5 / 6
5話
しおりを挟む
真夏の身体が焼けるような強い太陽光を浴びながら登校し、汗をダラダラと流して中央玄関へ入る。校舎内に入っても、さほど温度は変わらない——
少し熱中症気味で頭をくらくらとさせながらも、靴を履き替え、長い中央階段を登る。1年生の教室は4階にあるので、かなりつらい。
とにかく何も考ず、ただ心を無にして階段を登る。そしてようやく着いた。
——かと思えばそこは3階。間違えて2年生の教室に入るところだった……
なんか周りな2年生に変な目で見られたし。
最後のひと踏ん張りで、残りの1階分の階段を登る。
すると、目の前には教室の扉が見えたので、本能的に俺は教室に飛び込んだ。
まるで、サハラ砂漠をさまよっていた男が、オアシスを発見して飛び込みにいくかのようだった。
部屋に入った瞬間、教室中の大量の冷気が一気に俺へと押し寄せる————
「ふぅぁぁぁ~~~」
身体から、熱気がプシューッと放出されていくのが分かる。これは『夏の幸せ』とも言える最高の瞬間である。
最高の時間を感じつつ、俺は自分の席へと向かう。
——隣の席では、美少女が机の上で溶けていた。そう、細川さんが溶けていたのである。
正直に言うと、とんでもなく可愛い。そんな彼女をしばらく見ていると、どうやら相手もこちらに気づいたようだ。
細川さんは顔を上げ、こちらに体を向けると
「遠野くぅん、おはよぉ~~」
と、なんとも気の抜けた声で言ってきた。
「あ、おはようございます」
ここは気を抜かず、少し緊張気味で返す。昨日の相合傘があって以来、頭の中はほとんど細川さんが占めている。そのせいか、前のようにはまともに返事ができない。いや、よく考えると前々からまともに返事できたことないか……
まあ、そんなことを考えながら俺は自分の席に座った。細川さんは、さっきのあいさつの後、また溶けた状態に戻ってしまった——
とりあえず、俺は自分のカバンから教科書やノートを机の中に移した。
が、搬入作業を終えると、何もすることがなくなってしまった。まさしく暇だ——
ラノベも家に置いてきたし、今から何をしてSHRまで時間を潰そうかと考えていると……
「ねぇねぇ遠野くんっ 心理テストしよ~~」
と、さっきまでは机の上で溶けていた美少女。細川さんが提案をしてきた。
心理テスト—— そういうものはやった経験があまりないのだが、他にやることもなかったので、俺はそれに参加した。
「んじゃ、適当にネットで調べるね~~」
と言うと、細川さんはカバンのポケットからスマホを取り出した。
その後は何やらスマホをポチポチしだしたので、それを横目に、先ほどまでの細川さんのように机に溶けてみた——
しばらく液体化していると……
「遠野くん! いいの見つけたよ!」
と言って、心理テストの質問を投げかけてきた。
「あなたは1週間ほど海外へ旅行することになりました。以下の4つのうち、どの場所に行きたいですか? 1.有名なテーマパーク、2.絶景の秘境、3.都会の街、4.文化・歴史的な場所」
「んーー 有名なテーマパークかな」
なんとなく、せっかく海外へ行くならスリルを味わいたいと思って選んだ。あ、スリルって日本でも味わえるか……
「1の有名なテーマパークを選んだあなた!
