魔法力士（旧タイトル: ギルドに冒険者登録しに行ったら、なれる職業が魔法力士しかなかった）

第二話 聞いたこともない職業

　ギルドの中に入ると、テーブルで食事、飲酒をする冒険者や掲示板に貼ってあったクエスト、仲間募集などを書いた紙が目に入った。受付には二十代くらいの金髪女性がいた。

「あのすみません」

「はい。なんでしょうか？」

「冒険者登録をしたいのですが･･････」

「冒険者登録ですね。身分を証明できるものはお持ちですか？」

「はい」

　タケシは身分証明書を受付の女性に見せる。

「では、こちらの情報を元に登録を行い、ギルドリングを作成します」

「ギルドリング？」

「はい。ゴムの腕輪みたいなものですかね。詳しい話は用意してからします。少々お待ち下さい」

「わかりました」

　しばらく経ち──

「こちらがギルドリングになります。どちらかの腕につけて下さい」

「わかりました」

　タケシはギルドリングを左腕につける。

「リングに触れて見て下さい」

　タケシはリングに手を触れる。リングから映像が出て、そこには自分の指名、生年月日などの情報が表記されていた。

「おお、これはすごい。けど、まだ職業を決めてないんですが･･････」

「職業はですね、そのリングに魔力を流すと自分の向いてる職業がいくつか表記されます。その中から自分のやりたい職業を選んで下さい」

「わかりました」

　タケシはリングに魔力を流す。

　格闘家か？それとも剣士？、あるいは魔法士？いや法師か？、裏をかいて忍とか？うーん･･････どんな職業が表記されるのだろうと期待に胸を踊らせた。すると、職業の所に文字が表記された。

「きた！･･････？」

「どうされましたか？」

「あのーなんか聞いたこともない職業が表記されたんですが･･････」　　

　受付女性に見せた。　　　　　

「･･････これは珍しい。魔法力士です！」