【完結】悪役令嬢には理由があって 〜人生四度目の王子の婚約者はあえて高慢な態度を取っています。

ゴールデンフィッシュメダル

文字の大きさ
4 / 12

4. 悪役令嬢と理由

しおりを挟む
ティターニアは諦めていた。
この生での人生を。

今回もどこかでやり方を間違えたのだ。
ティターニアにはこれまで3度死んだ記憶がある。



一度目のティターニアはまだ何も知らなかった。ロビン王子の婚約者として何の問題もなく過ごしていた。
しかし、卒業式の3日後に魔王が現れ世界は滅ぼされた。
その時、たしかにティターニアも死んだはずであった。ロビンの隣で。

一度目の人生は魔王の復活さえなければそれなりに幸せな生涯だった。魔王の復活と共に殺された多くの命と共にティターニアも永遠の眠りにつくはずだった。

しかし、神がそれを許さなかった。
「勇者の孫よ、剣を極めなさい」と言う言葉と共に時間が婚約が結ばれる前にもどったのだ。




二度目の人生で全てを覚えていたのはティターニアだけだった。ロビンに魔王が復活する事、勇者の孫だけが魔王を倒せることを伝えた。しかし、ロビンは信じず、ロビンとティターニアの仲も険悪になった。二度目のロビンが愛したのはハーミアだった。

初代の王は勇者であり、魔王を退治したという伝説はある。しかし、その伝説をこの国の者は誰も真実だとは思っていなかった。王の威厳を出すためのマユツバなのだと思っていた。何故なら魔王など存在しないのだから。

二度目の生でもティターニアはあっけなく死んだ。やはり死ぬのはロビンの隣だった。いくらロビンがハーミアを好きでも身分の低い彼女は妾になるだけで妃になるのはティターニアだった。

「勇者の孫よ、国一番の剣士になりなさい」
二度目の死の時には神にそう言われて再び婚約前に戻った。




三度目の生ではロビンに打ち明ける事なくロビンを褒めることにした。褒めて煽ててロビンにやる気を出してもらい剣と魔法を極めてもらおうと思ったのだ。

しかし、ある程度の能力があればロビンは慢心して努力をやめてしまう。ロビンは剣も魔法も極める事が出来なかった。常に誉めて讃えるティターニアがそばにいたので三度目のロビンが愛したのはティターニアであった。

当然魔王に殺されティターニアは死んだ。ロビンの隣で。
「剣から魔法が出せなければ話になりません」
そう言われてみたび、婚約前に戻った。




そして、今、四度目の生である。
ティターニアは褒めてダメならロビンのプライドを刺激してやる気を出させようとした。ロビンは王子らしくプライドの高いところがある。
そのためにティターニアは誰よりも努力した。そしてロビンを小馬鹿にする事でやる気を出させた。この方法は三度目の誉め殺し作戦よりも効果を発揮した。しかし、それも学園に入るまでだった。

学園に入ると王子は途端にやる気を無くした。
剣も魔法もそれなりに出来ることに慢心し、周りの生徒の言葉にプライドを満たしたからだ。
ロビンは二度目の生と同じようにハーミアを愛しティターニアを疎かにした。そして、ついに先日の婚約破棄宣言である。
あれ以来、ロビンに近付けなくなったティターニアはもうこの生は諦めた。

どうせ、死んでまた蘇る。だったら残り少ない人生を楽しもうと思った。都合のいいことに毎日、隣国の王子が遊びに誘ってくれるのでティターニアは隣国の王子に促されるまま楽しんだ。


それなのに、何故かこのタイミングでロビンが努力をはじめた。ティターニアには何がロビンを突き動かしているのかはわからなかった。


「ロビンに何をしたのよ?」
ある日、ハーミアが声をかけて来た。

「殿下がどうかなさったのですか?」 
ティターニアはキョトンとしてハーミアに問い返した。

「あなたじゃないの?」

「さあ?わたくしには何のことだかさっぱりわかりませんわ。婚約破棄宣言の日から殿下とお会いしたのは図書室で偶然お会いした一度だけですもの。」

「そうなのね。」

そう言ってハーミアは制服のスカートをギュッと握りしめると足早に去って行った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】泣き虫だったあなたへ

彩華(あやはな)
恋愛
小さい頃あなたは泣き虫だった。 わたしはあなたをよく泣かした。 綺麗だと思った。溶けるんじゃないかと思った。 あなたが泣かなくなったのはいつの頃だった・・・。

婚約破棄から始まる、ジャガイモ令嬢の優雅な畑生活

松本雀
恋愛
王太子から一方的な婚約破棄の書状を受け取ったその日、エリザベートは呟いた。 「婚約解消ですって?ありがたや~~!」 ◆◆◆ 殿下、覚えていらっしゃいますか? あなたが選んだ隣国の姫のことではなく、 ――私、侯爵令嬢エリザベートのことを。 あなたに婚約を破棄されて以来、私の人生は見違えるほど実り多くなりましたの。 優雅な所作で鍬を振り、ジャガイモを育て、恋をして。 私のことはご心配なく。土と恋の温もりは、宮廷の冷たい風よりずっと上等ですわ!