あなたは恋愛に『スリル』を求めています。
だってぇ~~!」
と、何だか面白げに伝えてきた。どうやら、俺はハラハラドキドキの恋愛が好みのようだ。これはまずいことなのでは? と、一瞬考えたがその後は何も考えないことにした……
「ちなみに他はどうなの?」
他の回答についても、気になったので聞いてみた。
「2の絶景の秘境を選んだ人は『容姿』、3の都会の街を選んだ人は『知性』、4の文化・歴史的な場所を選んだ人は『性格』を恋愛に求めてるんだってぇ~~」
「なるほど…… よく分からないや……」
「んじゃ次いくねぇ~~」
少し熱中症気味で頭をくらくらとさせながらも、靴を履き替え、長い中央階段を登る。1年生の教室は4階にあるので、かなりつらい。
とにかく何も考ず、ただ心を無にして階段を登る。そしてようやく着いた。
——かと思えばそこは3階。間違えて2年生の教室に入るところだった……
なんか周りな2年生に変な目で見られたし。
最後のひと踏ん張りで、残りの1階分の階段を登る。
すると、目の前には教室の扉が見えたので、本能的に俺は教室に飛び込んだ。
まるで、サハラ砂漠をさまよっていた男が、オアシスを発見して飛び込みにいくかのようだった。
部屋に入った瞬間、教室中の大量の冷気が一気に俺へと押し寄せる————
「ふぅぁぁぁ~~~」
身体から、熱気がプシューッと放出されていくのが分かる。これは『夏の幸せ』とも言える最高の瞬間である。
最高の時間を感じつつ、俺は自分の席へと向かう。
——隣の席では、美少女が机の上で溶けていた。そう、細川さんが溶けていたのである。
正直に言うと、とんでもなく可愛い。そんな彼女をしばらく見ていると、どうやら相手もこちらに気づいたようだ。
細川さんは顔を上げ、こちらに体を向けると
「遠野くぅん、おはよぉ~~」
と、なんとも気の抜けた声で言ってきた。
「あ、おはようございます」
ここは気を抜かず、少し緊張気味で返す。昨日の相合傘があって以来、頭の中はほとんど細川さんが占めている。そのせいか、前のようにはまともに返事ができない。いや、よく考えると前々からまともに返事できたことないか……
まあ、そんなことを考えながら俺は自分の席に座った。細川さんは、さっきのあいさつの後、また溶けた状態に戻ってしまった——
とりあえず、俺は自分のカバンから教科書やノートを机の中に移した。
が、搬入作業を終えると、何もすることがなくなってしまった。まさしく暇だ——
ラノベも家に置いてきたし、今から何をしてSHRまで時間を潰そうかと考えていると……
「ねぇねぇ遠野くんっ 心理テストしよ~~」
と、さっきまでは机の上で溶けていた美少女。細川さんが提案をしてきた。
心理テスト—— そういうものはやった経験があまりないのだが、他にやることもなかったので、俺はそれに参加した。
「んじゃ、適当にネットで調べるね~~」
と言うと、細川さんはカバンのポケットからスマホを取り出した。
その後は何やらスマホをポチポチしだしたので、それを横目に、先ほどまでの細川さんのように机に溶けてみた——
しばらく液体化していると……
「遠野くん! いいの見つけたよ!」
と言って、心理テストの質問を投げかけてきた。
「あなたは1週間ほど海外へ旅行することになりました。以下の4つのうち、どの場所に行きたいですか? 1.有名なテーマパーク、2.絶景の秘境、3.都会の街、4.文化・歴史的な場所」
「んーー 有名なテーマパークかな」
なんとなく、せっかく海外へ行くならスリルを味わいたいと思って選んだ。あ、スリルって日本でも味わえるか……
「1の有名なテーマパークを選んだあなた!
あなたは恋愛に『スリル』を求めています。
だってぇ~~!」
と、何だか面白げに伝えてきた。どうやら、俺はハラハラドキドキの恋愛が好みのようだ。これはまずいことなのでは? と、一瞬考えたがその後は何も考えないことにした……
「ちなみに他はどうなの?」
他の回答についても、気になったので聞いてみた。
「2の絶景の秘境を選んだ人は『容姿』、3の都会の街を選んだ人は『知性』、4の文化・歴史的な場所を選んだ人は『性格』を恋愛に求めてるんだってぇ~~」
「なるほど…… よく分からないや……」
「んじゃ次いくねぇ~~」
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる