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コンゴ民主共和国—“奇跡の国”の裏側で—
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*この物語には具体的な性被害への言及がふくまれます。
フラッシュバックが心配な方は読み飛ばしください。🙇♂️
⚫︎ コンゴ民主共和国:見捨てられた痛み
アフリカの中央部。コンゴ民主共和国、東部イチュリ州の小さな村。
(*ここで起きている戦いは「第三次世界大戦」と呼ばれることもある。
これまでにナチスによるユダヤ人犠牲者と同等の600万人が犠牲になっていると言われる。
しかし、なぜか?世界は同じ期間あたりの犠牲者が少ないパレスチナの方に注目する…)
—男、ムワンザ(30代、元教師)は、日中の酷暑が去った後の地面に座り込み、遠い空を見上げていた。
周囲は赤茶けた土の上に、背の高いバナナの木や、主要な食料源であるキャッサバ(マニオク)の畑が、夜の闇に沈みかけている。
家々は、泥と粘土を固めた土壁でできており、多くは乾いた草の茅葺き屋根だが、一部には錆びたトタン屋根も見えた。
男のモノローグ:
なぜだ。
なぜ、世界はパレスチナばかりを注目する?
ルワンダが我々コンゴにしている現実を知ってほしい。
(*ルワンダ=コンゴ民主共和国の隣の国
1994年、ルワンダで多数派のフツ族が、少数派のツチ族や穏健派フツ族を組織的に殺害し、約100日間で80万人以上が犠牲になった。
それを乗り越えてアフリカトップクラスの治安の良い国となっている。)
> 俺たちは、西洋がアフリカに残した植民地時代の虐殺構造の、最後の被害者なのか?
>天然資源を狙ったルワンダ系武装組織が 俺たちにしてるレイ○はなんだ!女も男も、関係なく。
これが世界から見えない虐殺だ。
(*国際NGOケア・インターナショナルによると2025年の最初の4ヶ月だけで67000件の女性と女児への性暴力。)
> ツチ族は、ホロコーストの記憶を持つユダヤ人やユダヤ系の人々から、熱烈な同情と人気を得ているらしいな。同じ虐殺被害者だ、と。
彼らが我々コンゴに何をしているかも知らずに。
ツチ族が追い出した虐殺の加害者だったはずのフツ族は今、**「M23」**として、世界に認知すらされない闇の軍団になっている。
それなのに、国際社会は言う。
ツチ族とフツ族は**「和平」**を保ち、アフリカの奇跡、発展をとげている、と。
> “リープフロッグ”だと?そんなもの、我々に何が残ったというのだ!
*リープフロッグ=特定の技術やインフラを飛び越えて、一気に最新の技術やシステムを導入し発展すること。
ルワンダはこれにより世界から注目を集めている…
> ビジネスの世界は、ルワンダのカガメ大統領を、まるで素晴らしい指導者だと称賛する。
そして世界のメディアはアフリカは無視してパレスチナやウクライナばかり取り上げるんだ…!
結局、見た目が白人に近いパレスチナ人より、黒人の命の方が軽いんじゃないか?…当たり前か。
国際社会は、アフリカ内の微妙な力関係や文化なんてどうでもいいんだ。
結局、ジャーナリストにとっては撮れ高が重要なんだ。可哀想な白い肌の子供たちが苦しんでいる、という絵が。
🇯🇵 西映アニメーション:取れ高とトリクルダウン。
場面は、東京、西映アニメーションの制作フロアに切り替わる。
深夜。
ユウタ監督と鈴木、アツシの三人は、相変わらず散らかったデスクを囲んでいる。
> アツシ(アニメーター):
「ふと思ったんすけどね。
黒人とかもいっぱい死んでるイメージあるのに、パレスチナ人が一番可哀想ってイメージなのはなんでっすかね~笑」
> ユウタ監督:
「(真剣な顔で)それは、国際支援の構造に関わる深いテーマだ。」
> ユウタ監督:
「前にネットで読んだことがある。広告に使うとより寄付が集まるのは、自分と近い人種の人たちだって。」
「つまり、白い肌の多い人同士の争いであるウクライナやパレスチナ問題には、国際支援が集まりやすいのかも知れない…」
> ユウタ監督: 「私の作品でも、いつかそうしたテーマを子供たちにもわかりやすく取り上げたいのだが…
どうやってファンタジーと結びつけるかだな…」
> アツシ(アニメーター):
「ふーん。そんなことより、監督!イスラエルってニュースによると無茶苦茶惨殺し放題らしいのに、裏でよく平気でこんなギャグアニメ(FRANKENDO)つくれますよね~
神経がしれんわ~笑笑」
鈴木(制作進行): 「(冷たく)世界中でたくさん人が殺し合ってるのに、特段イスラエルだけ攻める事なんてないじゃないですか?」
> 「彼らはセキュリティ分野などトップクラス。いいもの作って売れてる。それが事実。」
「そのお金で、このYouTubeみたいに、日本のアニメーターに仕事発注してくれるといいんですけどね笑笑。
日本は失われた30年で、あっちは儲かってるんだから。
経済学で言うと、トリクルダウンってやつですよ笑笑。」
アツシ: 「何それ?」
鈴木: 「金持ちからしずくが垂れる様に、貧乏人に金がしたたってくるってやつです。」
アツシ: 「ふーん。なら日本の金持ちも、アニメーターの低賃金なんとかしてくれないんすかね笑笑、
笑えねー。世界の問題より日本の問題。まずは目の前の飯っしょ。笑えねー。」
アツシは、「自分がコンゴ民主共和国に対してイスラエルのギャグアニメクリエイターと大して変わらない事をしている事」に全く気が付く気配がないのであった…
フラッシュバックが心配な方は読み飛ばしください。🙇♂️
⚫︎ コンゴ民主共和国:見捨てられた痛み
アフリカの中央部。コンゴ民主共和国、東部イチュリ州の小さな村。
(*ここで起きている戦いは「第三次世界大戦」と呼ばれることもある。
これまでにナチスによるユダヤ人犠牲者と同等の600万人が犠牲になっていると言われる。
しかし、なぜか?世界は同じ期間あたりの犠牲者が少ないパレスチナの方に注目する…)
—男、ムワンザ(30代、元教師)は、日中の酷暑が去った後の地面に座り込み、遠い空を見上げていた。
周囲は赤茶けた土の上に、背の高いバナナの木や、主要な食料源であるキャッサバ(マニオク)の畑が、夜の闇に沈みかけている。
家々は、泥と粘土を固めた土壁でできており、多くは乾いた草の茅葺き屋根だが、一部には錆びたトタン屋根も見えた。
男のモノローグ:
なぜだ。
なぜ、世界はパレスチナばかりを注目する?
