“平和”な日々-イスラエル国防軍の憂鬱とハマスが踊るダブカの辛さ-

霧人 イスラエル・ハイム

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駐日イスラエル大使館の受付の苦悩②

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大使館の閉館後。

東京のオフィスで、彼女は一人で残業している。

駐日大使館受付女性:内なる壁

場所は、駐日イスラエル大使館の政務部。閉館後のオフィス。

ナオミ(30代半ば)は、冷たい電話の受話器を置き、静かに机を拭いた。

彼女は、大使館の電話受付と事務を担当している日本人職員だ。

(心の中で、静かで、しかし疲弊した声で)
「今日も**『死ね』という電話が3件、『お前はパレスチナの敵だ』というメールが5件。

そして、『君たちは正しい、頑張れ』という激励が2件。

私の仕事は、この憎悪と狂気の境界線**に、毎日、**笑顔の『壁』**を築くことだ。」

「私は…イスラエル人の同僚が皆、素晴らしい人たちだと知っている。

彼らの家族の写真を見た。

彼らの冗談を聞いた。

彼らがこの国でどれほど孤独かを知っている。

だから、私は彼らの盾でいなければならない。

公の場では**『イスラエルの政策は正しい』**と、私の魂を少しずつ削りながら、言い続ける。」

「でも、昨日の夕刊のパレスチナの少女の写真が、頭から離れない。

家を失い、泣きながらダブカ(アラブの民族舞踊)を踊る動画を見た。

なぜ、こんな悲劇を、この大使館の温かいオフィスから、私は肯定しなければならないのだろう?」

「私の心は、パレスチナへの憐れみで満ちている。彼らの声が、私の良心を毎日ノックする。

私は、彼らが**『不当に苦しんでいる』ことを知っている。

でも、もしそれを一言でも口にしたら、私は『裏切り者』として、この安全な場所(仕事)**から追い出される。
そうなれば、東京での生活は成り立たない。」

「私は、ユダヤの神を信じているわけではない。

イスラエルの国家に忠誠を誓っているわけでもない。

ただ、生活のために、この場所で、私の内なる倫理観を殺し続けている。

これは、左翼の友人の前で『お金持ちになりたい』と言えなかった、あの苦しみと同じじゃないか? 
私は、安全と引き換えに、自分の魂を売っている…」

ナオミは、デスクの引き出しから、小さなアラブのスパイスの瓶を取り出した。

数年前にパレスチナ人の友人がくれた、ザアタルの香りだ。

「私は…ただ、人間として、人間を愛したいだけなのに。」

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