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九話 十年前
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梅は追いかけようと、立ち上がるが、
「・・・・・・もう、知らん!」
台所の椅子に座り込む。
「・・・・・・」
まあ、この辺にはそんな危ない場所や蛇以外の危険な生き物はいないし、あたしら家族・・・・・・貞彦さん除いては蛇の毒では死なん。山には薬草を摘みに何度か椿を連れて行ったことがある。迷うことはないだろ・・・・・・
「・・・・・・」
梅は椅子から立ち上がり、台所のテーブルの周りを歩き出す。そして、椅子に座る。
「・・・・・・」
梅は昔のことを思い出す。
十年前──
椿と晴子が箒を取りに行った後、梅は貞彦と二人きりになった。
「やっぱり、母親には敵わないのかね。貞彦さん」
「そんなことはないですよ。椿は春子と同じくらいお義母さんのことも好きだと思います。ただ、春子は国家魔法治安士で忙しいですからね・・・・・・」
「あの娘は国家魔法治安士だからって、仕事し過ぎなんだよ。もう少し家族との時間を大切にしなって話さ」
「そうは言っても、自分の手が届く所までは助けたいと春子自身が言ってましたからね。まあ僕はそんな部分も含めて惚れたんですけど」
梅と貞彦は箒を持って、楽しそうに手をつなぎながらこちらに向かう晴子と椿を見ていた。
そして、現在──
「やっぱり、あたしなんかより春子が好きなのかね」
梅がボソっとつぶやいてると、玄関ベルが鳴る。
「!」
梅は急いで、玄関に行く。
もしかしたら、椿が家の中に入りにくいからって押したのかもしれないと思ったからだ。
玄関のドアを開けた。
「椿、おかえ・・・・・・!」
「・・・・・・もう、知らん!」
台所の椅子に座り込む。
「・・・・・・」
まあ、この辺にはそんな危ない場所や蛇以外の危険な生き物はいないし、あたしら家族・・・・・・貞彦さん除いては蛇の毒では死なん。山には薬草を摘みに何度か椿を連れて行ったことがある。迷うことはないだろ・・・・・・
「・・・・・・」
梅は椅子から立ち上がり、台所のテーブルの周りを歩き出す。そして、椅子に座る。
「・・・・・・」
梅は昔のことを思い出す。
十年前──
椿と晴子が箒を取りに行った後、梅は貞彦と二人きりになった。
「やっぱり、母親には敵わないのかね。貞彦さん」
「そんなことはないですよ。椿は春子と同じくらいお義母さんのことも好きだと思います。ただ、春子は国家魔法治安士で忙しいですからね・・・・・・」
「あの娘は国家魔法治安士だからって、仕事し過ぎなんだよ。もう少し家族との時間を大切にしなって話さ」
「そうは言っても、自分の手が届く所までは助けたいと春子自身が言ってましたからね。まあ僕はそんな部分も含めて惚れたんですけど」
梅と貞彦は箒を持って、楽しそうに手をつなぎながらこちらに向かう晴子と椿を見ていた。
そして、現在──
「やっぱり、あたしなんかより春子が好きなのかね」
梅がボソっとつぶやいてると、玄関ベルが鳴る。
「!」
梅は急いで、玄関に行く。
もしかしたら、椿が家の中に入りにくいからって押したのかもしれないと思ったからだ。
玄関のドアを開けた。
「椿、おかえ・・・・・・!」
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