じゃあ俺、死霊術《ネクロマンス》で世界の第三勢力になるわ。

万怒 羅豪羅

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9章 金色の朝

9章 モンスター・用語辞典

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※予約投稿設定ミスってました!ごめんなさい。

●9章 モンスター図鑑

この図鑑は、ギネンベルナ王室が編纂した、全国に生息するモンスターの特徴、生態、戦う際の注意事項などを記したものである。これを読めば、読者諸君は危険なモンスターに対する最低限の知識を得る事が出来るだろう。ただし、留意しておいてほしい。ここに記されているのは、あくまでも多種多様なモンスターの一側面に過ぎない。諸君が実際に剣を握り、モンスターと相対する際には、必ずしも本に書かれた知識だけが全てでない事を忘れないで頂ければ幸いだ。

“危険度”について
そのモンスター一体のみに対して、人間が戦いを挑む場合の脅威の指針。

S……生物の頂点に位置する種族。人間が大軍を成したとしても、討伐は極めて困難。ドラゴン種などが該当。

A……非常に凶暴。人間単体では歯が立たず、屈強な戦士たちによる軍隊の形成が必要。オーガ、ゴーレムなどが該当。

B……危険だが、熟達した知識と技量があれば討伐可能。ただし一人では苦戦を強いられるであろう。ライカンスロープ、トロールなどが該当。

C……単体では弱く、一人前の戦士なら十分応戦可能。だがこのランクのモンスターは群れを成すことが多く、個としての弱さを補っているので注意されたし。オーク、ゴブリンなどが該当。

D……極めて脆弱、もしくは危険性のない生物群。

・モンスター詳細

ヒッポグリフ
あしゆび目 鷲馬じゅば科 危険度B+
上半身はワシ、下半身は馬の姿をしたキマイラ相のモンスター。
気性が荒く、迂闊に近づくと鋭い前足の爪で切り裂かれる。嘴を傷付けられるとうまく飛行が出来なくなるため、反撃の機会が増えるだろう。
温暖な地域の森林部に棲息。グリフォンに非常に近い種である事が判明している。グリフォンと馬を掛け合わせて産まれたと言われる事もあるが、こちらに関しては学術的な証拠は見つかっておらず、あくまで憶測の域を出ない。あちらと比較し、力は弱いが、飛行速度では勝る。この飛行能力には嘴にある神経器官が関係しており、ここが速度計、風向計、地面との平衡感覚などを司っている。嘴の根元に尾羽や風切り羽を動かす神経も集中している為、ヒッポグリフにとって嘴は極めて重要な部位だと言えるだろう。また、獰猛で手に負えないグリフォン、選り好みが激し過ぎて人を選ぶペガサスよりはまだ手懐け易く、調教次第では益獣として活躍する場面もある。飛行能力を駆使した空輸は、ヒッポグリフならではの芸当であろう。

オーガ
鬼人目 剛鬼科 危険度A
鬼。大きな角と牙を持つ人型モンスター。
性格は非常に凶暴で、同種以外の動くものは全て獲物とみなす。並外れた筋力を持ち、皮膚が厚く魔法の耐性も高い。目などの急所を確実に攻める戦法が効果的だ。
鬼人目の代表的モンスター。低~中層部程度の山間部に棲息する。峠道で遭遇すれば命に関わることは言うまでもなく、山を越える戦士や兵士が恐れるモンスターとしても有名だろう。肉食性で、特に動くものに敏感に反応する。だからといって死んだフリをしても、大概はそのまま食われてしまうのでほぼ意味はない。同種族は襲わないが、何をもって同種だと判断しているのかは不明。判明すればオーガ避けとして効果が期待でき、現在も学者達の研究が精力的に進められている。
角に薬効があり、筋力を一時的に増強する効果がある。瞬間強化薬として戦士や兵士に愛用される品ではあるが、服用しすぎると異常に増加した筋肉によって骨が砕けるので注意。また、この角薬を一度でも服用すると、特有の「匂い」が体に染み付いてしまうようであり、以後オーガから執拗に執着されるようになってしまう。服用者がオーガの生息域に向かう場合には、最新の注意を払うべきだ。

ノール
獣人目 灰狗頭科 危険度C
ハイエナに似た頭部を持つ獣人。
コボルトによく似ているが、あちらと違って、本種の毛皮は地味な灰色である。むこうほど知能も高くなく、代わりに身体能力に優れる特徴がある。単純な罠にも引っかかるので、正面から戦うよりは、搦手の方が効果を発揮するだろう。
本種は小型の獣人の中では、脚力や顎の力が強い傾向にある。特に牙には危険な雑菌が多く生息し、噛み付かれると化膿、最悪の場合壊死も有り得る。ただし力の代償に非常に愚鈍であり、集団で行われる狩りも常に自分優先で、統率はまるで無い。しょっちゅう仲間割れを起こし、結果として獲物に逃げられる事もしばしば。身体能力の高さを活かせば単独でも十分狩りが出来そうだが、それでも毎回律儀に群れを成す辺りが、ノールの頭の悪さを表していると言えよう。