【短編】誰も幸せになんかなれない~悪役令嬢の終末~

真辺わ人
恋愛
私は前世の記憶を持つ悪役令嬢。 自分が愛する人に裏切られて殺される未来を知っている。 回避したいけれど回避できなかったらどうしたらいいの? *後編投稿済み。これにて完結です。 *ハピエンではないので注意。

お飾りの私と怖そうな隣国の王子様

mahiro
恋愛
お飾りの婚約者だった。 だって、私とあの人が出会う前からあの人には好きな人がいた。 その人は隣国の王女様で、昔から二人はお互いを思い合っているように見えた。 「エディス、今すぐ婚約を破棄してくれ」 そう言ってきた王子様は真剣そのもので、拒否は許さないと目がそう訴えていた。 いつかこの日が来るとは思っていた。 思い合っている二人が両思いになる日が来ればいつの日か、と。 思いが叶った彼に祝いの言葉と、破棄を受け入れるような発言をしたけれど、もう私には用はないと彼は一切私を見ることなどなく、部屋を出て行ってしまった。

女避けの為の婚約なので卒業したら穏やかに婚約破棄される予定です

くじら
恋愛
「俺の…婚約者のフリをしてくれないか」 身分や肩書きだけで何人もの男性に声を掛ける留学生から逃れる為、彼は私に恋人のふりをしてほしいと言う。 期間は卒業まで。 彼のことが気になっていたので快諾したものの、別れの時は近づいて…。

好きじゃない人と結婚した「愛がなくても幸せになれると知った」プロポーズは「君は家にいるだけで何もしなくてもいい」

佐藤 美奈
恋愛
好きじゃない人と結婚した。子爵令嬢アイラは公爵家の令息ロバートと結婚した。そんなに好きじゃないけど両親に言われて会って見合いして結婚した。 「結婚してほしい。君は家にいるだけで何もしなくてもいいから」と言われてアイラは結婚を決めた。義母と義父も優しく満たされていた。アイラの生活の日常。 公爵家に嫁いだアイラに、親友の男爵令嬢クレアは羨ましがった。 そんな平穏な日常が、一変するような出来事が起こった。ロバートの幼馴染のレイラという伯爵令嬢が、家族を連れて公爵家に怒鳴り込んできたのだ。

「二年だけの公爵夫人~奪い合う愛と偽りの契約~」二年間の花嫁 パラレルワールド

柴田はつみ
恋愛
二年だけの契約結婚―― その相手は、幼い頃から密かに想い続けた公爵アラン。 だが、彼には将来を誓い合った相手がいる。 私はただの“かりそめの妻”にすぎず、期限が来れば静かに去る運命。 それでもいい。ただ、少しの間だけでも彼のそばにいたい――そう思っていた。 けれど、現実は甘くなかった。 社交界では意地悪な貴婦人たちが舞踏会やお茶会で私を嘲笑い、 アランを狙う身分の低い令嬢が巧妙な罠を仕掛けてくる。 さらに――アランが密かに想っていると噂される未亡人。 彼女はアランの親友の妻でありながら、彼を誘惑することをやめない。 優雅な微笑みの裏で仕掛けられる、巧みな誘惑作戦。 そしてもう一人。 血のつながらない義兄が、私を愛していると告げてきた。 その視線は、兄としてではなく、一人の男としての熱を帯びて――。 知らぬ間に始まった、アランと義兄による“奪い合い”。 だが誰も知らない。アランは、かつて街で私が貧しい子にパンを差し出す姿を見て、一目惚れしていたことを。 この結婚も、その出会いから始まった彼の策略だったことを。 愛と誤解、嫉妬と執着が交錯する二年間。 契約の終わりに待つのは別れか、それとも――。

好きだった人 〜二度目の恋は本物か〜

ぐう
恋愛
アンジェラ編 幼い頃から大好だった。彼も優しく会いに来てくれていたけれど… 彼が選んだのは噂の王女様だった。 初恋とさよならしたアンジェラ、失恋したはずがいつのまにか… ミラ編 婚約者とその恋人に陥れられて婚約破棄されたミラ。冤罪で全て捨てたはずのミラ。意外なところからいつのまにか… ミラ編の方がアンジェラ編より過去から始まります。登場人物はリンクしています。 小説家になろうに投稿していたミラ編の分岐部分を改稿したものを投稿します。

処理中です...