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番外編
前編
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「ほ、ほほ本当にうちのアラステアと婚約を...!?!?
しかも恋愛結婚なんですか!?!?」
公爵家の広い客室にお父さんの驚いた声が響き渡る。
「まぁまぁまぁまぁ!!」
空いた口が塞がらないお母さんはずっと驚きと嬉しさが混ざったように“まぁ!”としか発せなくなっていた。
そんな2人の様子に苦笑しながらチラリと隣にいるディーを盗み見るとパチっと目が合い微笑まれる。
「先程説明した通り、既に籍を入れてしまいました。
ご報告が遅くなってしまいすみません。」
頭を下げるディーに慌てたように首を振るお父さん。
「いえ、事情が事情なのだから仕方ありませんよっ!
それにしても、とうとうアラステアも結婚か...」
「結婚する気なんてないのかと思っていましたの。
そうそう、伯爵家の方にお詫びの品を王家からも送っていただいたそうで...
私達が早とちりしたせいなのに、申し訳ありませんわ」
なんと、ドタキャン&婚約破棄してしまった伯爵家に王族が直々に詫びたらしい。
ディーが第二王子だったことの衝撃がすごくて伯爵家との約束なんて忘れてたな...
「そんなに気にしないでください。
その代わりと言ってはなんですが、今夜こちらに泊めていただけますか?
今王宮の方がバタバタしていて居づらいので...」
「ええ!是非泊まっていってくださいな!
そういえばいつ頃こちらに引っ越されます?
テアの隣の部屋が空いておりますので暫くはそちらで、当主になりましたら今私たちの使っている部屋を使っていただく事になると思います。
ご使用になられる部屋の改装が引っ越しまでに間に合うといいのですが...」
「後でうちの使用人が打ち合わせに来ると思うのでその時に予定は決めましょう。
部屋の改装などは必要ありませんよ。
キングサイズのベッドさえあれば十分です。」
お母さんは何故か“きゃー”とわざとらしく叫んでいる。
普通、皇籍離脱しどこかに婿入り(嫁入り)する場合、迎える家は盛大に祝いその為の改装工事などを一気に進めるのだ。
でもディーはそんなことにお金を使わなくて良いと言った。
これまで受け継がれてきた部屋を壊すのも勿体無いとも。
その気遣いに感動したお父さんは目を潤ませながら
「テアが好きな人なら誰でも反対しまいと思っていたがこんな素晴らしい人を連れてくるなんて...」
と呟いた。
「じゃあもうディーと上に行っていい?
色々あって疲れたからもう休みたいな」
この調子じゃ何時間もここにいる羽目になると今まで閉じていた口を開く。
「そうだな、そうしなさい。」
話し足りなさそうな視線を感じたが無視してディーの手を掴んでさっさと部屋を出た。
「テアの部屋ずっと見たかった~」
嬉しそうに僕の部屋に入っていくディー。
大したものは無いけどね...?
そういえば付き合っていたのにお互いの部屋に行ったことなかったなと思い出す。
まぁ、警備の面からして平民が貴族の部屋に入るのは難しかったからしょうがない。。。
「うわ~シンプルなんだね」
「うん。ごちゃごちゃあるのが嫌いなんだ」
「へ~ツンデレのテアっぽいなぁ
あ、ベッドも大きい!
これ2人一緒に寝れるんじゃない?」
「これとツンデレは関係ないでしょ...
じゃあ今日ここで一緒に寝る?」
何気なーくそう言うと、バッと勢いよくディーが振り返った。
「それ、意味分かっていってる...?」
「何が?」
なんのことか分からず首を傾げると、はぁ...と大きく息を吐かれてしまった。
ドサっ
「こういうこと...なんだけど」
ベッドに押し倒された僕はようやくディーの言った言葉を察して赤面したのだった。
しかも恋愛結婚なんですか!?!?」
公爵家の広い客室にお父さんの驚いた声が響き渡る。
「まぁまぁまぁまぁ!!」
空いた口が塞がらないお母さんはずっと驚きと嬉しさが混ざったように“まぁ!”としか発せなくなっていた。
そんな2人の様子に苦笑しながらチラリと隣にいるディーを盗み見るとパチっと目が合い微笑まれる。
「先程説明した通り、既に籍を入れてしまいました。
ご報告が遅くなってしまいすみません。」
頭を下げるディーに慌てたように首を振るお父さん。
「いえ、事情が事情なのだから仕方ありませんよっ!
それにしても、とうとうアラステアも結婚か...」
「結婚する気なんてないのかと思っていましたの。
そうそう、伯爵家の方にお詫びの品を王家からも送っていただいたそうで...
私達が早とちりしたせいなのに、申し訳ありませんわ」
なんと、ドタキャン&婚約破棄してしまった伯爵家に王族が直々に詫びたらしい。
ディーが第二王子だったことの衝撃がすごくて伯爵家との約束なんて忘れてたな...
「そんなに気にしないでください。
その代わりと言ってはなんですが、今夜こちらに泊めていただけますか?
今王宮の方がバタバタしていて居づらいので...」
「ええ!是非泊まっていってくださいな!
そういえばいつ頃こちらに引っ越されます?
テアの隣の部屋が空いておりますので暫くはそちらで、当主になりましたら今私たちの使っている部屋を使っていただく事になると思います。
ご使用になられる部屋の改装が引っ越しまでに間に合うといいのですが...」
「後でうちの使用人が打ち合わせに来ると思うのでその時に予定は決めましょう。
部屋の改装などは必要ありませんよ。
キングサイズのベッドさえあれば十分です。」
お母さんは何故か“きゃー”とわざとらしく叫んでいる。
普通、皇籍離脱しどこかに婿入り(嫁入り)する場合、迎える家は盛大に祝いその為の改装工事などを一気に進めるのだ。
でもディーはそんなことにお金を使わなくて良いと言った。
これまで受け継がれてきた部屋を壊すのも勿体無いとも。
その気遣いに感動したお父さんは目を潤ませながら
「テアが好きな人なら誰でも反対しまいと思っていたがこんな素晴らしい人を連れてくるなんて...」
と呟いた。
「じゃあもうディーと上に行っていい?
色々あって疲れたからもう休みたいな」
この調子じゃ何時間もここにいる羽目になると今まで閉じていた口を開く。
「そうだな、そうしなさい。」
話し足りなさそうな視線を感じたが無視してディーの手を掴んでさっさと部屋を出た。
「テアの部屋ずっと見たかった~」
嬉しそうに僕の部屋に入っていくディー。
大したものは無いけどね...?
そういえば付き合っていたのにお互いの部屋に行ったことなかったなと思い出す。
まぁ、警備の面からして平民が貴族の部屋に入るのは難しかったからしょうがない。。。
「うわ~シンプルなんだね」
「うん。ごちゃごちゃあるのが嫌いなんだ」
「へ~ツンデレのテアっぽいなぁ
あ、ベッドも大きい!
これ2人一緒に寝れるんじゃない?」
「これとツンデレは関係ないでしょ...
じゃあ今日ここで一緒に寝る?」
何気なーくそう言うと、バッと勢いよくディーが振り返った。
「それ、意味分かっていってる...?」
「何が?」
なんのことか分からず首を傾げると、はぁ...と大きく息を吐かれてしまった。
ドサっ
「こういうこと...なんだけど」
ベッドに押し倒された僕はようやくディーの言った言葉を察して赤面したのだった。
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