ホウゲキカズラ
茄子目 砲鬼灯科 危険度D
ホオズキの一種。
果実に衝撃を加えると爆発する特徴があり、それが名前の由来になっている。この爆発を利用して、種子をより遠くまで飛ばしているようだ。威力は大したことはなく、怪我をする事はまず無いが、誤って食べてしまうと悲惨な事になる。
用途としては、子どものおもちゃとして古くから親しまれる他、魔物除けのポプリの起爆剤としても用いられる。真っ赤な美しい果実を付ける事から、一部地方では観賞用としても栽培される。夏に実を付け、秋の手前にはその実を落としてしまう。その際に果実が破裂する音は、夏の終わりの風物詩として民衆に親しまれている。

ヤマタノオロチ
無翼鱗目 八頭酔蛇科 危険度B-
頭が八つある大蛇。尾は二又に分かれている。
全長は三十キュビットとかなり大きく、ワイバーンに匹敵するが、あちらと違い性格はとても臆病。下手にちょっかいを出さなければまず危険はなく、仮に攻撃を仕掛けても、反撃より逃亡を優先する。逃げ足は早く、逃走中に轢かれる事が最も危険だろう。
蛇の仲間としては非常に珍しく、完全に草食性。果実などを巣穴に貯蔵し、それを発酵させたものを主食としている。これはエタノールなどのアルコールを複数含み、所謂“果実酒”に近い。頭部を八つ持つが、脳髄を有するのはその内の一本のみであり、他の頭はそれに統括されて行動する。脳がない事以外は通常の頭部同様の機能を有し、役割を分担して果実の採集、外敵の監視などを並行して行う姿が観測されている。緊急時には、頭を自ら切り落として囮とする事もある。
尾部の鱗には滋養強壮の効果があり、薬師垂涎の品だが、臆病さも相まって採取は難しい。巣穴で泥酔している時のみ、鱗を剥ぐ事ができる。

スルト
七節目 火鉢竹節虫科 危険度C-
漆のような黒色の体色をしたナナフシ。
初めは小さいが、成長すると2キュビット以上にもなる。体は金属のように頑丈。発火能力を持ち、節の隙間から油性体液を噴出、口を打ち鳴らして着火させる。水をかけて消化した後、鈍器で潰す事で退治できる。
外殻はメタリックな光沢を帯びており、実際の金属と比べても遜色ない。これは主食とする植物から摂取した鉄分が蓄積した物と考えられている。幼虫の頃の体色は銀色だが、脱皮を経るにつれ黒色、そして焼入れしたような美しい虹色へと変化する。自身の発火能力が、体色にも影響を及ぼすようだ。虹色まで成長したスルトは、発火成分が体組織深層にまで染み渡っており、例え生命活動が停止しても燃え続ける。その硬さも相まって、古来から武器としても使用されてきた。北部地方の伝説に登場する、世界を燃やし尽くす巨人が持っている剣も、スルトであるとされる。

スライム
水泡目 雨蟲科 危険度C+
ぷるぷるとしたゼリー状のモンスター。
強い再生力を持ち、物理攻撃はほぼ効果がない。大きな炎、もしくは炎・雷属性魔法が効く。
じめじめした洞窟に棲息。天井や岩の隙間に潜み、獲物が通りかかると、覆い被さってから酸を放出して丸呑みにする。体組織は完全に透明で、切断・破壊されても瞬時に結合、再生させる事ができる。よって剣士は武器を捨て、必死に火を焚く事になるだろう。松明程度では飲み込まれて消されるので注意。水魔法では倒す事はできないが、体を膨張させて動きを鈍化させる事が可能。
獲物を捕食した直後のスライムは、獲物の体液で薄いピンク色に色付く。この状態のスライムは積極的には襲おうとしてこないので、安全に脇を通り抜ける事ができる。

●9章 用語辞典

魅了
チャーム。一部のモンスターが使用する、性的欲求を呼び起こし、倒錯させる能力。

●9章 魔法辞典

・(火属性)

ファイアフライ
小さな蛍光色の火の玉を複数飛ばす魔法。

・(氷属性)

メギバレット
氷の弾丸を撃ち出す。

スノウウィロウ
氷の鞭で打ち付ける。

ゼロアベーテ
氷点下の空間を生み出し、広範囲を凍て付かせる。

・(風属性)

カマイタチ
音速のソニックブームを放つ。凄まじい破壊力。

ヴィントネルケ
風の鎖で相手を拘束する。

ストームスティード
疾風の速さで走る馬を呼び出す。

・(地属性)

マウルヴルフ
穴を掘る。

クレイローチ
土を粘土状にし、自在に操る。

・(水属性)

ミラーナルシス
水鏡に投影した相手そっくりの分身を生み出す。分身にはある程度の実体がある。

プロキュオンロートル
微細な水の粒子を操る。主に衣服の洗濯、乾燥に用いられる魔法。

・(冥属性)

ディストーションハンド・ファズ
アンデッドの状態を巻き戻す。

●地図
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