背も胸も小さい仁奈の婚活物語

和山忍

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四十四話

***

 永戸市──

 周助がケーキ屋の裏ドアの前に立つ。

(昨日、宿直でいた生活安全課に仁奈さんのことともしかしたらエンベルデリルキーナの店主がその行方を知ってるかもしれないと言う話をしたから、今の僕にできることなんてないだろうけど──)

 周助はインターホンを鳴らす。

(何もせずには居られない)

「・・・・・・」

 周助は数秒待ったが、誰も来る様子がなかった。

(やはり、留守なのか)

 周助が顎を触りながら、考え込む。

 周助はケーキ屋の二階を見る。

(んー多分だけど、寝泊まりできるようにはなってるんだよね。でも、ここは住んでるのとは違う感じかな?だとすると、ここに仁奈さんがいる可能性はあるか?お店の入り口には一週間ほど休業すると書いてあったし・・・・・・そもそもまだここのケーキ屋が仁奈さんと関わってるかわからない・・・・・・)

 と考えていると、スマホが鳴り出す。

「!」

(生活安全課の聡からか!?)

 周助は電話に出る。

「もしもし、久しぶりだね聡」

「もしもし、久しぶりだな周助。宿直から話は聞いたぞ。聞いた限りでは確かに変だな」

「でしょ?」

「それで、そのケーキ屋なんだが、実はこないだ周助が捕まえた白髪頭の渡瀬慎之介だっけか?その娘だったんだ」

「え!?そうなの!?」

(確かに娘がいるとは聞いてたけど・・・・・・)

「それでその娘さん──渡瀬希奈という名でな、数日前に渡瀬慎之介の面会に来ていたんだ」

「え!?面会?」

「そうだ。周助が張り込みに行ってる間に慎之介の希望で携帯番号から呼び出したんだそうだ」

「そうだったんだ」

(知らなかった)

「その時の留置担当官から聞いたんだが、呼び出された渡瀬希奈は渡瀬慎之介に対して、とにかく暴言、罵倒がすごかったらしい。あまりにも酷くて留置担当官も何度か注意したらしい」

「そうなんだ・・・・・・」

「それで、その時に記入してもらった住所へ行ったんだが、インターホン押しても誰も出なくてな」

「そっか・・・・・・」

「それで一課の課長に聞いたんだが、今日は有休取って休んでるんだってな」

「うん」

「それでそっちのケーキ屋はどんな感じだ?」

「え!?なんでケーキ屋にいるってわかったの?」

「課長から聞いたぞ。昨日、有休申請出したんだってな。だから、周助のことだから、その女性の手掛かりを追ってるんじゃないかと思ってな。それでどうだ?」

「こっちもインターホン鳴らしたけど出てこなかったよ」

「そうか。今、渡瀬希奈の家から離れて、昼を食べてる所なんだ。食べ終わったら別の所へ聞き込みに行くつもりだ」

「そっか」

「今からメッセージアプリで渡瀬希奈の住所を送るから。一旦電源を切る」

「うん」

 電話を切る。

(ん~だとすると、仁奈さんはどこにいるんだ?)

 スマホが鳴る。

「ん?」

 確認すると、聡からメッセージアプリで通知が来ていた。

 周助はその中身を見る。

(ここに住んでるのか・・・・・・とりあえずダメ元で行って見るか)


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