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婚約者
「…………なぜ落ちこぼれのあなたは無事でいられたの??」
母様の驚きとも侮蔑とも取れる表情。
結果的に、私は死ななかった。というよりも、光に包まれただけで何も起こらなかった。
むしろ、誰にも言えないけど、前よりも妙な力が増したような気がする。
そんな私の様子を気にする家族はいなかった。
なんにせよ、花純が目を覚ました。両親との感動的な再会を遠目で見て、私の役目が本当に終わった。
「母様! こいつが私の事を生贄にして逃げたのよ!! こいつのせいで……、こいつのせいで……静流様が……」
目を覚ました花純に罵られる私。ただ黙って嵐が過ぎるのを待っていた。
「ふふっ、花純、安心しなさい。あなたは静流様と正式に婚約の儀を結んだのよ。誇っていいわ。あなたはこの家の誇りよ」
「静流様と正式な婚約……、わ、私……母様!」
お互いを抱きしめ合う二人。私はそれを冷ややかな目で見つめた。
本来なら、来月から高等部に進学する予定だった。だけど、私と花純は一ヶ月学園を休む事にした。私『スミレ』が意識を取り戻して、『花純』が姉のために面倒を見る、という事だ。
実際は逆だけど。私の経験してきた5年間を花純にすべて託す。膨大な日誌と、映像記録を見ながら花純はこれをすべて覚える必要があった。
初めはちゃんと覚えられるか心配だったけど、それは母様の一言で杞憂に終わった。
「花純の異能には瞬間記憶があるわ。そんなもの一回読んだら覚えられるわ。だから、あなたは学園での空気感や、花純の質問に答えなさい」
実際、本当に花純はすぐになんでも覚えた。元々優秀な子だと思っていたけど、年を重ねた事により、異能の力が更に強くなったみたいだ。
学園の交友関係、勉強、基礎体力。それらをすべてこなして、1ヶ月後には前の私とまるっきり同じ人間が出来上がった。
「私のかわいい花純……。あなたの中にはきっと龍の力が眠っているわ。……その力があれば、七里ヶ浜家は序列一位に――、あの男を――」
私は家族から再びいないものとされた。だけど、ご褒美はいくつかあって、私は高等部に通えるようになった。……花純と同じ学年で。あとは、私が異界の亀裂での化け物退治での、報奨金のごく一部を返還してくれた。
――そして、私に婚約者をあてがってくれた。
それがご褒美? と思ったけど、母様には逆らえない。そう、私は、スミレは家族に逆らえない……。
私にとって新しい日常が始まった。それは偽物の花純になる以前と全く変わらない日常。
初日だけ私は花純と一緒に登校をした。病気から回復した姉を心配する花純を演出するためだ。
「花純様!お姉さん良かったね!」
「全く、入学式の時に来ないから焦りましたよ」
「あははっ、みんなちょっとまちなって! お姉さん、うわぁ、ちょっと、高校なのにそんなダサい髪型なの?」
「おい、西園寺。人の悪口を言うんじゃねえよ、馬鹿」
「うーん、でもさ、僕もちょっとその姿勢はどうかと思うよ。猫背は身体を悪くするよ」
私の心臓がドクンと跳ね上がった。もう私の友人ではない。みんなは花純しかみていない。
「みんな、心配かけました。姉ももう大丈夫です。これからまたよろしくお願いしますね」
みんなから笑顔を向けられる花純。私はちょっとだけ悲しいけど、なんだか安心しちゃった。
花純はみんなと歩き出す。私はその後ろをノロノロとついていく。途中で静流が合流した。花純の復帰を心から喜んでいる。花純のほっぺがほんのり桜色に染まった。
うん、本当に良かった。花純、静流の事好きだったもんね。
――私ね、全然好きになれなかったんだよ。
