイスアイディア……!
「自分がいつもヴィンセント様に襲いかかってる痴女だった」という衝撃に固まり、今後の人生設計について思い巡らせていた間に、蛇姫の方も金の公子にしなだれかかろうとしていた。
何よ、蛇姫だってこの娘と変わらないじゃんか。
「それにしても珍しいことですね。ヴィンセント様から私の方へお立ち寄りくださるなんて」
あっさり身体ごと素早くかわされ、たたらを踏む蛇姫。
「貴女には私が訪れる心当たりがあるのでは?カルドンヌ姫」
「何のことでしょう?」
「そうですか。では質問を変えます。私の相棒が何処にいるか教えてもらえませんか?」
ヴィンセント様のうっとりとするようなバリトンボイスが響く。視線は冷凍ビームのように冷たく蛇姫に向けられているんだけど、何事?!
「さぁ?なんのことやら。オホホホ……そんなに私をお睨みになっても、わからないものは教えて差し上げられませんわ。
そんなに御執心なら、御側からお離しにならなければよかったのではなくて?ウフフフ……」
鋭い視線に動じることなく、両手を組んで不敵な笑みを浮かべる蛇姫カルドンヌ。
なんか、絶対良からぬことを企んでるよ。この蛇女!
だってこの笑い方!絶対コイツが悪役だ。
と確信するけど、私にはさっぱり何が起こってるのかわからない。とりあえず、黙って二人を見つめるだけ。
「貴女はご存知ではない、と」
更に冷凍度の増した、ヴィンセント様の冷たい視線が蛇姫に突き刺さる。
「存じ上げませんわ。私たちも貴方の愛しい方の姿を今日はお見かけしないと先程、話していたところですのよ、ねぇマルサネ?」
同意を求めるように私に妖しく微笑むカルドンヌ。
こらぁ、こんなところでコッチを巻き込むな!蛇女!
「あっ、えっとぉ…。カルドンヌ姫以外、私は誰にもお会いしてません」
巻き添え事故にしどろもどろに答える私を、おやっと一瞥する金の公子。
その辺の山で見かける野生動物か珍獣を見るような、そんな感じ?
やっと今日の私の服装がいつものピンクコスチュームじゃないことに気がついたのかしら。
どちらにしろ、己の婚約者候補の公女に向ける眼差しではないわね……。
「それより明日は大事な四公会議ではないのですか?明日の主役がこのようなところで油を売っていても大丈夫ですの?」
私に視線が向いたのが面白くない蛇姫は、ヴィンセント様の視界にずいっと割り込む。
え?明日、何か会議があるの?
出かける前にはハゲ狸、そんな事一言も言ってなかったけど。それって確かガイドブックにあった注意事項の緊急会議のことよね?
「…なぜ、貴女がそれを?まだ大公から四公には、正式に通達をしていない筈ですが」
「ヴィンセント様、我が家の情報網を舐めないで頂きたいですわ。ところでカルゾ公はお元気ですの?」
蛇姫の言葉に金の公子の冷静な表情にさらに殺気のような凄みが増す。
怖い、怖すぎて凍死する……。
「……母をお気遣い頂き、ありがとうございます。貴女の掴んでみえる情報網の通りですよ。
では、かの者のことを知らない、と私におっしゃられたことをくれぐれも後悔なさらぬように」
クッと形の良い唇に酷薄な薄笑いを浮かべると、ヴィンセント様は現れた時と同じようにあっという間にどこかへ去っていった。
何?なに?
どーゆーこと?
蛇姫は何を知っているの?
愛しい方ってやっぱりいるの?それってヒロイン??
蛇姫に聞きたくても、お花摘みに、とか言ってトイレに行っちゃったわ。
あれだけワインをガブガブ飲めば、まぁ当然の結果よね。
しっかし、実物のヴィンセント様。
雑誌通り壮絶イケメンだったけど何かメチャメチャ怖かった~。蛇姫との間にブリザードが吹き荒れてたもん。
マルサネか蛇姫、どちらかと正式に婚約して次期大公妃に、って言われたらハゲ狸が騒いでも私、喜んで辞退して蛇姫に譲るわ。
だってヴィンセント様は男にしては綺麗すぎるもん。
良い男っていうのは見てるだけが一番幸せなんだって。
大体、ああいうイケメンでモテる男が突然豹変したり、中身がかなり危なかったりするものなのよ?
律っちゃん的にはね~、顔はソコソコの男の方が女は幸せになれると思うの。
はっ、すっかり律子になってたわ!
このPTAスーツを着てるせいね、きっと。
『王太子殿下ぁ。それはっ……』
『公爵令嬢びぃくとりあ!お前の今までの非道ぶり。愛想がつきたわ。この男爵令嬢こそが我が妃に相応しい!
