【完結】負けヒロインに転生しました

5

5
この機能があれば、多少変なことを口走ったとしても自動変換されて怪しまれる心配もない。
余計な心配をせずに生きていける。やはりゲームの世界線だからだろうか。
システム様万々歳だ。

しかも、ミレーヌからのアタックにさほど気にした風もなかった先ほどからのフロリアの様子から鑑みるに、ミレーヌは元々お姉ちゃん大好きっ子のようだ。
都合がいい。
だってどれほど愛を伝えても不審がられることも気味悪がられる心配もいらないのだから。
ゲーム本編の中でも、裏ルートの中でも、姉妹の仲が元々は良かったという情報しかなく、具体的なキャラクターたちの幼少期の描写が無かったからどう動いたらいいのか考えなくてはならないのかと心配していたのだが、それも杞憂のようだ。

もし、自分が転生したのが本編だったならば、ユーゴからの求愛を跳ねのければよし、裏ルートだったのならば、…………………………あれ？自分がユーゴを無視すればそもそも物語が始まることもないのでは………………？

重大なことに気がついてしまった。つまり、フロリアをひたすら愛でる事しか基本頭にない自分では問題ないのでは………………？
とはいえ、先ほどのセリフの件からも分かる通り、ここはあくまでもゲームの世界。
何が起こるかわかったものでは無い。
ゲーム補正がかかってしまうかもしれない。
主人公補正も気をつけなくてはならない。
もしも万が一、この世界がゲームベースの世界なのではなく、誰かがプレイしているものだったとしたら？
そうなるともう手の施しようが無くなってしまう。

流石にこれは考えすぎかとも思った。
さっきは自分の思う通りに動けたのだから。
だが、今はまだゲームが始まっていないのだ。
学園に入学し、ゲームが開始されると同時に好きに動けなくなる可能性だってあるのだ。

だが、いくら心配しようとも所詮は可能性でしかない。
今ミレーヌとして自分ができることなど一つもなかった。




～お知らせ～
第1話(プロローグ)にて、本来入れる予定だった文章が抜けていた事が発覚致しましたので、追加致しました。
追加致しましたのは最初の6行になります。
特に本編内容には関係ありませんのでご了承くださいm(_ _)m💦