みんなの背中を見ながら、私は俯く。小さく「バイバイ」とだけ呟いた。たった一言だけど、別れの言葉を言えた。それだけで十分。
足音が遠くなる。これからどんな風に人生を送ろうかな。家に縛られている限り、私に自由はない。それに、婚約者……。詳しく聞けなかったけど、どんな人なんだろう。
「ねえ、見て、あの人って花純様のお姉様?」
「ええ、噂の落ちこぼれよ」
「ずっと寝ていたんでしょ? いきなり高等部なんて……コネもいいところね」
「なんだか地味な感じね。本当に花純様のお姉様?」
「花純様、可哀想……。お姉様の面倒をみて一ヶ月学園を休んだんでしょ?」
「お優しいわね、花純様は。私ね、小学校の頃、お姉ちゃんの方と一緒のクラスだったんだけど、本当に汚くて役立たずで気持ち悪かったわ」
あの子はこの前私にクッキーをくれた子だ。あっちの子は私に握手を求めた子。あそこの子は挨拶したらすごく喜んでくれた子。
私は息を大きく吸う。慣れていたはずなのに、この変化は私にとってきつかった。
大丈夫、すぐに慣れる。だって、私はあの頃は平気だったから。……平気だったのかな? 平気じゃなかったから、私、神社にお祈りしたかったんじゃないかな。
……我慢。しないと。
「おい、スミレって言うんだな。顔色悪いけど歩けるか?」
「なんや、柳小路君が人の心配するなんて珍しいやないか」
いつの間にかヤンキーの柳小路君と、石神さんが私の隣にいた。周りが少しざわつく。
「あ、あの……」
「ふんっ、周りに言われる事を気にすんな。てめえは病気に打ち勝ったんだろ? そりゃ周りの助けがあったかもしれねえが、本人の意思の強さがなきゃだめだったろ?」
「そうそう、無理せんといて。あんな、わたしは君の悪評はどうでもええんや。なにせ、柳小路の評判は最悪で――」
「うっせーぞ……」
私は困惑した。なぜこの二人が私に話しかけてきたのだろう? それを聞きたい。
でも……これ以上は深くかかわらせてはいけない。私が花純だったことは家族だけの秘密。もしも、誰かに知られたら、私が死ぬだけでは収まらない。この二人も母様に殺される。
「あ、ありがとうございます。気にかけていただいて……。でも大丈夫です!」
うん、わたしは強く生きる。誰と婚約者になるかわからないけど、うまく立ち回るんだ。自分の人生を切り開くんだ。
二人はポカンと口を開けて私を見つめた。その隙に私はささっと小走りで通学路を抜ける。
後ろで笑い声が聞こえたけど気にしなかった。嫌な笑い声じゃなかった。温かい気持ちになれる声だった。
***
「はぁ、君と飯食うなんてマジで最悪や」
「俺も気分わりいぜ。このエセ関西人女が」
「なあ、栃木って餃子が主食なんやろ? 口臭くないの?」
「はぁ? たこ焼きしか食わねえてめえに言われたくねえよ」
学園の屋上、男女二人で弁当を広げる。
柳小路尾家の俺は学園生活に退屈していた。
当主である親父は七里ヶ浜家に逆らえない。
俺は親父が好きだが、あんな風にはなりたくない。
花純は好きだ。俺の親友といっていいだろう。
ちょっと思慮深さが足りなかったり、考えが甘い所があるけど、真っ直ぐな性格が好きだ。
恋愛感情のそれじゃない。妹を見ている感覚に近いかもしれない。
「ロイヤルブラッド」の面々。よくもまあ、タイミングよく名家が集まったもんだ。
静流の婚約者である花純が一ヶ月の休学から戻ってきて、数週間が経った。表面上は普段通りと変わらない。
この強い違和感に気がついているのは、俺と、目の前にいる石神家三女だけだ。
「冗談はええわ。本題に入るわ。あの『まがい物』はなんや?」
「……てめえは人の悪口を言うんじゃねえ」
俺はヤンキーな見た目と違って、意外とモラルが高い。
「えぇ……、まあ言い方悪かったわ。あんたもわかってるんやろ? 七里ヶ浜家には何かあるって」
軽く息を吐く。
「ああ、元々クソみたいな家だからな。……ていうか、なんでみんな気が付かねえんだ? 全然違うだろ? 俺は花純が好きだった。ああ、勘違いするな友人としてだ。あの高潔な魂が清々しかった。なのに、今の花純は……七里ヶ浜家そのものだ」
「君の言いたいことはようわかるわ。わたしも中等部の時に花純ちゃんはえらく大人びた子だと思ったんや。でも今は――ガキにしかみえんわ」
人は案外、人の事を見ていない。逆もまた然り、人は案外、人の事を見ている。
俺と石神は強烈な違和感に気がついた。なのに、婚約者である静流や、友人たち、クラスメイトに先生たちは花純の変化に気が付かない。
花純の事を七里ヶ浜家の令嬢、というアイコンで見ているからだ。
「誰がどう見たって、髪型を変えても、姿勢を変えても、服装を変えても、あいつが元の花純だろ? ……わかりづらいな。俺が知っている仲間はスミレだったんだろ?」
「田舎者のヤンキーの癖にほんま鋭いな。私もそう思ったんや。前の花純はスミレだったんや。ということは――スミレは無能でもなんでもなかった。ただ、家から虐待されていただけ、印象操作されていただけ」
俺も石神もため息が止まらない。なぜならこれは家の問題だ。ということは俺達が立ち入ると、家同士の大問題、最悪戦争が起こる。
「俺達じゃ力になれねえかな……。本当に、無力だぜ」
「そやな。……私らはガキだからな。まあしゃーない、とりあえず見守ろうや。しかし、あのスミレ……あんまり変わっとらんな」
「くくっ、そうだな。見てて心強いぜ」
俺たちは少し笑ってしまった。
現実を考えると笑っている場合じゃない。それが俺達の精一杯だ。俺達が感づいた事さえも誰かに言えない。七里ヶ浜家の秘密を暴いた瞬間、俺達は殺されるからだ。
なぜなら、七里ヶ浜家の当主麗華は――化け物だからだ。
母様の驚きとも侮蔑とも取れる表情。
結果的に、私は死ななかった。というよりも、光に包まれただけで何も起こらなかった。
むしろ、誰にも言えないけど、前よりも妙な力が増したような気がする。
そんな私の様子を気にする家族はいなかった。
なんにせよ、花純が目を覚ました。両親との感動的な再会を遠目で見て、私の役目が本当に終わった。
「母様! こいつが私の事を生贄にして逃げたのよ!! こいつのせいで……、こいつのせいで……静流様が……」
目を覚ました花純に罵られる私。ただ黙って嵐が過ぎるのを待っていた。
「ふふっ、花純、安心しなさい。あなたは静流様と正式に婚約の儀を結んだのよ。誇っていいわ。あなたはこの家の誇りよ」
「静流様と正式な婚約……、わ、私……母様!」
お互いを抱きしめ合う二人。私はそれを冷ややかな目で見つめた。
本来なら、来月から高等部に進学する予定だった。だけど、私と花純は一ヶ月学園を休む事にした。私『スミレ』が意識を取り戻して、『花純』が姉のために面倒を見る、という事だ。
実際は逆だけど。私の経験してきた5年間を花純にすべて託す。膨大な日誌と、映像記録を見ながら花純はこれをすべて覚える必要があった。
初めはちゃんと覚えられるか心配だったけど、それは母様の一言で杞憂に終わった。
「花純の異能には瞬間記憶があるわ。そんなもの一回読んだら覚えられるわ。だから、あなたは学園での空気感や、花純の質問に答えなさい」
実際、本当に花純はすぐになんでも覚えた。元々優秀な子だと思っていたけど、年を重ねた事により、異能の力が更に強くなったみたいだ。
学園の交友関係、勉強、基礎体力。それらをすべてこなして、1ヶ月後には前の私とまるっきり同じ人間が出来上がった。
