妖戦刀義

和山忍

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八十一話 激しく打ち合う

 風太は木刀を両手で二本持ち、空雄は木刀一本で互いに激しく打ち合う。
 
 それを見ていた夏海が、

「もう一刻(約二時間)は打ち合ってるわ」

 と呟く。

 風太が間合いをとる。

「はあ、はあ」

 息を切らす風太。

「・・・・・・」

 しかし、空雄は息一つ切らさず、風太をじっと見ながら、構える。

「経験の差ってやつだな」

「康夫さん!いつの間に!?」

「もう一刻は打ち合ってるわと呟いた時から」

「・・・・・・そう」

 二人が話している間に空雄と風太が同時に地面を蹴る。

「!」

 勢いよく走り、互いの間合いに入ると風太は右手の木刀を上へと上げたと思いきや、そのまま背中につくかつかないかという所で構え、そして左手で持ってる一本を右の脇腹あたりに構えた。

 空雄は下段に構え、そのまま上へと木刀を振る。

 すると、風太の左手で持ってる木刀で空雄の木刀を打つ。

「くっ!」

 しかし、その木刀は弾かれ、地面に転がった。
  
 風太はすかさず、右手で持ってる木刀を振るが、それも空雄の木刀に弾かれてしまい、宙を舞った。

「・・・・・・参りました」

 そう言って風太は膝を落とし、そのまま仰向けに倒れる。

 それを見ていた夏海は、

「もしかして、最後のって互いに木刀を狙ってた?」

 と康夫に訊ねる。

「おそらくそうだな」

 空雄は仰向けになっていた風太を見る。

「・・・・・・風太。お前隠れて二刀流の稽古してたろ?」

「!・・・・・・すみません」

 と風太は視線をずらして、謝る。

「本当は勝手に稽古していたことを注意する所だが・・・・・・」

 空雄は頭を軽く搔いて、

「なかなかよかったぞ」

 と風太を褒めた。

「ほんとですか?」

 風太は勢い良く、上半身だけ起こす。

「・・・・・・ただ、勝手に二刀流の稽古していた罰として俺と話す時は敬語禁止いいな?」

「え?あ、はい」

 それを聞いて夏海が思わず、

「変な罰ね。ふふ」

 口元に手を近づけて、にこやかに笑う。

「一旦休憩だ」

「はい!」

 風太と空雄が夏海達の方に向かって歩く。

「風ちゃん!今から私に対しても敬語禁止ね!」

「ついでに俺もな」

「え!?どうしてですか?」

「前から堅苦しい感じがして嫌だったの!」

「そうそう」

 三人が話しているのを見て、空雄があることに気づく。

「そう言えばもう昼すぎだが、川次郎はまだ帰ってきてないのか?」





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