最低でも国外追放、そなたの罪状によっては極刑も覚悟しろ!』
『そんなぁ……婚約破棄されるなんて~!今日からあたくし、人生真っ暗闇ぃ~!!』
テーケテケテケ、テーケテケテケ、テンテンテケテケテン♪
『こんな、もしもの時に備えて。ノーザン商会に行きましょう♪
ノーザン♪ノーザン♪ざまぁ保険は、ノぉおーザン』
私は呆然と流れる動画を見つめた。
いや~!!何よこれ。
酷すぎるでしょ。
まず、なんといっても声が許せない。イケボから程遠い、女性のような軽い高いトーンの王子の早口な喋り!
次に大根役者によるクサい大袈裟な演技、妙に耳につく場面に合わないコミカルな音楽。
後半から予算がなくなったと分かる、粗い作りのアニメーション。
身体の部分は落書きのような、2頭身の王子と悪役令嬢が真っ白な画面で「ノーザン♪ノーザン♪ざまぁ保険はノーザン♪」と繰り返しカクカク踊って、この酷い動画は終了したのだった。
動画の王子役の顔は金髪イケメン、ヴィンセント様の顔がハッキリ合成と分かるクオリティで嵌め込めれていた。
首から下、繋ぎ目見えるし。ありえない方向に手足、曲がってるし……。
ねぇねぇ……。
これ、こんなもの公衆の面前で流しちゃっていいモノなの?この国、肖像権とか大丈夫?
絶対、本人の同意とってないよね……?
そもそも蛇姫も「違法合成」って言ってたし。
わかってて野放しかい?
「それにしても、ざまぁ保険って……誰が入るの?」
ちょっとキャッチーなフレーズで思わず口に出して呟いてしまった。
「あの動画、そんなに面白いですか?」
「まぁ、ヴィンセント様っ」
蛇姫が年相応な、でもネッチョリとした嬉しそうな声をあげる。
いつの間にか、私達のテーブルの近くに金髪の美青年が立っていた。
本物だぁ……本物の金の公子だぁぁ……。
キラキラのオーラを纏っているかのように、全てが眩しい。
さっきの合成ざまぁ王子とは比べ物にならない神々しさ。腰砕けになるほど色気のあるガンガン脳内に響き渡るイケボ……。
それにめっちゃいい匂いがするよぉぉぉ!
思わず、私は周りの空気をフガフガ吸ってしまった。
「どうしたの?マルサネ……」
「へ?」
いけないっ。
つい、私ったら。失礼なことをやらかしちゃった ……猿顔で鼻を全開にフガフガするなんて公害よねっ。
「いつもだったら、恥も外聞もなく『既成事実~!』とか意味不明なことを叫んで、ヴィンセント様を押し倒そうと飛びかかるところじゃなくて?」
蛇姫がビックリしたように言った。
ヴィンセント様は無表情だけど、こちらの動きを警戒して身構えているのがなんとなく判る。
「つまらないですわ。ヴィンセント様に手酷く、即座に返り討ちにあうのがいつもの貴女のお約束パターンでしょうに」
マルサネったら、いつもヴィンセント様に襲いかかってたの?
どんだけイタい娘なのよ、マルサネっ……。
そんなの野生の猿以下じゃんか。
私はガックリ項垂れた。
そりゃまぁ、猿姫って皆に言われるわけだよ。
思わずさっき鼻を鳴らした私もイタいけどさ。
マルサネの「猿姫」の名前の由来は、昨日ルーチェから聞いたのよ。
ハゲ狸お気に入りの玄関に飾ってある三匹の猿(見ざる聞かざる言わざる)が、なぜかゲンメのご当地マスコットにマルサネが生まれた頃に採用されたんだってさ。
それでちっちゃい頃から、販促用も兼ねてマルサネは常に全身猿柄の服を着せられていたそうよ。
一人娘にそんな格好させる、あのハゲ狸もどうかと思わない?
それで母親を亡くして我が儘いっぱい、癇癪をおこしてキーキー喚く様が、猿が歯を剥き出しにして威嚇する姿にそっくりだったから、ちっちゃい時から猿姫と呼ばれてるんだって。
ちょっと可哀想な話じゃないこと?
最近は性的欲求に対して、盛りのついた猿のようだというのもあるみたい。一応使用人の立場だから、そこまでルーチェは言わなかったけどね。
私、この話を聞いてから思ったの。
マルサネにはモン◯ッチ路線を歩まそうって。
だって、このビジュアルだとそのまま、ご当地ゆるキャラになった方がこの娘も楽に生きていけそうじゃない?ついでにグッズとかまた売ったら儲かるかもよ。
ハハハ……我ながらナイスアイディア……!