「私のかわいい花純……。あなたの中にはきっと龍の力が眠っているわ。……その力があれば、七里ヶ浜家は序列一位に――、あの男を――」
私は家族から再びいないものとされた。だけど、ご褒美はいくつかあって、私は高等部に通えるようになった。……花純と同じ学年で。あとは、私が異界の亀裂での化け物退治での、報奨金のごく一部を返還してくれた。
――そして、私に婚約者をあてがってくれた。
それがご褒美? と思ったけど、母様には逆らえない。そう、私は、スミレは家族に逆らえない……。
私にとって新しい日常が始まった。それは偽物の花純になる以前と全く変わらない日常。
初日だけ私は花純と一緒に登校をした。病気から回復した姉を心配する花純を演出するためだ。
「花純様!お姉さん良かったね!」
「全く、入学式の時に来ないから焦りましたよ」
「あははっ、みんなちょっとまちなって! お姉さん、うわぁ、ちょっと、高校なのにそんなダサい髪型なの?」
「おい、西園寺。人の悪口を言うんじゃねえよ、馬鹿」
「うーん、でもさ、僕もちょっとその姿勢はどうかと思うよ。猫背は身体を悪くするよ」
私の心臓がドクンと跳ね上がった。もう私の友人ではない。みんなは花純しかみていない。
「みんな、心配かけました。姉ももう大丈夫です。これからまたよろしくお願いしますね」
みんなから笑顔を向けられる花純。私はちょっとだけ悲しいけど、なんだか安心しちゃった。
花純はみんなと歩き出す。私はその後ろをノロノロとついていく。途中で静流が合流した。花純の復帰を心から喜んでいる。花純のほっぺがほんのり桜色に染まった。
うん、本当に良かった。花純、静流の事好きだったもんね。
――私ね、全然好きになれなかったんだよ。
みんなの背中を見ながら、私は俯く。小さく「バイバイ」とだけ呟いた。たった一言だけど、別れの言葉を言えた。それだけで十分。
足音が遠くなる。これからどんな風に人生を送ろうかな。家に縛られている限り、私に自由はない。それに、婚約者……。詳しく聞けなかったけど、どんな人なんだろう。
「ねえ、見て、あの人って花純様のお姉様?」
「ええ、噂の落ちこぼれよ」
「ずっと寝ていたんでしょ? いきなり高等部なんて……コネもいいところね」
「なんだか地味な感じね。本当に花純様のお姉様?」
「花純様、可哀想……。お姉様の面倒をみて一ヶ月学園を休んだんでしょ?」
「お優しいわね、花純様は。私ね、小学校の頃、お姉ちゃんの方と一緒のクラスだったんだけど、本当に汚くて役立たずで気持ち悪かったわ」
あの子はこの前私にクッキーをくれた子だ。あっちの子は私に握手を求めた子。あそこの子は挨拶したらすごく喜んでくれた子。
私は息を大きく吸う。慣れていたはずなのに、この変化は私にとってきつかった。
大丈夫、すぐに慣れる。だって、私はあの頃は平気だったから。……平気だったのかな? 平気じゃなかったから、私、神社にお祈りしたかったんじゃないかな。
……我慢。しないと。
「おい、スミレって言うんだな。顔色悪いけど歩けるか?」
「なんや、柳小路君が人の心配するなんて珍しいやないか」
いつの間にかヤンキーの柳小路君と、石神さんが私の隣にいた。周りが少しざわつく。
「あ、あの……」
「ふんっ、周りに言われる事を気にすんな。てめえは病気に打ち勝ったんだろ? そりゃ周りの助けがあったかもしれねえが、本人の意思の強さがなきゃだめだったろ?」
「そうそう、無理せんといて。あんな、わたしは君の悪評はどうでもええんや。なにせ、柳小路の評判は最悪で――」
「うっせーぞ……」
私は困惑した。なぜこの二人が私に話しかけてきたのだろう? それを聞きたい。
でも……これ以上は深くかかわらせてはいけない。私が花純だったことは家族だけの秘密。もしも、誰かに知られたら、私が死ぬだけでは収まらない。この二人も母様に殺される。
