【完結】転生王子は、今日も婚約者が愛しい

珊瑚

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「突然何よ…………?確かにその通りだけれど、私の光魔法は私のものよ!気に入らないからってそこまでの言いがかりをつけられる筋合いは「おかしいだろう?」……は?」
「別に、光魔法の使い手がこの国に現れたのは初めてじゃない。なのにどうしてわたしがお前の補助をしなければならなかったと思う?…………お前以外で光魔法に目覚めたもの達は、皆教えられずとも自ずとその使い方を分かっていたからだ。そのお陰で他の人間は光魔法の使い方など知らない。勿論、文献にも残っていなかった。だから、一際身分と魔力の高かったわたしが、万が一お前が暴走した時に止められるように、と監視を命ぜられた。」
「監視……?補助じゃなくて……?」
「あぁ。監視だ。だが、光魔法の使い手に無用なストレスを与えるのは良くないとかんがえられたから補助という表現をしただけだ。……礼儀作法や振る舞いは、わたしが口を出すような次元の話ですら無かった。何一つなってない。何度も実家の男爵家にしつけ直すようにと言ったのだがな。」
「……は?何を……!」
「監視をして数ヶ月。お前は完璧だった。『光魔法の使い手』としてふるまうのは。だが、それにしても魔力の総量が少なすぎる。」

ステファンは、わざとらしく考え込むような素振りを見せた。ジュリーに隙を与えないために話し続けて疲れたのかもしれないし、静まり返った会場内の人間達に、考える時間を与えるためかもしれない。端々で反論しようとステファンに割って入ろうとしていたジュリーだが、畳み掛けるような彼の物言いに隙を見つけることが出来ないでいた。やっと1度止まっても、彼が確信を持って話していると分かった今、遅かれ早かれ明るみになるのならば、余計なことを言って自爆するのを防ぎたいジュリーは黙っていることしかできなかった。
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