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二十一話
「仁奈さん。お腹は大丈夫でしたか?」
と周助はカウンター席で生姜焼き定食を食べながら、仁奈に訊ねた。
「はい。どこも異常ないとお医者さんに言われました」
(その上、頑丈だねと言われた)
「それはよかった」
と周助は安堵の表情をする。
引き戸が開いた。
「「いらっしゃいませ」」
仁奈と二十代くらいの給仕の女性が挨拶をする。
入って来たのは黒髪でツリ目の女性だった。
「一名様ですか?」
「はい」
「お席はカウンター席でよろしいですか?」
「はい」
「では、こちらにどうぞ」
給仕の女性はカウンターに案内した。
ツリ目の女性は周助の隣に座った。
「メニュー表はこちらにあります。お決まりましたら、お声かけ下さい」
「分かりました。ありがとうございます」
ツリ目の女性はメニュー表を見る。そして顎を触りながら、少し考え込む。
ツリ目の女性はチラッと周助の生姜焼き定食を見る。
「あのすみません」
周助に訊ねる。
「ん?・・・・・・もしかして僕?」
「はい。その生姜焼きって美味しいですか?」
「はい。美味しいですよ」
「そうですか・・・・・・」
「もしかして、お酒を飲まれますか?」
「ええ、はい」
「でしたら、おすすめの一つとして唐揚げはどうですかね」
「唐揚げですか・・・・・・」
ツリ目の女性が少し考え込む。
「分かりました。ありがとうございます」
「いえ」
「すみません!」
ツリ目の女性は手を上げて、給仕の女性に声を掛ける。
「は~い」
「ここって一人から飲み放題ってできますか?」
「できますよ」
「じゃあ、二時間飲み放題でビールと唐揚げをお願いします」
「はい。二時間飲み放題でビールと唐揚げですね」
「はい」
「かしこまりました」
(飲み放題頼んだってことは明日は休みなのかな?)
数分後──
「ビール、お待ちどう」
給仕の女性が中ジョッキに入ったビールを置く。
「ありがとうございます」
ツリ目の女性はビールを呑む。
半分くらい呑むとジョッキをカウンターに置いた。
「ふ~」
ツリ目の女性が周助の方を見て、
「お兄さんはここの常連ですか?」
「そうですよ」
「そうですか」
「もしかして、お兄さんは警察官ですか?」
「!」
周助は一瞬驚き、思わずツリ目の女性をギョロっと見る。
ツリ目の女性は思わず、ビクッとなり、
「もしかして、気に触りましたか?」
と訊ねる。
「いえ、すみません。初めて僕の職業を一発で言い当てられたので、思わず驚いてしまって」
「そうなんですか。ちなみにいつもはどんな職業と勘違いされるんですか?」
「ヤクザとか極道とか」
「あ~」
(あたしも最初はそう思ったもんなぁ)
と仁奈は思いながら、唐揚げが盛られた皿を持って、
「唐揚げ、お待ちどう」
と唐揚げをツリ目の女性に渡す。
「ありがとうございます」
ツリ目の女性が唐揚げを受け取る。
「ちなみになんで僕が警察官だと思ったんですか?」
と周助が訊ねると
「実は私の兄が目がギョロっとした警察官の話をしていたので」
「!」
「もしかして、君茂さんの妹さん?」
「はい」
「あなたが茂さんの言ってた妹さんなんですね」
と仁奈がツリ目の女性に話し掛ける。
「はい。私は加藤美奈と言います。仁奈さんのことは兄から聞いてます。動物園よろしくお願いします」
「いえ、こちらこそよろしくお願いします」
(礼儀正しいなぁ)
「もしかして、三人で動物園に行くんですか?」
と周助が訊ねた
「はい。元々は私と兄だけで行く予定だったのですが──」
「え!?そうだったんですか?ごめんなさい!そうと知らずあたし・・・・・・」
と仁奈が謝る。
「いえ、こちらこそ兄がいろいろとご迷惑かけたそうで」
「迷惑だなんて、そんな!あたしが襲われてる所を助けてもらった上に壊れた鍵まで直してくれたので」
「そう言っていただけると、ありがたいです」
そう言って美奈は唐揚げを一つ食べる。
「!──うまっ!」
口を手で押さえながら言った。
そして、ビールを呑む。
「兄から聞いてましたが、ほんとに美味しいです」
「それはどうも」
仁奈が笑顔で言う。
「今さらですけど、茂さんにそっくりですね」
「え?そうですか?」
「はい。特に目がそっくりで」
「・・・・・・それは嬉しいです。けど、私と兄・・・・・・血は繋がってないんです」
「え!?ああ、それはごめんなさい!」
「いえ、謝らないで下さい。むしろ嬉しいので」
「そうですか」
(さっきから思ってたけどしっかりした妹さんね)
それから約九十分後──
「でね。お兄ちゃんがね・・・・・・ぷふっきゃははは」
(笑い上戸か・・・・・・)
引き戸が開く。
「いらっしゃいませ」
