国家魔法探索士の椿〜未確認幻獣探し旅〜

和山忍

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二十三話 お見舞い

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「お母さん。明日、国家魔法探索士の試験を受けるんだ」
  
 椿は家族と病院に来ていた。

「いつまでも寝てないで、起きたらどうだい?春子」

「・・・・・・」

 梅が声を掛けるが、春子は無表情でうんともすんとも言わず、眠ったままだった。

「・・・・・・こんなこと言うのもなんですが、春子はどんな夢を見てるんですかね」

「さあね。春子は嬉しい時や楽しい時は顔に出すけど、辛い時や苦しい時はあまり顔に出さない娘だったからね。表情だけではなんとも・・・・・・」 

「・・・・・・お母さん!試験に受かって、少しでもはやく獏を見つけるからね!」


 そして、次の日──

 椿は梅と一緒に国家魔法探索士の試験会場がある幻和の東の海沿いの首都都市、東坂とうさかに来ていた。
 
 海沿いの首都都市といっても、試験会場から海までは約二十キロ程離れている

「時速約二百キロの列車で約二時間か・・・・・・あたしらの頃よりも早くなってるね」
 
「・・・・・・そうなんだ」

「?」

「・・・・・・」
 

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