「自分がいつもヴィンセント様に襲いかかってる痴女だった」という衝撃に固まり、今後の人生設計について思い巡らせていた間に、蛇姫の方も金の公子にしなだれかかろうとしていた。
何よ、蛇姫だってこの娘と変わらないじゃんか。
「それにしても珍しいことですね。ヴィンセント様から私の方へお立ち寄りくださるなんて」
あっさり身体ごと素早くかわされ、たたらを踏む蛇姫。
「貴女には私が訪れる心当たりがあるのでは?カルドンヌ姫」
「何のことでしょう?」
「そうですか。では質問を変えます。私の相棒が何処にいるか教えてもらえませんか?」
ヴィンセント様のうっとりとするようなバリトンボイスが響く。視線は冷凍ビームのように冷たく蛇姫に向けられているんだけど、何事?!
「さぁ?なんのことやら。オホホホ……そんなに私をお睨みになっても、わからないものは教えて差し上げられませんわ。
そんなに御執心なら、御側からお離しにならなければよかったのではなくて?ウフフフ……」
鋭い視線に動じることなく、両手を組んで不敵な笑みを浮かべる蛇姫カルドンヌ。
なんか、絶対良からぬことを企んでるよ。この蛇女!
だってこの笑い方!絶対コイツが悪役だ。
と確信するけど、私にはさっぱり何が起こってるのかわからない。とりあえず、黙って二人を見つめるだけ。
「貴女はご存知ではない、と」
更に冷凍度の増した、ヴィンセント様の冷たい視線が蛇姫に突き刺さる。
「存じ上げませんわ。私たちも貴方の愛しい方の姿を今日はお見かけしないと先程、話していたところですのよ、ねぇマルサネ?」
同意を求めるように私に妖しく微笑むカルドンヌ。
こらぁ、こんなところでコッチを巻き込むな!蛇女!
「あっ、えっとぉ…。カルドンヌ姫以外、私は誰にもお会いしてません」
巻き添え事故にしどろもどろに答える私を、おやっと一瞥する金の公子。
その辺の山で見かける野生動物か珍獣を見るような、そんな感じ?
やっと今日の私の服装がいつものピンクコスチュームじゃないことに気がついたのかしら。
どちらにしろ、己の婚約者候補の公女に向ける眼差しではないわね……。
「それより明日は大事な四公会議ではないのですか?明日の主役がこのようなところで油を売っていても大丈夫ですの?」
私に視線が向いたのが面白くない蛇姫は、ヴィンセント様の視界にずいっと割り込む。
え?明日、何か会議があるの?
出かける前にはハゲ狸、そんな事一言も言ってなかったけど。それって確かガイドブックにあった注意事項の緊急会議のことよね?
「…なぜ、貴女がそれを?まだ大公から四公には、正式に通達をしていない筈ですが」
「ヴィンセント様、我が家の情報網を舐めないで頂きたいですわ。ところでカルゾ公はお元気ですの?」
蛇姫の言葉に金の公子の冷静な表情にさらに殺気のような凄みが増す。
怖い、怖すぎて凍死する……。
「……母をお気遣い頂き、ありがとうございます。貴女の掴んでみえる情報網の通りですよ。
では、かの者のことを知らない、と私におっしゃられたことをくれぐれも後悔なさらぬように」
クッと形の良い唇に酷薄な薄笑いを浮かべると、ヴィンセント様は現れた時と同じようにあっという間にどこかへ去っていった。
何?なに?
どーゆーこと?
蛇姫は何を知っているの?
愛しい方ってやっぱりいるの?それってヒロイン??
蛇姫に聞きたくても、お花摘みに、とか言ってトイレに行っちゃったわ。
あれだけワインをガブガブ飲めば、まぁ当然の結果よね。
しっかし、実物のヴィンセント様。
雑誌通り壮絶イケメンだったけど何かメチャメチャ怖かった~。蛇姫との間にブリザードが吹き荒れてたもん。
マルサネか蛇姫、どちらかと正式に婚約して次期大公妃に、って言われたらハゲ狸が騒いでも私、喜んで辞退して蛇姫に譲るわ。
だってヴィンセント様は男にしては綺麗すぎるもん。
良い男っていうのは見てるだけが一番幸せなんだって。
大体、ああいうイケメンでモテる男が突然豹変したり、中身がかなり危なかったりするものなのよ?
律っちゃん的にはね~、顔はソコソコの男の方が女は幸せになれると思うの。
はっ、すっかり律子になってたわ!
このPTAスーツを着てるせいね、きっと。
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