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大使館2年目・冬(13~14部分)
うちの学校の異世界留学生
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東京と異世界がつながった、でもそれは私たちに関係のない事だと思っていた。
なんせここは東京から遠く離れたド田舎。直接影響が出るなどと思ってもいなかった。
「異世界からの留学生受け入れなんて言われてもなあ……」
来年度、私たちの学校は異世界からの留学生を受け入れることになった。
そして生徒会長の私は留学生サポーターとして留学してきた彼・彼女の学生生活の面倒を見ることになったのである。
「めんどくさくてもしょうがないっすよ、たよーせーの時代っすから」
副会長にして腐れ縁の後輩がなだめるようにそう告げる。
「多様性なんて言われてもなあ」
ここいらで外国人も障がい者もオネエもシンママも見たことがない身としては、多様性なんてもんは東京か大阪のような大都市のものなんじゃないかとひっそり疑っている。
一日に数えるほどしか電車が走らないような土地に来て何が得られるというのだろう。
「こんなとこ来て得るもんないだろうに」
「市長の肝いりらしいっすよ、ほらうちの学校人少ないから留学生でかさましするんですって」
「なるほど、かさましの道具にされるとは可哀想に」
そう呟きつつ見知らぬ留学生たちに同情する。
わざわざ留学生サポーターなんてつけるのは逃げられたりしないようになんだろうなあ、とひねくれたことを考える。
「会長は興味ないんすか?異世界」
「正直そんなに。どうせ一生行く機会もないし」
「分かんないすよ人生は」
副会長はそんな風に笑った。
なんせここは東京から遠く離れたド田舎。直接影響が出るなどと思ってもいなかった。
「異世界からの留学生受け入れなんて言われてもなあ……」
来年度、私たちの学校は異世界からの留学生を受け入れることになった。
そして生徒会長の私は留学生サポーターとして留学してきた彼・彼女の学生生活の面倒を見ることになったのである。
「めんどくさくてもしょうがないっすよ、たよーせーの時代っすから」
副会長にして腐れ縁の後輩がなだめるようにそう告げる。
「多様性なんて言われてもなあ」
ここいらで外国人も障がい者もオネエもシンママも見たことがない身としては、多様性なんてもんは東京か大阪のような大都市のものなんじゃないかとひっそり疑っている。
一日に数えるほどしか電車が走らないような土地に来て何が得られるというのだろう。
「こんなとこ来て得るもんないだろうに」
「市長の肝いりらしいっすよ、ほらうちの学校人少ないから留学生でかさましするんですって」
「なるほど、かさましの道具にされるとは可哀想に」
そう呟きつつ見知らぬ留学生たちに同情する。
わざわざ留学生サポーターなんてつけるのは逃げられたりしないようになんだろうなあ、とひねくれたことを考える。
「会長は興味ないんすか?異世界」
「正直そんなに。どうせ一生行く機会もないし」
「分かんないすよ人生は」
副会長はそんな風に笑った。
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