「いらっしゃいませ・・・・・・ん?」
と周助はカウンター席で生姜焼き定食を食べながら、仁奈に訊ねた。
「はい。どこも異常ないとお医者さんに言われました」
(その上、頑丈だねと言われた)
「それはよかった」
と周助は安堵の表情をする。
引き戸が開いた。
「「いらっしゃいませ」」
仁奈と二十代くらいの給仕の女性が挨拶をする。
入って来たのは黒髪でツリ目の女性だった。
「一名様ですか?」
「はい」
「お席はカウンター席でよろしいですか?」
「はい」
「では、こちらにどうぞ」
給仕の女性はカウンターに案内した。
ツリ目の女性は周助の隣に座った。
「メニュー表はこちらにあります。お決まりましたら、お声かけ下さい」
「分かりました。ありがとうございます」
ツリ目の女性はメニュー表を見る。そして顎を触りながら、少し考え込む。
ツリ目の女性はチラッと周助の生姜焼き定食を見る。
「あのすみません」
周助に訊ねる。
「ん?・・・・・・もしかして僕?」
「はい。その生姜焼きって美味しいですか?」
「はい。美味しいですよ」
「そうですか・・・・・・」
「もしかして、お酒を飲まれますか?」
「ええ、はい」
「でしたら、おすすめの一つとして唐揚げはどうですかね」
「唐揚げですか・・・・・・」
ツリ目の女性が少し考え込む。
「分かりました。ありがとうございます」
「いえ」
「すみません!」
ツリ目の女性は手を上げて、給仕の女性に声を掛ける。
「は~い」
「ここって一人から飲み放題ってできますか?」
「できますよ」
「じゃあ、二時間飲み放題でビールと唐揚げをお願いします」
「はい。二時間飲み放題でビールと唐揚げですね」
「はい」
「かしこまりました」
(飲み放題頼んだってことは明日は休みなのかな?)
数分後──
「ビール、お待ちどう」
給仕の女性が中ジョッキに入ったビールを置く。
「ありがとうございます」
ツリ目の女性はビールを呑む。
半分くらい呑むとジョッキをカウンターに置いた。
「ふ~」
ツリ目の女性が周助の方を見て、
「お兄さんはここの常連ですか?」
「そうですよ」
「そうですか」
「もしかして、お兄さんは警察官ですか?」
「!」
周助は一瞬驚き、思わずツリ目の女性をギョロっと見る。
ツリ目の女性は思わず、ビクッとなり、
「もしかして、気に触りましたか?」
と訊ねる。
「いえ、すみません。初めて僕の職業を一発で言い当てられたので、思わず驚いてしまって」
「そうなんですか。ちなみにいつもはどんな職業と勘違いされるんですか?」
「ヤクザとか極道とか」
「あ~」
(あたしも最初はそう思ったもんなぁ)
と仁奈は思いながら、唐揚げが盛られた皿を持って、
「唐揚げ、お待ちどう」
と唐揚げをツリ目の女性に渡す。
「ありがとうございます」
ツリ目の女性が唐揚げを受け取る。
「ちなみになんで僕が警察官だと思ったんですか?」
と周助が訊ねると
「実は私の兄が目がギョロっとした警察官の話をしていたので」
「!」
「もしかして、君茂さんの妹さん?」
「はい」
「あなたが茂さんの言ってた妹さんなんですね」
と仁奈がツリ目の女性に話し掛ける。
「はい。私は加藤美奈と言います。仁奈さんのことは兄から聞いてます。動物園よろしくお願いします」
「いえ、こちらこそよろしくお願いします」
(礼儀正しいなぁ)
「もしかして、三人で動物園に行くんですか?」
と周助が訊ねた
「はい。元々は私と兄だけで行く予定だったのですが──」
「え!?そうだったんですか?ごめんなさい!そうと知らずあたし・・・・・・」
と仁奈が謝る。
「いえ、こちらこそ兄がいろいろとご迷惑かけたそうで」
「迷惑だなんて、そんな!あたしが襲われてる所を助けてもらった上に壊れた鍵まで直してくれたので」
「そう言っていただけると、ありがたいです」
そう言って美奈は唐揚げを一つ食べる。
「!──うまっ!」
口を手で押さえながら言った。
そして、ビールを呑む。
「兄から聞いてましたが、ほんとに美味しいです」
「それはどうも」
仁奈が笑顔で言う。
「今さらですけど、茂さんにそっくりですね」
「え?そうですか?」
「はい。特に目がそっくりで」
「・・・・・・それは嬉しいです。けど、私と兄・・・・・・血は繋がってないんです」
「え!?ああ、それはごめんなさい!」
「いえ、謝らないで下さい。むしろ嬉しいので」
「そうですか」
(さっきから思ってたけどしっかりした妹さんね)
それから約九十分後──
「でね。お兄ちゃんがね・・・・・・ぷふっきゃははは」
(笑い上戸か・・・・・・)
引き戸が開く。
「いらっしゃいませ」
「いらっしゃいませ・・・・・・ん?」
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