妖戦刀義

和山忍

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百五話 瞬戻の術は場合によっては危険伴う術

 地上を飛び立ってから、しばらくが経った。

「空雄さん?」

「ん、なんだ?風太」

「さっきの瞬戻の術って、空雄さんと夏海さんは使えるの?」

「一応俺と夏海も使えた」

「じゃあ、もしかして空雄さんと夏海さんは瞬戻の術をかけてから来たの?」

「いや、俺も夏海も瞬戻の術はやってない」

「え、どうして?やっておけばすぐにでも村に戻れるのに」

「それが場合によっては危険を伴う術でもあるんだ」

「危険を伴う?」

「ああ、瞬戻の術を木にかけた後、俺は空が飛べなくなった」

「え!?」

「夏海は治癒術が使えなくなった」

「ちょっと待って!それってまさか・・・・・・」

「そうだ。瞬戻の術は一度施すと無作為に何かしらの制限をされてしまうんだ。正直、いつどこで戦いになるかわからない状態でそれはきつい」

 確かに・・・・・・ん?待てよ。

「・・・・・・じゃあ玉穂と父ちゃん、そしてあの絡新婦も何かしらの制限を受けていたってこと・・・・・・」

「そういうことになるな」

「・・・・・・」

 風太は玉穂と佐吉が宗太や咲を含めた村人に手をかけた時のことを思い出す。

「あれで制限されていたのか・・・・・・」

 風太の手が震える。

「・・・・・・風太。もし違ってたらなんだが、今は玉穂と佐吉のことは考えるな」

「え、ああ・・・・・・はい」

「話は戻るが、さっきの瞬戻の術は自身が妖力をかけた岩や木などが攻撃されると激しい痛みが自身を襲う」

「それって、もしかしてその妖力をかけた岩や木が破壊されたら、こちらも死んでしまうとか・・・・・・」

「いや、それはないらしい。あくまで痛みだけだそうだ。しかし、その痛みに耐えられずに気絶する者がいたらしいが・・・・・・」

「そうなんだ」

「それがなければ、とてもいい術なんだがな」

「そうだね。ん?待てよ。それなら戦う時に術を解除すればいいんじゃないかな」

「いや、それが駄目なんだ。一度、瞬戻の術を施すと使用するか、術の効力がなくなるのを待つか、その妖力をかけた岩や木がそれなりに破壊されるかのいずれかでないと解除されない」

「そうなんだ。ちなみに効力はどれくらいで切れるの?」

「八日だそうだ」

「八日か・・・・・・」

「だいぶ近づいたか・・・・・・そろそろ降りるか」
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