妖戦刀義

和山忍

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百一話 あいつだけは絶対この手で──

 とある滝の裏──

 そこには岩に寄りかかる結衣の姿があった。

「くっ!」

 腕に刺さった刀を抜く。

 あの野郎、あたしの身体をこんなにした上に刀まで刺しやがって──くそっ!
 
 と思いながら抜いた刀を地面に叩きつける。

「はぁはぁ、ぐっ!」

 腰から激痛が走る。結衣は切断された腰のあたりを睨みつけるように見る。

 絶対殺す!こんな身体にしたあいつだけは絶対この手で──

 結衣は手に持っていた自分の下半身の切断面と上半身の切断面を合わせた。

 そして、合わせた上半身と下半身の周りに自身の糸を貼り付けるように巻きつけた。

 そして、腕の刺し傷にも糸を貼り付けた。

 約四半刻(約三十分)もすれば、傷は癒えて身体もくっつくだろう・・・・・・人魚ほどではないけど、治癒術が使えてよかった。

 結衣は寄りかかってる岩を見る。

 しかし滝があっても、このような洞窟が一週間近く見つからなかった時の為にやっといた瞬戻しゅんれいの術がこんな形で役に立つとは・・・・・・

 結衣は風太の刀を見る。

 この刀はおそらく、持ち主が呼び寄せれば瞬時にその場へ行けるよう術がかけられている。

 しかし、持ち主が逆に刀の元へ瞬時に行くことはできない。

 これはあたしの感だけど、奴はこの刀の妖気を頼りにあたしの所へと来る。今が好機だと思って・・・・・・けど、そうはいかない。今度はあたしが奴の身体を──。

 結衣はニタリと笑う。
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