お御影様

邪神 白猫

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170 :俺氏:2022/06/23(木)
22:11:29
俺の影に名前があったとは初耳だ

171 :名無し:2022/06/23(木) 22:13:10
お御影様? 何それ

172 :名無し:2022/06/23(木) 22:13:59
>>168
詳しく教えて

173 :名無し:2022/06/23(木) 22:15:42
俺も聞いたことある そのお御影様ってやつ。神霊らしいよ

174 :名無し:2022/06/23(木) 22:16:57
神霊って神様ってこと?

175 :名無し:2022/06/23(木) 22:17:21
まさかの神降臨

176 :俺氏:2022/06/23(木) 22:18:32
俺もついに神になったか

177 :名無し:2022/06/23(木) 22:18:51
>>169
詳しくは知らないけど、人が死んで神になったものらしい

178 :名無し:2022/06/23(木) 22:20:06
神様が憑いてるとか、なんか羨ましい

179 :名無し:2022/06/23(木) 22:20:11
その“影”は安全なんでしょうか?

180 :名無し:2022/06/23(木) 22:21:05
神なら安全。むしろ御利益ありそう

181 :俺氏:2022/06/23(木) 
22:21:13
安心しろ。俺は危害は加えない

182 :名無し:2022/06/23(木) 22:21:53
神様なら、お御影様に一度会ってみたいな

182 :名無し:2022/06/23(木) 22:23:24
>>179
神様みたいなものだから、悪いものではないって聞いた


 そんなやり取りが続く中一人安堵した私は、感謝の言葉を述べてからスレッドを退出すると、早速Aへと“お御影様”についての報告をすることにしました。


「──もしもし。A、大丈夫? あのね、“影”について調べてみたんだけど。その“影”は“お御影様”って言ってね、神様みたいなものらしいよ」

『神様……? じゃあ、何か悪いものとかではないってこと?』

「うん。心配ないみたい」

『良かった……っ』


 心底安堵したようなAの様子を受けて、これでもう大丈夫だろうと私も安堵したのです。ですが、それでAの元から影の存在が消えたというわけでもなく、相変わらずAの傍には影が纏わり付いているようでした。以前のように怯えることはなくなったものの、かと言って居心地の良いものでもありません。
 それからというもの、Aから影についての報告を聞くことが私の日課となりました。きっと、私に話すことで不安な気持ちを幾分か和らげる効果もあったのだと思います。

 そんなある日、少し焦ったような声音で電話を掛けてきたAから告げられたのは、ついにお御影様に腕を掴まれてしまったという報告でした。といっても、掴まれたのは“影”の話しで、お御影様がAの影を掴んだというのです。


「でも、神様みたいなものらしいし、きっと大丈夫だよ」


 不安がるAに向けてそう励ましてはみたものの、私自身、何かよからぬことが起きているのではないかと、そんな漠然とした不安に襲われたのです。
 そのどうにも拭えきれない不安さに、Aとの通話を終えた私は、久しぶりにあのスレッドを覗いてみることにしました。


637 :名無し:2022/06/29(水) 17:21:42
で結局、その影ってのは大丈夫なのか?

638 :俺氏:2022/06/29(水) 18:01:15
友達は平気か?心配だな

639 :名無し:2022/06/29(水) 18:14:57
どうせ作り話だろ。本気にしすぎ

640 :名無し:2022/06/29(水) 18:42:28
もう見てないのかな…

641 :名無し:2022/06/29(水) 18:49:44
>>637
話し聞いた感じ、全然大丈夫じゃなさそう

642 :名無し:2022/06/29(水) 18:55:26
けど、どっちが正しいか分からないよな。誰か他に影を見たヤツいないの?

643 :名無し:2022/06/29(水) 18:58:41
>>639
信じてないのにスレ見てるとかw本当は怖いんだろ?素直になれよ

643 :名無し:2022/06/29(水) 19:01:25
友達大丈夫?見てたらコメントして


 私がスレッドを目にしてまず最初に驚いたことは、“お御影様”についての話題で未だに盛り上がっていることでした。
 オカルトという幅広いジャンルでありながらも、あれから一週間近く経っているというのに、他の話題に逸れることなくたった一つの話題で盛り上がり続けていたのです。

 最新のコメントからすると、どうやら心配されているということだけは分かりました。ですが、一体どういう流れからそうなったのかが分からなかった私は、少し前へとスレッドを遡ってみることにしたんです。
 すると、そこに気になるコメントが投稿されているのを見つけたのです。


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