ルワンダが我々コンゴにしている現実を知ってほしい。
(*ルワンダ=コンゴ民主共和国の隣の国
1994年、ルワンダで多数派のフツ族が、少数派のツチ族や穏健派フツ族を組織的に殺害し、約100日間で80万人以上が犠牲になった。
それを乗り越えてアフリカトップクラスの治安の良い国となっている。)
> 俺たちは、西洋がアフリカに残した植民地時代の虐殺構造の、最後の被害者なのか?
>天然資源を狙ったルワンダ系武装組織が 俺たちにしてるレイ○はなんだ!女も男も、関係なく。
これが世界から見えない虐殺だ。
(*国際NGOケア・インターナショナルによると2025年の最初の4ヶ月だけで67000件の女性と女児への性暴力。)
> ツチ族は、ホロコーストの記憶を持つユダヤ人やユダヤ系の人々から、熱烈な同情と人気を得ているらしいな。同じ虐殺被害者だ、と。
彼らが我々コンゴに何をしているかも知らずに。
ツチ族が追い出した虐殺の加害者だったはずのフツ族は今、**「M23」**として、世界に認知すらされない闇の軍団になっている。
それなのに、国際社会は言う。
ツチ族とフツ族は**「和平」**を保ち、アフリカの奇跡、発展をとげている、と。
> “リープフロッグ”だと?そんなもの、我々に何が残ったというのだ!
*リープフロッグ=特定の技術やインフラを飛び越えて、一気に最新の技術やシステムを導入し発展すること。
ルワンダはこれにより世界から注目を集めている…
> ビジネスの世界は、ルワンダのカガメ大統領を、まるで素晴らしい指導者だと称賛する。
そして世界のメディアはアフリカは無視してパレスチナやウクライナばかり取り上げるんだ…!
結局、見た目が白人に近いパレスチナ人より、黒人の命の方が軽いんじゃないか?…当たり前か。
国際社会は、アフリカ内の微妙な力関係や文化なんてどうでもいいんだ。
結局、ジャーナリストにとっては撮れ高が重要なんだ。可哀想な白い肌の子供たちが苦しんでいる、という絵が。
🇯🇵 西映アニメーション:取れ高とトリクルダウン。
場面は、東京、西映アニメーションの制作フロアに切り替わる。
深夜。
ユウタ監督と鈴木、アツシの三人は、相変わらず散らかったデスクを囲んでいる。
> アツシ(アニメーター):
「ふと思ったんすけどね。
黒人とかもいっぱい死んでるイメージあるのに、パレスチナ人が一番可哀想ってイメージなのはなんでっすかね~笑」
> ユウタ監督:
「(真剣な顔で)それは、国際支援の構造に関わる深いテーマだ。」
> ユウタ監督:
「前にネットで読んだことがある。広告に使うとより寄付が集まるのは、自分と近い人種の人たちだって。」
「つまり、白い肌の多い人同士の争いであるウクライナやパレスチナ問題には、国際支援が集まりやすいのかも知れない…」
> ユウタ監督: 「私の作品でも、いつかそうしたテーマを子供たちにもわかりやすく取り上げたいのだが…
どうやってファンタジーと結びつけるかだな…」
> アツシ(アニメーター):
「ふーん。そんなことより、監督!イスラエルってニュースによると無茶苦茶惨殺し放題らしいのに、裏でよく平気でこんなギャグアニメ(FRANKENDO)つくれますよね~
神経がしれんわ~笑笑」
鈴木(制作進行): 「(冷たく)世界中でたくさん人が殺し合ってるのに、特段イスラエルだけ攻める事なんてないじゃないですか?」
> 「彼らはセキュリティ分野などトップクラス。いいもの作って売れてる。それが事実。」
「そのお金で、このYouTubeみたいに、日本のアニメーターに仕事発注してくれるといいんですけどね笑笑。
日本は失われた30年で、あっちは儲かってるんだから。
経済学で言うと、トリクルダウンってやつですよ笑笑。」
アツシ: 「何それ?」
鈴木: 「金持ちからしずくが垂れる様に、貧乏人に金がしたたってくるってやつです。」
アツシ: 「ふーん。なら日本の金持ちも、アニメーターの低賃金なんとかしてくれないんすかね笑笑、
笑えねー。世界の問題より日本の問題。まずは目の前の飯っしょ。笑えねー。」
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