「あ、ありがとうございます。気にかけていただいて……。でも大丈夫です!」
うん、わたしは強く生きる。誰と婚約者になるかわからないけど、うまく立ち回るんだ。自分の人生を切り開くんだ。
二人はポカンと口を開けて私を見つめた。その隙に私はささっと小走りで通学路を抜ける。
後ろで笑い声が聞こえたけど気にしなかった。嫌な笑い声じゃなかった。温かい気持ちになれる声だった。
***
「はぁ、君と飯食うなんてマジで最悪や」
「俺も気分わりいぜ。このエセ関西人女が」
「なあ、栃木って餃子が主食なんやろ? 口臭くないの?」
「はぁ? たこ焼きしか食わねえてめえに言われたくねえよ」
学園の屋上、男女二人で弁当を広げる。
柳小路尾家の俺は学園生活に退屈していた。
当主である親父は七里ヶ浜家に逆らえない。
俺は親父が好きだが、あんな風にはなりたくない。
花純は好きだ。俺の親友といっていいだろう。
ちょっと思慮深さが足りなかったり、考えが甘い所があるけど、真っ直ぐな性格が好きだ。
恋愛感情のそれじゃない。妹を見ている感覚に近いかもしれない。
「ロイヤルブラッド」の面々。よくもまあ、タイミングよく名家が集まったもんだ。
静流の婚約者である花純が一ヶ月の休学から戻ってきて、数週間が経った。表面上は普段通りと変わらない。
この強い違和感に気がついているのは、俺と、目の前にいる石神家三女だけだ。
「冗談はええわ。本題に入るわ。あの『まがい物』はなんや?」
「……てめえは人の悪口を言うんじゃねえ」
俺はヤンキーな見た目と違って、意外とモラルが高い。
「えぇ……、まあ言い方悪かったわ。あんたもわかってるんやろ? 七里ヶ浜家には何かあるって」
軽く息を吐く。
「ああ、元々クソみたいな家だからな。……ていうか、なんでみんな気が付かねえんだ? 全然違うだろ? 俺は花純が好きだった。ああ、勘違いするな友人としてだ。あの高潔な魂が清々しかった。なのに、今の花純は……七里ヶ浜家そのものだ」
「君の言いたいことはようわかるわ。わたしも中等部の時に花純ちゃんはえらく大人びた子だと思ったんや。でも今は――ガキにしかみえんわ」
人は案外、人の事を見ていない。逆もまた然り、人は案外、人の事を見ている。
俺と石神は強烈な違和感に気がついた。なのに、婚約者である静流や、友人たち、クラスメイトに先生たちは花純の変化に気が付かない。
花純の事を七里ヶ浜家の令嬢、というアイコンで見ているからだ。
「誰がどう見たって、髪型を変えても、姿勢を変えても、服装を変えても、あいつが元の花純だろ? ……わかりづらいな。俺が知っている仲間はスミレだったんだろ?」
「田舎者のヤンキーの癖にほんま鋭いな。私もそう思ったんや。前の花純はスミレだったんや。ということは――スミレは無能でもなんでもなかった。ただ、家から虐待されていただけ、印象操作されていただけ」
俺も石神もため息が止まらない。なぜならこれは家の問題だ。ということは俺達が立ち入ると、家同士の大問題、最悪戦争が起こる。
「俺達じゃ力になれねえかな……。本当に、無力だぜ」
「そやな。……私らはガキだからな。まあしゃーない、とりあえず見守ろうや。しかし、あのスミレ……あんまり変わっとらんな」
「くくっ、そうだな。見てて心強いぜ」
俺たちは少し笑ってしまった。
現実を考えると笑っている場合じゃない。それが俺達の精一杯だ。俺達が感づいた事さえも誰かに言えない。七里ヶ浜家の秘密を暴いた瞬間、俺達は殺されるからだ。
なぜなら、七里ヶ浜家の当主麗華は――化け物だからだ。
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